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2024年4月の読書メーターまとめ

柚木あんづ🍉
読んだ本
13
読んだページ
2258ページ
感想・レビュー
8
ナイス
144ナイス

2024年4月に読んだ本
13

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

柚木あんづ🍉
36言語のことわざとイラストが楽しい、「ことわざ」紀行本。伊藤沙莉さん主演の朝ドラのタイトルでもある「虎に翼」も入っています(朝鮮語/韓国、北朝鮮、意味は鬼に金棒)。お気に入りはマレー語/マレーシアの「風を食べる」で、「旅をする」の意味。「宗主国が植民地の言語を力ずくで排除したこと、独裁者に禁じられた言語を亡命先で守った話、すでに消滅した言語について、小さな言語が消えないように奮闘している人のこと……」についても書かれており、加害の歴史を知らねば…と常に言っておられる金井さんらしい視点にも心揺さぶられた。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
8

柚木あんづ🍉
〈きっちり足に合った靴さえあれば、じぶんはどこまでもあるいていけるはずだ。そう心のどこかで思いつづけ、完璧な靴に出会わなかった不幸をかこちながら、私はこれまで生きていたような気がする〉という文章からはじまるこの一冊は、小説家マルグリット・ユルスナールと彼女の作中人物、そして著者自身の旅の軌跡が描かれる。知識が不足しすぎていて外堀を埋めてからと思っていたけれど、著者の言葉を頼りにあとをついて歩けばよかったのだと読んでみて気づく。幾層にも重なる道を歩んだあとの、心地よい疲労感。共に旅したような気持ちになる。
が「ナイス!」と言っています。
柚木あんづ🍉
ムーミンの作者トーベ・ヤンソンが大人向けに書いた短編集。フィンランド湾にうかぶ小さな島で夏を過ごす一家が描かれる。人生の扉を開けたばかりの少女ソフィアと人生の出口にたたずむ祖母。島という限られた世界の、〈あるがままで対等な〉二人の友情が眩しい物語。突然小さな生きものをこわがりだしたソフィアがミミズの本を作る「ミミズの研究」がとても好きで、ソフィアの行動に振り回されているようで、大真面目に取り組むおばあちゃんのユーモアが最高。私は「なりたいおばあちゃん」に出会うと嬉しくなるのだけど、彼女はそんな女性の一人。
が「ナイス!」と言っています。
柚木あんづ🍉
『彼女たちの戦争 嵐の中のささやきよ!』を読んでから気になっていた本。100年ほど前の空気、偏見や差別が山ほどあり、「烈女」20人の苦悩や憤りに辛くもなるけど、〈感情が微かにでも読み取れるように〉と編まれた言葉が少し彼女たちとの距離を縮めてくれてた気がして、なんだかすごくうれしかった。吉屋信子とパートナーの門馬千代の関係にとりわけ惹かれた。そしてあの手紙。〈(女性どうし結婚できるように)そのうち私は法を改正させるつもりだから〉性別、人種、文化、階級も関係ない、100年経つのに変わらないものについて考える。
が「ナイス!」と言っています。
柚木あんづ🍉
同シリーズ『兎の島』も面白かったけど、こちらもすごく良かった。とにかくエンリケスの文章がカッコいい(そして宮﨑真紀さんの訳✨)アルゼンチン社会の現実の不条理とか(どこか日本にも通じる)分かるし、女子供、年寄り、マイノリティに対する抑圧への反骨心としての幽霊やゾンビを応援したくなる。「戻ってくる子供たち」の反撃は快なる哉。〈あの子供たちが今までどこにいたにしろ、そこからけっして戻ってきたりしない、そういう場所に逃げるのだ〉「どこにあるの、心臓」も好み。あまりホラー読まないけど、スパニッシュホラー好きかも。
が「ナイス!」と言っています。
柚木あんづ🍉
疲れたときは、イラストが可愛い本を読む。スウェーデン語のFIKA、ポルトガル語のSAUDADEなど、英語に翻訳できない言葉を集めた一冊。取り上げられる52の言葉のうち日本語は「木漏れ日」「ボケっと」「わびさび」「積ん読」の4つ、著者の感性で訳され、前田まゆみさんによって日本語に訳し直した言葉には物語が詰まっていて、使い慣れた言葉に心が弾む。例えばBOKETTO(ボケっと)は「なにも特別なことを考えず、ぼんやりと遠くを見ているときの気持ち」となっていて、怠け者のイメージから解放されたBOKETTOが素敵。
が「ナイス!」と言っています。
柚木あんづ🍉
36言語のことわざとイラストが楽しい、「ことわざ」紀行本。伊藤沙莉さん主演の朝ドラのタイトルでもある「虎に翼」も入っています(朝鮮語/韓国、北朝鮮、意味は鬼に金棒)。お気に入りはマレー語/マレーシアの「風を食べる」で、「旅をする」の意味。「宗主国が植民地の言語を力ずくで排除したこと、独裁者に禁じられた言語を亡命先で守った話、すでに消滅した言語について、小さな言語が消えないように奮闘している人のこと……」についても書かれており、加害の歴史を知らねば…と常に言っておられる金井さんらしい視点にも心揺さぶられた。
が「ナイス!」と言っています。
柚木あんづ🍉
アイルランドの田舎町を舞台にした8篇。表題作の「青い野を歩く」は、タイトルの青や真珠のネックレスの白などの色が、台詞以上に登場人物たちの想いを代弁しているという印象を持った。映画『コット、はじまりの夏』にも感じたことだけど、言葉にすると少しずつ歪んでしまうようような瞬間も、色彩だからこそ直接的に感じることができたのでは?とさえ思うほど。過去に特別な関係だった女性の結婚の儀式を執り行う神父の、戻ることのない日々と早春の夜が胸に残る。訳者あとがきの『Foster』(『コット〜』の原作)の文字も嬉しい。
が「ナイス!」と言っています。
柚木あんづ🍉
『彼女たちの戦争 嵐の中のささやきよ!』で出会って以来、彼女の名前を目にすると熱い思いが込み上げる。「性別(女性)」や「民族(ユダヤ人)」で差別された科学者、核分裂発見の功績を奪われた女性、「原爆の母」として有名だけど、高等教育を受けたいと思った理由にとりわけ惹かれた。自分の発見が引き起こしたことの重大さ抱え、国連の国際原子力機関で核兵器の管理に携わる晩年にも。「人生は、からっぽでさえなければ、楽である必要はありません。そして、この望みが、わたしはかなったのです」そういえば彼女は、生涯独身だったのよね。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/08/26(1356日経過)
記録初日
2020/08/21(1361日経過)
読んだ本
662冊(1日平均0.49冊)
読んだページ
112473ページ(1日平均82ページ)
感想・レビュー
566件(投稿率85.5%)
本棚
25棚
自己紹介

📚5月に読みたい本
1.岡本真帆『あかるい花束』
2.岡本真帆『水上バス浅草行き』
3. マルグリット・ユルスナール『東方綺譚』(多田智満子訳)→⭕
4.須賀敦子『遠い朝の本たち』→⭕
5.アリ・スミス『五月 その他の短篇』(岸本佐知子訳)
6.イーユン・リー『理由のない場所』(篠森ゆりこ訳)※5.08(発売)
7.幸田文『木』
8.石川美子『山と言葉のあいだ』→⭕
9.トーベ・ヤンソン/著、山室静/訳『新装版 たのしいムーミン一家 』
10.トーベ・ヤンソン/著、小野寺百合子/訳『 新装版 ムーミンパパの思い出 』


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