★2.5 住民票や身分証もない行旅死亡人の人生を調査するための記者の観察力や根性がすごい。千津子さんの人生を探っていくのを読んでいるうちに、道ですれ違っただけの人たち毎にそれぞれの人生や積み重なった記憶や思い出が当たり前だけどあるんだなぁと思うと感慨深くなった。どうして住民票がないのか？夫や子供は本当にいたのか？3400万もの大金の出所は？などまだまだ知りたいことはたくさん残ったが、この前に読んだノンフィクションと同じで、現実は2時間ドラマのようにスッキリわからないことばかりだと改めて思った。

★2 今の時代ではこんな風に問題を抱える子供が1つのクラスにはたくさんいるんだろうな、と思うと先生には頭が上がりない…。主人公がすごくまっすぐに子供たちと向き合ってくれて、先生としての気持ちを伝えてくれるのを読んでいると「親と先生で立場は違うけれど、自分もこんなふうに子供と接せたらいいな」と素直に思える。途中で虐待や貧困など読み進めるのもちょっと辛い描写も多かったが、表紙の絵のように子供たちがこんな当たり前の日常になれるように祈りながら読み進めた。

★2.5 住民票や身分証もない行旅死亡人の人生を調査するための記者の観察力や根性がすごい。千津子さんの人生を探っていくのを読んでいるうちに、道ですれ違っただけの人たち毎にそれぞれの人生や積み重なった記憶や思い出が当たり前だけどあるんだなぁと思うと感慨深くなった。どうして住民票がないのか？夫や子供は本当にいたのか？3400万もの大金の出所は？などまだまだ知りたいことはたくさん残ったが、この前に読んだノンフィクションと同じで、現実は2時間ドラマのようにスッキリわからないことばかりだと改めて思った。

★2 その土地の歴史にも触れた細かな取材にここまでするのかと驚いた。事件の原因が途中で「氏神様のせい」という村人が出てきて「え…この本ってそういう超常現象的な話だったっけ？」と混乱しかけたが、最後までこれといったスッキリした真相解明にならずモヤッとしつつも、2時間ドラマみたいに全ての謎がわかる訳がないよなぁと思い直した。会話が出来るような家族や知り合いがいない、本当の「孤独感」って被告人のように心を病んでしまうくらい恐ろしいものなのか…とそちらの方にゾッとした。

★2.5 辻村さんも大人のはずなのに、自分たち大人が忘れてしまった子どもの感情をどうしてこんなに文章に出来るんだろうと不思議になる。大人が子どもを守りたい・良かれと思って「そのことは忘れてしまいなさい」「あなたは悪くない」と言ってしまうことってあると思うが、その言葉を子どもは本当に求めているのか？と自分の言葉や態度について考えてしまった。子どもと離れて暮らす選択をするのも「親という自分を信じられないから」というのも辛いけれど、気持ちがわかる気がするなぁと思って自分でもモヤモヤした。