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2024年4月の読書メーターまとめ

新田新一
読んだ本
58
読んだページ
8817ページ
感想・レビュー
58
ナイス
1395ナイス

2024年4月に読んだ本
58

2024年4月のお気に入り登録
4

  • 智湖
  • りんご飴
  • 広井啓
  • まふ

2024年4月のお気に入られ登録
4

  • 智湖
  • りんご飴
  • 広井啓
  • まふ

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

新田新一
二つの作品が収められています。「十二月の都大路上下ル」は女子駅伝の物語で、表題作は真夏の御所での野球の物語です。どちらの物語もファンタジー的な要素が含まれており、効果は上げています。読後感が非常に良くて、読んだ後にじーんとしました。「十二月の都大路上下ル」には新選組が出てきます。荒唐無稽に感じますが、彼らが掲げていた「誠」の字は、ひたむきに駅伝を走る高校生たちにぴったりです。表題作では、若くして戦争で散っていた野球人たちを悼む作者の優しさにほろりとします。世界中がきな臭くなっている今に適した物語です。
いこ
2024/04/08 23:41

新田新一さん、こちらこそ共読してくださりありがとうございました<(_ _)> そして、ナイスレビューです!!万城目さんはあまり沢山読んでいないのですが、わたしも忘れられない作品となりました。聞くところによると、あまり万城目さんらしくない作品のようなのですが、でも他の作品も読んでみたくなりました(*^-^*)

新田新一
2024/04/09 07:04

いこさん、こちらこそありがとうございます。褒めてくださり、かなり照れました。こんな風に現実の中に幻想が入ってくる物語は、非常に好みです。一番好きな小説のタイプです。万城目さんらしくない小説なのですね。私も万城目さんの小説はあまり読んだことがないので、これからいろいろ読んでみたいです。

が「ナイス!」と言っています。

2024年4月にナイスが最も多かったつぶやき

新田新一

先月もナイスやコメントを有難うございました。今月もよろしくお願いいたします。家の隣にある公園の桜が満開になっていたので、スマホで撮影しました。2024年3月の読書メーター 読んだ本の数:55冊 読んだページ数:8071ページ ナイス数:1170ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1010824/summary/monthly/2024/3

先月もナイスやコメントを有難うございました。今月もよろしくお願いいたします。家の隣にある公園の桜が満開になっていたので、スマホで撮影しました。2024年3月の読書メーター 読んだ本の数:55冊 読んだページ数:8071ページ ナイス数:1170ナイス  ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1010824/summary/monthly/2024/3
毒兎真暗ミサ【副長】
2024/04/02 13:31

新田さん、こんにちは😊昨日は早寝したのでご挨拶が遅れました💦虫活してるんですか?それではますますこれからもよろしくお願いします😊🐞

新田新一
2024/04/02 13:56

ミサさん、こんにちは。ご丁寧にありがとうございます。今月もよろしくお願いいたします。子供のころから虫が好きです。田舎に住んでいるので、色々な虫に出会えます。鳥も好きで、鳥の声を聴きながら、いつも散歩をしています。

が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
58

新田新一
1962年に起こったキューバ危機を描いた600ページを超える大作。この本を読むまで、キューバに核兵器が持ち込まれていたことを知りませんでした。本書を読むと、紙一重のところで人類滅亡の危機が回避されたことが分かり、複雑な心境になります。まだ生まれていなかったので、もし核戦争が起こっていたら、私はこの世に生まれなかったかもしれません。ケネディとフルシチョフの二人のリーダーは、色々な欠点を持ちながらも、核戦争だけは回避すると強い意志を持っていた、と著者は繰り返し書いています。この点に一番心を打たれました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
原爆の悲惨さを描いた児童文学の傑作。絵本作家として有名な太田大八の挿絵も素晴らしいです。広島に原爆が落ちた時に、郊外の寺に疎開していた子供たちを中心に物語が展開していきます。原爆で負傷した子供を助けて、自分も深い傷を負った清水先生の挿話は胸が詰まりました。初めてのお化粧が、死化粧とは悲しすぎます。こんな風にして無数の人達が命を落としたことを考えて、平和の有難さを骨身にしみて感じました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
カキツバタ文房具社の社内運動会が開かれます。個性ある社員たちが登場し、ドタバタ喜劇を展開します。本当に可笑しい小説で、何度も大笑いしながら読みました。初めて読んだのですが、山本さんは登場人物たちを描き分けるのが巧み。ずっと心に残りそうな人ばかり出てきます。一番印象に残ったのは人事課の千葉課長。目立ち過ぎるカツラをつけ、社長にゴマすりばかりする人です。彼が意外な素顔を見せる最終章にはほろりとしました。完璧な人はいないけれど、皆が会社で頑張って働いているんだ、と思えるラストが素晴らしいです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
長谷川町子の作品が好きでいろいろ読んでいますが、『いじわるばあさん』が一番可笑しいと思います。読んでいると、噴き出すことが多いです。おばあさんと言うより、いたずら好きの悪ガキと言った方がぴったり。男性がいじわるばあさんに催眠術をかけようとします。あなたは鳥になると暗示をかけるのですが、ばあさんは残り少なくなっている彼の髪の毛を毟り取ります。鳥なので、髪で巣づくりするのというわけです。(17ページの作品)気の毒な話ですが、これには笑ってしまいました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
四季ごとの詩が収められています。きれいな挿絵が添えられていて、詩の内容を引き立てていると思いました。秋の部に収録されている「旅」という詩が良いです。電車に乗って旅に出るときの高揚感が描かれ、私は、一日一日を生きることが、旅なのだと気づきます。惰性で生活しがちな日々の生活の中にある喜びに、目を向けさせてくれる詩です。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
月彦という不思議な名前を持つ少年が主人公の物語。彼は柘榴が繰り返し出てくる夢の中に囚われており、そこから外へ出ることができません。美しいのに食べようとすると、ざらついた感触が残る柘榴の描写が印象的。真夏の夜の学校の影絵のような出来事も描かれて、物語自体の幻想性を高めています。野ばらの垣根の外へ行けない月彦は永遠の少年なのかもしれません。大人になれないことの悲しみが描かれているわけですが、裏返せば自分のなかの無垢な部分を守り抜くことであり、この純粋さが長野さんの小説の大きな魅力の一つです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
著者が愛した喫茶店を叙情な筆致で描いたエッセイ集。一昔前の東京の街の息遣いと、そこに暮らす人々の思いがよく伝わってくる素晴らしい作品です。著者も書いていますが、本屋に行って疲れた後に、ほっとできる喫茶店のような場所は都会のオアシスです。この本を読むと喫茶店の経営は利益を上げにくいものであることが分かります。それでも、そこで働く人たちはこの仕事が好きで、お客さんの笑顔を見たくて続けています。本当に意味のある仕事とは、こんな仕事なのだと強く感じました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
実際に人と暮らしたワニのお話。ベネズエラで生活していたフォオロという男性は、ワニの仲間のカイマンの赤ちゃんを拾い、育てます。クロという名前を付けました。クロはファオロになつき、彼が朝寝ているとベッドに起こしに来たそうです。ファオロが結婚した後も、クロは彼の家で暮らし続けました。クロはファオロが亡くなったときに、彼の棺から動かなかったそうです。爬虫類がこれほど愛情深いとは思わなかったので、深く感動しました。本当に良い絵本だと思います。ヨーロッパや日本と異なった素朴で味わい深い絵も好みでした。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
二つの世界が並行して描かれていきます。一つは月や火星の開発が進む夏紀の世界で、もう一つは量子コンピュータが実用化されている登志夫の世界です。二人とも幼いときに飛行船のツェッペリンを見たという不思議な記憶を持っていて、やがて二人の世界はつながり始めます。切なくて、どこか懐かしい青春小説の傑作。SFとしても面白くて、パラレルワールドの実在を信じたくなる作者の筆力に痺れました。カタストロフィが起きそうになるのですが、夏紀の勇気ある行動により回避。この力強い結末は一人の人間の持つ可能性を示して、感動的でした。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
昭和を代表する大詩人金子光晴の孫賛歌。金子光晴にしては柔らかく優しい言葉遣いで、生まれたばかりの孫娘を瑞々しく描いています。同時に反骨の人らしく、現代社会の病んだ部分を剔出して、無垢な幼子と対照的に表現しています。戦争中も絶対に軍部に迎合しなかったこの詩人の面目躍如といったところです。序詩の「森の若葉よ 小さなまごむすめ 生まれたからはのびずばなるまい」という言葉に込めれた祈りにも似た愛情が、心に染みました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
ペットの世界の暗黒面を描いた漫画です。かなり暗くて、重たい話なので、読みながら胸が詰まりました。利益追求しか考えないブリーダーの家にいるわんこたちが、惨たらしく傷つけられている描写には、泣きたくなります。後半はアニマルシェルターが出てきて、物語に少しだけ明るさが出てきます。傷つけられた動物たちを、保護するこんな施設があることは、知りませんでした。ぜひ最後まで読んでみたい作品です。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
西洋菓子店プティ・フールを舞台にした連作。一つ一つの物語がつながっていて、登場人物たちの胸の内が繊細に描かれています。出てくるお菓子の描写が美しく、真に迫っており甘い物好きにはたまらない物語でした。主人公の亜樹と恋人の祐介のもどかしい恋愛がメインのプロットです。最後の物語で二人は別れてしまい、どうなることやらと思ったのですが、結末ではめでたしめでたし。亜樹の師匠である祖父の言葉が心に刺さります。お菓子作りの要諦をさりげなく伝えてくれ、頑な彼女の心をほぐすのです。仕事と人間同士の絆が結びつく展開がお見事。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
北町貫太ものと異色のダークファンタジーが収録されています。「昼寝る」が一番心に残りました。やっと巡り合えたガールフレンド秋恵との生活が描かれた一編。彼女が体調を崩し、貫太はかいがいしく看病をするのですが……。前半には割と幸せな雰囲気が漂っているのですが、後半で貫太のだめ男ぶりが執拗に描かれています。実際の経験に基づいているのだと思いますが、案外虚構だったりしてと考えながら読みました。「悪夢」はネズミの視点から書かれた暗い物語。結末も救いがありません。こんな傾向の作品をもっと書いてほしかったです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
ブルブル震えてばかりいるライオンが、ムクムク太っている犬に育てられる物語です。ムクムクに育てられたブルブルは立派な大人のライオンになります。サーカスで働き始めたブルブルは、ある時に夢の中でムクムクの子守唄を聞いて……。結末直前の悲しい出来事に胸が詰まります。でも、結末では救いが暗示されており、ほっとします。私が繰り返し読んでいる絵本。やなせ先生の優しさあふれる絵と物語がたまらなく好きです。この優しさは、やなせ先生の作品に一貫して流れているものです。
宵待草
2024/04/23 21:05

新田新一さん こんばんは!🌃  読書メーター登録以前からの、長い年月の蔵書絵本で、レビューを掲載して居ませんが、共読本が一冊加わり、とても嬉しくレビューを拝読しました!🍀 何時も、有り難うございます!🙋 宵待草

新田新一
2024/04/23 21:17

宵待草さん、こんばんは。こちらこそいつも有難うございます。共読本が増えて、私も嬉しいです。絵本は図書館で借りることが多いのですが、この本は蔵書の一つで、大切にしています。本当に好きな作品で、これまで何度も読みました。読書メーターの本で繋がるご縁は、これからも大切にします。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
1巻が出た時からずっと読み続けているコミック。長命のエルフであるフリーレンが主人公。彼女が仲間たちと様々な冒険を重ねながら旅をする物語です。面白いのは、英雄譚の後日談になっていることです。SFやファンタジーが好きなのでいろいろ読んだのですが、こんなプロットの作品は知りません。フリーレンは自分たちの冒険が伝説になっているのを知りながら、旅を続けます。この巻は味わい深い話が多く、フリーレンが体がポカポカする魔法をお礼にもらうエピソードが好きです。この柔らかい雰囲気が『葬送のフリーレン』の特長の一つです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
フランスの絵本。絵の洒落たタッチがいかにもフランスです。大都会で黙々と掃除の仕事をする男性が主人公の物語。ふとしたきっかけで、彼に小さな友達ができます。最後の一行が素晴らしくて、心に残ります。たわいのないお話なのですが、こんなはどこかで大きな街で起こりそうです。それを考えると、この絵本は地に足のついた内容です。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
表紙の赤ちゃんの絵が可愛い、フィンランドの絵本。出版社の紹介によると、作者はフィンランドでもっとも有名なイラストレーターの一人だそうです。暖色をふんだんに使った温かみのある絵本です。水彩画の淡いタッチが生かされています。風邪をひいてしまったトンパちゃんは、お母さんとお父さんの献身的な看護ですぐに良くなります。元気になったトンパちゃんの笑顔が素敵でした。
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
2024/04/25 06:24

トンパちゃんシリーズ、子供が赤ん坊の頃に購入して、まだ持ってます。手放せません。素敵な絵本ですよね!

新田新一
2024/04/25 06:31

今庄和恵さん、本当に素敵な絵本ですね。私も手元に置いて、時々読み返そうと思います。水彩画がきれいで、眺めていると心が和みました。子供さんも喜ばれたのでしょう。コメントを有難うございました。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
2009年に思潮社から発行された詩集。一応最後まで読んだのですが、よく分かりませんでした。詩集の場合、意味は分からなくても伝わってくるものがあるのですが、この詩集の場合はありません。再読しても分からないかもしれませんが、またいつか読みたいです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
作者が芥川賞を受賞した『乙女の密告』と同じ才気を感じる短編集。「WANTED !! かい人21面相」は、グリコ・森永事件を背景に風変わりな女子高生の生活を描いた作品。主人公とエキセントリックな女の子楓の友情が、ユーモアたっぷりに書かれています。かい人21面相が、京都の田舎町の人達のアイデンティティになったという社会風刺に、作者の力量を感じます。「恋もみじ」は不思議な味わいの短編。登場人物たちが言葉にこだわる点が面白いです。「少女煙草」も魅力的な作品で、少女のような老女の生き様が現実を突き抜けて語られます。
新田新一
2024/04/22 15:50

『乙女の密告』は、『アンネの日記』の世界と現代の日本の大学生活がつながるという趣向が好きでした。編入したので卒業はしなかったのですが、赤染さんが行かれた京都外語大学に私も1年通ったので、作者には親しみを感じます。42歳の若さで亡くなりました。生きておられたら、小川洋子さんや川上弘美さんのように活躍されて、良い小説を書き続けられたと思います。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
わらうほしでは、みんなが笑います。山も森も町も公園も笑います。ぼくもわたしも笑うし、雨粒も笑います。わらうほしは、今の地球と正反対の場所かもしれないと思えてきます。でも、地球もいつかはこんな星になれると思いたいです。色鮮やかで明るいタッチで描かれていますが、作者の真摯な祈りが感じられる絵本です。ページをめくるだけで、パッと明るい気持ちになれるので、私が大好きな絵本の一つ。これからも繰り返し読みたいです。
yomineko@猫と共に生きる
2024/04/22 15:57

生きる勇気を貰えますよね😊

新田新一
2024/04/22 16:54

本当にそうですね。絵本を読むと生きる勇気をもらえます。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
スターリン後の指導者の政策を通して、ソ連の政治の成果と失敗を描いた一冊。学校の歴史の時間では省略されがちな時代のことが詳細に描かれており、非常に良かったです。この本を読むとソ連では社会主義の浸透によって、一定の成果があったことが分かります。国家の計画的な経済により貧困がほぼなくなり、普通の人は安定した生活を送れるようになりました。ただ国が面倒を見てくれるので、国民が無気力になった弊害はあります。社会主義を闇雲に攻撃するのではなく、社会主義から学べることを無視してはいけない、と思います。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
一つ一つの絵に生かされている童話的な発想が好きです。例えば、バイオリンの形をした雲を突き抜けていく飛行機雲の絵があります(99ページ)。その雲がバイオリンを弾く弦に見立てられています。幻想的で懐かしさを感じる絵は、私の好きな画家シャガールに似ていると思いました。谷内六郎の絵が表現しているのは、日本人の心の故郷なのかもしれません。小さな駅の改札口にちょこんととまった小鳥が、くちばしに桜の花びらを咥えている絵もあります(139ページ)。その花びらが切符です。今頃の季節にぴったりのこの絵が一番印象に残りました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
主人公は受験を控えた中学生の七生です。どうしても行きたい高校があって、塾に通い始めました。塾の先生樺木に恋心を抱くようになります。少年時代に妹を亡くした樺木も、七生のことを憎からず思うようになって……。瑞々しくて切ない青春小説の傑作。七生と樺木の危うい関係にはらはらしながら読みました。コンプレックスを持ちながら一生懸命に生きる人たちを繊細に描く作風は、初期の作品から確立されていたことが分かります。若くして亡くなってしまったのが非常に残念です。残された作品をこれからも読み続けます。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
ロボットが完全に実用化され、社会で普通に使われている社会が描かれています。でも、本書の主人公のチク・タクは安全回路が正常に働かず、人を殺すこともためらいません。チク・タクの狂った行動はエスカレートしていきます。いやあ、ブラックユーモアに満ちたすごい小説です。チク・タクの行動は、人間の中にある悪を誇張して描いたものです。言い換えれば、人間がダメな存在なので、チク・タクも狂ってしまいます。急速に普及しているAIもチク・タクのようになってしまう可能性があります。それを考えるとこの小説の先見性は素晴らしいです。
えか
2024/04/20 14:00

新田さんも、なかなかのSF者ですなぁ。

新田新一
2024/04/20 14:52

有難うございます。そう言ってくださると、嬉しいです。ほとんど病気と言っていいほど、SFが好きです。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
フランスの画家ゴーギャンが、タヒチに滞在していた時のことを描いた一冊。緻密で美しいゴーギャンによる版画も収録されています。画家らしい、生き生きとした描写が素晴らしく、読者もタヒチに旅をした心地になります。興味深いのは、ゴーギャンがタヒチの神話や伝説を詳細に書いていることです。それらは、東洋や西洋の神話伝説と異なった面があり、彼の地の精神性の高さを表していると思いました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
美しい題名からして素晴らしい、優しさに満ちた詩集。一つ一つの言葉が、読み手を包み込んで癒してくれます。読み終わった後は、雨上がりの原っぱで深呼吸するような心地になりました。「掌」という詩が一番好きです。人間を傷つけ、殺傷するものを作り出してしまった掌は、人を癒すことにも使えます。作者の深い優しさを感じる詩です。最後の連で、人間の持つ可能性を表現しており、大きな希望を感じました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
西村賢太の初期の短編集。藤澤清造への強い思い入れがあまり書かれていないので、物足りない気がします。それでも独特の面白さと凄みがあって、読み始めたらやめられなくなりました。作者特有の偽悪趣味にあふれているので、受け入れ難い人もいるかもしれません。例えば、体臭の描写などは強烈過ぎました。職場で暴力事件を起こして、留置場に入れられる「春は青いバスに乗って」が一番の好み。嫌がっていたのに、留置場での生活に馴染んでしまうのが面白いです。移動のために乗せられた青いバスの中から見る桜の描写が、美しく心に残りました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
好きな絵本作家センダックの作品だったので、読んでみました。一人暮らしをしているジョニーの家に、ネズミ、猫、子犬、亀の子などがやってきて、大混乱が起きます。ジョニーは、お客さんたちに帰ってもらうために一計を案じて、見事に成功。静かな生活が戻ってきます。洒落をうまく使った数え歌が載っていて、子供たちは喜んで読むでしょう。ユーモアがあって生き生きとした絵も、眺めるのも楽しかったです。センダックの作品は、改めて素晴らしいと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
オーウェルの3つのエッセイが収録されています。ナチスドイツによる空爆が一番激しかった頃に書かれたもので、「もしヒットラーに英国が征服されたら」といった緊迫した表現が繰り返し出てきます。オーウェルの政治に対する立場は非常に共感できます。イギリスを深く愛し、イギリス国民の良さを認めながら、社会の改革すべき面を明快に指摘。右左という考え方を超えて、より良い社会の実現を本書で論じています。その視点は、真の人間性を追求する文学者としての感性に基づいており、今の時代でも通用する普遍的なものです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
作家水上勉の自伝。極貧の幼年期を経て、お寺で小僧として働くようになり、太平洋戦争に巻き込まれて作家として身を立てるまでが描かれています。非常に暗くて、重たい話で万人受けするのは難しそうです。昔はここに書かれているように、多くの人達が病を得て衰弱し、ぼろ布のように死んでいったのかもしれません。死産で生まれた自分の子供を埋葬する場面は特に心に残りました。人間はどうしようもない業を背負っており、それでも生きていかねばならないことが、作者の静謐な文体から真っ直ぐ伝わってきました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
妹が猫と自分の部屋に引っ越してきたので、主人公は一緒に住むことになります。よく知らなかったので、主人公には猫の一つ一つの動作が新鮮。例えば、しっぽの動かし方とか。猫のかわいいしぐさの一つ一つが、優しくユーモラスに絵が描かれていて、読み終わるのが惜しかったです。私のような猫好きにはたまらない作品です。事情があって、猫を飼えないので、こんな本を読めるのは本当にありがたいと感じます。お風呂に入れようとしたら暴れる場面では、昔猫を飼っていた時に自分も苦労したことを、懐かしく思い出しました。
いこ
2024/04/13 16:00

新田新一さん、この本に興味津々にさせてくれるレビューです!表紙のねこちゃんもとても可愛らしいです(*^-^*)

新田新一
2024/04/13 16:26

いこさん、こんにちは。過分なコメントを有難うございました。ギュルガ(猫ちゃんの名前です)が本当に可愛くて、読みながら幸せな気持ちになりました。ぜひ読んでみてください。共読本になれたら、嬉しいです。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
コンビニで売っている食べ物をテーマにした漫画が並んでいます。短くて物足りない作品もあったのですが、全体として面白かったです。食べ物は、ありふれたものでもあっても、人の生活と深く結びついており、思い出に残りやすいものであることがよく分かります。肉まんの話が一番心に残りました。仲良しの友達とお風呂に行って、帰りに肉まんを食べた話。大人になった主人公は会社帰りに、肉まんを食べながら、転校で別れた友達のことを思い出します。私のことを思い出してくれたらいいなあ、と願いながら。じんわりと心が温かくなるお話でした。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
盗賊のイチは仲間と共に捨て鉢な生活を送っています。生きるために盗みを働き、人を殺します。ふとしたきっかけで、遊女と知り合い、共に生活するようになりました。イチは自分が彼女の父と母を買って殺したことに気づき、慄然とします。布教を続けていた空也上人と出会って、イチの生活は変わり始めたのですが……。荒廃した世で地を這うようにして生きる人々の姿が印象的な長編。暗い長編ですが、結末でわずかな救いを感じました。「欲しがるな、与え続けよ」という空也の教えは現代で十分通用すると思い、心に刻みました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
作家の群ようこさんが、自分の来歴を詳しく語った一冊。エッセイや小説と同じように軽妙な語り口で、非常に面白く読めました。これを読むと、群さんは最初から作家を目指していたわけではなく、成り行きで物を書き始めたことが分かります。本の雑誌社に入社し、会社の事務的な仕事もしながら、エッセイを書き始めました。その肩の力の抜けた感じがプラスになったのかもと思いました。そうはいっても、本好きなことは確かで、物を書く上での読むことの重要性が強調されます。本好きとしては、その点が嬉しかったし、深く共感できました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
おじさまに敵意を持つピアニストのジョフロワが登場。無表情で冷たい人に見える彼も、繊細な心を持っていることが分かります。どんな人にも優しく接するおじさまのおかげで、ジョフロワの心の傷は癒えていきました。この巻も素晴らしい出来栄えで、読みながら笑ったり、じーんとしたりしました。特にジョフロワが雨の中で、捨てられた子猫たちを拾う場面には感動します。結末では思わぬ人が出てきて、続きはどうなるのだろう、と思ってしまいました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
二つの作品が収められています。「十二月の都大路上下ル」は女子駅伝の物語で、表題作は真夏の御所での野球の物語です。どちらの物語もファンタジー的な要素が含まれており、効果は上げています。読後感が非常に良くて、読んだ後にじーんとしました。「十二月の都大路上下ル」には新選組が出てきます。荒唐無稽に感じますが、彼らが掲げていた「誠」の字は、ひたむきに駅伝を走る高校生たちにぴったりです。表題作では、若くして戦争で散っていた野球人たちを悼む作者の優しさにほろりとします。世界中がきな臭くなっている今に適した物語です。
いこ
2024/04/08 23:41

新田新一さん、こちらこそ共読してくださりありがとうございました<(_ _)> そして、ナイスレビューです!!万城目さんはあまり沢山読んでいないのですが、わたしも忘れられない作品となりました。聞くところによると、あまり万城目さんらしくない作品のようなのですが、でも他の作品も読んでみたくなりました(*^-^*)

新田新一
2024/04/09 07:04

いこさん、こちらこそありがとうございます。褒めてくださり、かなり照れました。こんな風に現実の中に幻想が入ってくる物語は、非常に好みです。一番好きな小説のタイプです。万城目さんらしくない小説なのですね。私も万城目さんの小説はあまり読んだことがないので、これからいろいろ読んでみたいです。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
留置場に入れられた主人公の松蔵は、囚人たちに波乱万丈の自分の人生を語り始めます。義賊の下に弟子入りし、裏の社会で懸命に生きる人たちの一員になっていきます。非常に面白くて、読み始めたら止まらなかったです。泣かせるところもあり、特に5章では泣きながら読んでいました。弟の松蔵を立派な大人にするため苦界に沈んだ姉。彼女は不治の病に犯されていました。自分は立派な学生だと姉に告げる松蔵。その嘘を知りながら喜ぶ姉。このやるせなさには、泣かずにはいられませんでした。
いこ
2024/04/08 23:46

新田新一さん、こちらも共読嬉しいです(*^-^*) わたしはこの本を読むと、松蔵の口調がなんとなくうつってしまい、家族に「言葉がわるい」と叱られます。でも、この江戸弁、真似したくなりますよね(・・?

新田新一
2024/04/09 07:01

いこさん、有難うございます。この本は本当に良かったです。今日から2巻を読もうと思っています。松蔵の口調がうつってしまうのですね。それは面白いです。可愛い感じなのかもしれません。鹿児島生まれで、都会に行っても鹿児島弁なまり丸出しで、喋っている私には難しいかも。でも、松蔵の歯切れのよい江戸弁は憧れます。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
主人公の蛭田は、就職に失敗してしまい、食いしん坊の神様ヒルダと共にグルメ旅に出かけます。グルメと妖怪、就活という三つの要素がうまく噛み合った楽しい作品です。神様が、おいしい物好きという設定は面白いです。親しみやすい日本の神様だったら、そんな方もいらっしゃるかもしれません。梅田地下街が出てきて、懐かしい気持ちになりました。大学が京都だったので、時々行ってました。あの雑然とした雰囲気が描きこまれています。頑張っている250円コーヒーが出てきて、そのリアルな値付けが可笑しかったです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
主人公は、藤澤清造という昔の私小説の作家にひたすら入れ込んでいます。墓参りに何回も出かけるという傾倒ぶりです。自己中心的で女好き、自分に尽くしてくれる女性には暴力を振るうというとんでもない人間。なんだこれはと感じながらも、読み始めると止まらなかったです。自分の醜さも容赦なく描く覚悟に惹きつけられました。特に父親が性犯罪で逮捕されたことを書く勇気には驚きます。くすんだ詩情を感じる文章も魅力的で、他の作品も読んでみようと思いました。
毒兎真暗ミサ【副長】
2024/04/08 16:05

藤澤清造のお墓の隣にご自分のお墓も立てたんですよね。西村氏。惚れ込んでますね

新田新一
2024/04/08 16:19

ミサさん、コメントありがとうございます。そうでしたね。驚くほどの傾倒ぶりです。西村さんの死は早過ぎました。もっと書いてほしかったです。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
表紙の猫の写真からして素晴らしい岩合さんの写真集。旅の途中で出会った猫たちの写真が載っています。日本と海外の両方です。最初に猫旅のことが載っています。猫旅は健康になり、地域の人達とも仲良くなれると書かれており、成程と思いました。どの写真も良いのですが、特にギリシャの猫の写真が心に残ります。きらめくエーゲ海が背景に写っていたりして、猫が生き生きとして見えます。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
全編食をテーマにした漫画が載っている雑誌。先月買って読んだらよかったので、今月も購入しました。丁寧に編集され、温かみのある絵の漫画が載っているので、読んでいると心が和みます。冒頭に載っている夏目漱石が出てくる作品が一番良かったです。長旅のせいで、実家で倒れてしまった漱石の妻。悲しいことに流産してしまいます。悲嘆に沈む妻を慰めるために、夏目漱石がしたことは……。「累々と徳孤ならずの蜜柑かな」最後のページで、漱石のこの句が紹介されています。些細なことでも、思いやりを持って行えば、人の心は癒されると思いました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
自由にのびのびと生活しているのまどくんが主人公の絵本。私は作者の片山健さんの絵が好きなのですが、この本では特に素晴らしくて、のまどくんが生き生きと明るく描かれてます。のまどくんは、どんなものでも好きな子です。例えば、歩いていて水たまりがあると、水たまりにどんどん入っていきます。すっかり忘れていたのですが、子供のころは水たまりに、笹舟を浮かべて遊んだこともありました。子供たちが読んでも楽しめるし、大人が読めば、懐かしい子供時代を思い出せる良い絵本です。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
春をテーマにしたサザエさんの漫画を編集したものです。私はこの雑誌が好きで、書店で見かけると購入しています。おまけにポストカードがついているのも嬉しいです。そそっかしいけれど憎めないサザエさんが大活躍。サザエさん一家でお花見に行く場面が楽しそうで、嬉しくなりました。今年私が住んでいる地域は、桜が満開の時に雨が続いてお花見に行けなかったので、この本を読むことがお花見代わりになり、有難かったです。「エプロンおばさん」も載っています。サザエさんといじわるばあさんが登場する珍しい場面があって、面白く読めました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
ファウスト伝説に基づいたエリザベス朝の悲劇。作者のマーロウは、シェイクスピアより少し前の時代の人です。重厚で力強い韻文が素晴らしく、一文一文を噛みしめるように読みました。エリザベス朝の頃は特撮技術も使えないので、言葉と演技の力だけで、観客を別の世界に連れて行ったのだと思います。悪魔と契約したフォースタス博士はのめりこむようにして悪事を重ね、やがて自分の非を悟り、死んでいきます。悪魔に魂を売るというフォースタスの行動は愚かですが、身につまされます。彼のような性向は、私の心の中にも潜んでいるのかも。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
著者が和食の魅力を存分に語った一冊。和食のレシピも載っています。最初に書いてあるレシピにとらわれないことに、共感します。切り方や水の量は大雑把で良いそうです。私は割ときっちりする方ですが、料理を教えてくれた母が、「適当で良いのよ」と教えてくれたのを思い出しました。和食は白いご飯を真ん中に置くもの、と著者は書かれています。それに、副菜が二つ、三つです。糖質制限の観点から、白ご飯はやめた方が良い、と言われることもあります。でも、この本を読んで、白ご飯の良さに気づかされました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
人々のおへそを取るワルのかみなりが出てきます。それだけではなく、物を壊したりします。例えば、おへそを取る前で、瀬戸物屋さんの皿を3800枚も粉々にしてしまいました。そこで和尚さんが、一計をめぐらします。お寺の上に槍を立てて……。珍しい縦開きの絵本ですが、読んでいけば、なぜこうしたか分かります。素朴でユーモラスな赤羽末吉の絵が、味わい深いです。かみなりは散々懲らしめられるのですが、最後はハッピーエンドでめでたしめでたしでした。
yomineko@猫と共に生きる
2024/04/06 16:26

こんにちは~😊面白そうですね~😊読みたい本に登録させて頂きました📚

新田新一
2024/04/06 16:35

yominekoさん、こんにちは。ご登録有難うございました。面白い本だったので、お勧めです。かみなりの好物も分かりました。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
好きな絵本作家のバーバラ・クーニーが絵を描いているので、読んでみました。仲良しの三匹のダックスフントは、ある日森の中に迷い込み、家に帰れなくなります。その時……。ダックスフントたちが、本当に可愛い絵本です。生き生きと愛らしく描かれています。絵本自体は暖色を多めに使った構成になっており、温かみを感じます。この本全体に流れている古き良きアメリカの雰囲気が、非常に好みでした。
ピンガペンギン
2024/04/06 10:10

新田さん。いつも面白そうな本のレビューをありがとうございます😊バーバラ·クーニーの絵は独特ですね。家にクーニーの「Eleanor」の原書があります。静的な絵かと思ったら、動きのある表現も上手いです。

新田新一
2024/04/06 11:41

ピンガペンギンさん、過分なコメントを有難うございます。クーニーの絵は、本当に個性的ですね。私は『ルピナスさん』を読んで好きになりました。「Eleanor」の原書をお持ちとは羨ましいです。動きの表現の巧さは、この絵本でも感じました。子犬たちが走る絵に躍動感があります。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
トイレをテーマにした句集。タイトルに”Haiku”とありますが、詩情を感じるものは少なく、ユーモラスなものが多いので、川柳に近いといえるかもしれません。尾籠なものは少なく、上品にまとめられています。読みながら目の付け所が良いと感じました。トイレはどんな人にとっても必要なので、普遍的なテーマだと思います。特に好きなものを訳して紹介します。「荷物かけが見当たらない/床に置くのはあり得ないし/女子はどうすればよいの」これは私も経験があります。「深い愛は/真剣に待つペットにあり/ドアのすぐ外で」これは可愛いです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
このシリーズは、私のような猫好きにとってはたまらないマンガです。ブサイクでペットショップで売れ残っていたふくまるが、優しい中年男性のおじさまに出会って幸せになっていくお話。それだけではなく、登場人物たちの心の傷も詳細に描かれて、人間ドラマとしても読みごたえがあります。コロコロしたふくまるの可愛いことといったら!読んでいると心がとろけます。この巻では音楽の分野での兄と弟の葛藤と和解が描かれて、感動的でした。一気に読むともったいないで少しずつ読んでいこうと思っています。
いこ
2024/04/04 18:33

新田新一さん、このコミックス、最近読んでいませんでしたが、この6巻くらいまでは読みました。ふくまるちゃん、かわいいですよね♡ 1巻のおじさまの台詞「うちの子におなり」というところでもう泣いていました。また再開しようかなぁ(*^-^*)

新田新一
2024/04/04 18:38

いこさん、こんばんは。6巻ぐらいまでは読まれたのですね。ふくまるちゃんは、本当に可愛くて、メロメロです。とても優しい物語で、1巻のおじさまのセリフで泣かれたのはよく分かります。私も読んでいると、涙ぐんでいることがありました。私もしばらく読むのをやめていたのですが、また読み始めました。ともに読んでいきましょう。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
エルンストのコラージュ画にエリュアールのシュールな文を付けた一冊。どちらも好きなアーティストである私にとっては、盆と正月が一緒に来たような本です。エルンストのコラージュは不気味でグロテスクで、細部がはっきりとした悪夢のような趣があります。エリュアールの文はシュールで、普通に読んだら、何が何だかさっぱりわからないものばかりです。だから、意味を考えるのはやめにして、二人の絵と文が作り出す不思議な世界の中に、浸りきるようにしています。それはそれで楽しい体験で、日常生活の憂さを忘れられます。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
モノクロの緻密な絵が美しい絵本。クモのアラネアが苦労して、自分の巣を作り上げるまでが描かれています。まだ出てきませんが、私の家のまわりはクモが多くて、時々かなり大きくて、精巧に糸を張り巡らせたクモの巣を見ることがあります。朝露がついていると、きらきら光ってきれいです。何気なく見ていたクモの巣も、この本に描かれているように苦労して作られると思うと、かけがえのないものに思えてきます。子供たちが読めば、虫たちも生きるために必死なのだと感じるかもしれません。その意味で、この絵本は貴重なものです。
yomineko@猫と共に生きる
2024/04/04 06:06

新田新一さん、おはようございます😊図書館にありました!!!読みたい本に登録させて頂きました📚

新田新一
2024/04/04 06:13

yominekosさん、おはようございます。いつも有難うございます。図書館で見つかって良かったですね。良い絵本だったので、ぜひ読んでみてください。読書メーターでも、評価の高い本です。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
大学生の村上は、公園で「養なってください」(原文のまま。苦笑)と書いた紙を持つドラゴンのイルセラと出会います。ドラゴンは修行のためにこの世界に来たのです。小さくなったイルセラは、村上の6畳の部屋に入り込んで、2人の同居生活が始まります。かなり笑えるコメディーのファンタジーです。焼きおにぎりを好きになり、自分の炎でそれを作ってしまうイルセラは、可笑しかったです。今はやりの多様性よね、と言ってイルセラを受け入れてしまうおにぎり屋のおばちゃんにも、笑いました。面白過ぎるので、次巻も読みたいです。
えか
2024/04/03 18:42

わ、面白そう。新田さん、読みたい本に登録させていただきます。今日、ブックオフに行ったら、調べてみよう。

新田新一
2024/04/03 18:48

えかさん、ご登録有難うございました。本当に面白かったので、お勧めです。絵は繊細で奇麗で、ドラゴンが可愛く描かれていました。ブックオフで見つかりますように。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
詩全般が好きなので、漢詩の本もときどき読んでいます。范成大の詩を読むのは、これが初めてでした。著者によると南宋時代に活躍した詩人で、官吏としても実績があったそうです。范成大の生涯を描きながら、詩を紹介していく形式になっているので、歴史書とても楽しめます。漢詩では友情が主題になることが多く、この本の中でも有名な詩人陸游との交流を細やかに描いた詩が収められています。友達と別れる時の寂しさは、いつの時代でも同じで、陸游との別れを描いた111頁の詩は胸に染みました。
いこ
2024/04/02 17:33

新田新一さん、「花に嵐の例えもあるぞ さよならだけが人生だ」も漢詩ですか?わたしは全然詳しくなくて、それくらいしか思いつきませんが。新田さんは英語から漢詩まで幅広く詩のことを知っておられて、もう尊敬です(*^-^*)

新田新一
2024/04/02 17:45

いこさん、いつもコメントを有難うございます。書いてくださったものも、漢詩ですね。井伏鱒二の『厄除け詩集』に出てきます。この詩集も好きです。理由はよく分からないのですが、中学校の頃から詩をよく読んでいて、大学の時から英詩も読み始めました。詩は短いですが、読んだらぱっと気持ちを変えてくれるところが特に良いです。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
野尻湖でナウマンゾウの骨が見つかり、その頃の動物の骨や人間の道具が続いて発見されたことを描いた絵本。歴史のロマンを感じる素晴らしい作品です。ナウマンゾウが発見されたこと自体知らなかったので、歴史の勉強にもなりました。ナウマンゾウの先祖はインドに住んでいたそうで、大陸と日本がつながっていた時に、日本へ渡ってきたのかもしれません。3600名もの人たちが集まって、発掘をする場面の絵は胸が躍ります。色彩豊かで躍動感のある絵になっています。繰り返し読みたい絵本がまた1冊増えました。
えか
2024/04/02 15:16

でも、発掘体験の方は、見事に記憶から抜けています😭。多分、何も見つからず、退屈だったんですね。

新田新一
2024/04/02 15:30

そうなんですね~。何も見つからなかったら、退屈になるでしょう。記憶といえば、私の場合は、読んだ本を読んでないと思い込んで、ブックオフなどで買って読んでしまうことがあります。半分ぐらい読んで、あっ読んだと気づいて、自分でも呆れます。特にコミックが多いです。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
『龍の子太郎』のような松谷みよ子さんの児童文学が好きなので、読んでみました。いじめを主題にした詩集です。重たすぎる内容で、救いがありません。「仮面」は、死にたいと思うのです、という子供の独白で始まります。最後は枕元にある仮面をかぶる、と書かれます。その仮面は「わらいがお」です。薄日が差すように少しずつ希望が語られ、最後から二番目の詩は、「あなたも生きてください」と結ばれます。松谷さんはこの詩集で、いじめられている子供たちの心に、可能な限り寄り添おうとしたのでしょう。その誠実な精神に深く心を打たれました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
ずっと気になっていた柚月さんの小説をやっと読めました。家庭裁判所の調査官補の望月大地を主人公にした連作。盗みで捕まった少女、ストーカー犯罪、親権を激しく争う夫婦といった現代的な主題が、落ち着いた叙情的な筆致で描かれています。調査官の仕事に対する自分の資質に疑問を持ちながら、悩み苦しむ人たちに寄り添おうとする大地の姿に、深く感動しました。最後の話が特に良かったです。親権を争う両親の板挟みになった男の子が、大地に手紙を書きます。心のこもったその手紙を読むと、泣きそうになりました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
台湾の絵本作家ジミーの傑作。想像力を刺激する絵が多いので、子供たちが読んでも楽しめると思うのですが、どちらかというと大人向きです。一つ一つの絵に繊細で切ない散文詩のような文章がつけられており、それを読むと心が震えます。ちょうど自分にとって大切な子供時代の思い出が、蘇るような感じです。ジミーは私たちと同じ東洋人なので、彼の絵には親しみやすさと郷愁を感じます。8ページに載っている大きなピンクのブタと、その前にいる木馬に乗った小さな男の子の絵が一番の好みです。可愛くて幻想的で、子供時代の夢想を思い出します。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
広瀬弦の絵に谷川俊太郎の詩を付けたもの。他の方の感想を読ませて頂き知ったのですが、広瀬弦は佐野洋子の息子とのこと。それを知って絵を眺めると、母の絵と似ているところがあるのに気付きました。谷川さんの詩はユーモラスでリズミカルで、ときに哲学的になって表現の深みを感じました。すべての命のつながりを書いた最後の詩を読むと、明るさと希望を感じてじーんとします。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/05/25(1814日経過)
記録初日
2023/06/01(346日経過)
読んだ本
584冊(1日平均1.69冊)
読んだページ
88560ページ(1日平均255ページ)
感想・レビュー
584件(投稿率100.0%)
本棚
0棚
自己紹介

日本と海外の古典文学、SFとミステリー、漫画、児童書が好きです。どんな本でも丁寧に読んで、自分の言葉で感じたことを書いていきたいと思っています。よろしくお願いします。

好きな本10冊

夏目漱石 『道草』
三島由紀夫 『午後の曳航』
山本周五郎 『さぶ』

ジョナサン・スウィフト 『ガリバー旅行記』
グレアム・グリーン 『情事の終わり』
J・D・サリンジャー 『ライ麦畑でつかまえて』

レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』
フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るのか?』

チェーホフ 『桜の園』
シェークスピア 『ソネット集』

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