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2024年3月の読書メーターまとめ

rinakko
読んだ本
12
読んだページ
4172ページ
感想・レビュー
9
ナイス
139ナイス

2024年3月に読んだ本
12

2024年3月のお気に入られ登録
2

  • 藤曲結晶
  • 遊子

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

rinakko
再読。やはり面白くて隅々まで大好きだった。ペダンティックではありつつどこか飄然とした作風が、エステルハージ博士その人の風変わりな魅力にも重なる。一筋縄ではいかない三重帝国の人々が織りなす、一筋縄ではいかない怪奇な事件とその謎の行方…。お気に入りは「神聖伏魔殿」(なぜか皆“縫い取りのあるチョッキを掴んで…堆肥の山に倒れ込む”)、「イギリス人魔術師 ジョージ・ペンバートン・スミス卿」、「真珠の擬母」(オンディーヌ!)。そして今回は、「夢幻抱影 その面差しは王に似て」の夢の一片を追うような儚さがあらためて沁みた
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2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

rinakko

2024年2月の読書メーター 読んだ本の数:13冊 読んだページ数:4442ページ ナイス数:97ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/4839/summary/monthly/2024/2

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
9

rinakko
再読。ブリティッシュ・ファッションの起源を19世紀後半から1920年頃に求めた考察。ヴィクトリア朝後期、そこそこの経済力を持つミドルクラスが台頭するが、彼らの多くは色彩音痴だった(なんと!)。フランスへのコンプレックスを克服する為の努力から生み出された、イギリスらしいファッション。例えば女性用乗馬服は、男性スーツが完成させた地味なエレガンスを、乗馬服の美的近代化に向けた結果、モダンな健康美と洗練というイギリス人らしさを表すのに最適な女性服となった。メイド服は、雇用主と使用人の間の階級闘争から生まれた…など
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rinakko
行き届いた素晴らしい各歌解説のお蔭もあり、とても面白い。以下、解説からの覚書。ダンテは、ローマ皇帝権による世界全体の平和をもたらすために『神曲』の名声を求め、それがキリスト教的な善に合致すると言っている。古典古代をキリスト教の中に取り込んでいく(例えば『変身物語』はキリスト教的に解釈される)。ベアトリーチェは天国で神を見ている。商業経済への過渡期の文学という側面。『神曲』は、“西欧中世の戦闘的な文化を転換する原動力の一つになった”。
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rinakko
とても面白く読んだ。昔に生きた人々と今が、写本でどう結びつくのか。忘却に埋もれた庶民の姿を垣間見せ、普遍的な思いやその社会の集合的記憶を伝えてくる写本。〈画工たち〉の章では、名もなき職人集団の技に感嘆して口絵を見るのが楽しかった。〈隠れた著者たち〉の章では、自分の言葉をテクストに残せた稀有な女性たちの存在が忘れがたい。後の時代の写字生の余計なミソジニー解釈で、自作の内容を改変されてしまう女性作家マリーのこと(その流れも含めての“写本”だが)。大胆な性表現さえ臆せず使ったウェールズの女性詩人メハインのこと。
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rinakko
再読。堪能した。とりわけ好きなのは、「呼び声、もしくはサンザシ」と「『胡同(フートン)の素馨(ジャスミン)』」「廃墟の旋律」、そして表題作。岡上淑子のフォト・コラージュ作品に揺曳されたイメージの連なりに引きこまれる。まるで… “フランスの香水の小さなガラス瓶” ── “いわば香りのミイラが箱の中から微かにゆらいで立ちのぼる”。白樺派の特権意識について書かれた、「小さな女の子のいっぱいになった膀胱について」も面白かった。小さな森茉莉(というか森娘!)とパッパがちらっと出てくる。
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rinakko
再読。やはり面白くて隅々まで大好きだった。ペダンティックではありつつどこか飄然とした作風が、エステルハージ博士その人の風変わりな魅力にも重なる。一筋縄ではいかない三重帝国の人々が織りなす、一筋縄ではいかない怪奇な事件とその謎の行方…。お気に入りは「神聖伏魔殿」(なぜか皆“縫い取りのあるチョッキを掴んで…堆肥の山に倒れ込む”)、「イギリス人魔術師 ジョージ・ペンバートン・スミス卿」、「真珠の擬母」(オンディーヌ!)。そして今回は、「夢幻抱影 その面差しは王に似て」の夢の一片を追うような儚さがあらためて沁みた
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rinakko
アイルランド文学(特にケルトの幻想文学の印象が強い)の翻訳家として、そして歌人としての作品にはふれたことがあるが、随筆を読んだのは初めて。美しい文章が心地よかった。“私がたのもしく思つても思はなくても北の星に何の感じがあらうか? それにしても、昔からきまつたあの位置に、とほく静かにまばたきもしないで、むしろ悲しさうな顔を見せてゐる星はすばらしいと思ふ。すべての正しいもののみなもとである神も、あの星のやうに悲しい冷たい静かなものであらうか? 私はさう信じたい。”
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rinakko
頗る面白かった。“ゴシック小説を読んだ!”という満足感にどっぷり。ピラネージの装画のイメージも相俟っておどろおどろしい内容を期待していたが、存外それほど満遍なく怪奇…という訳でもなく(ユドルフォ城は充分に不気味でよい)、非の打ちどころのないヒロイン・エミリーが恋をしたり非現実的な苦境を乗り越えていく展開は痛快なほど。とりわけ、何かと気絶してしまうエミリーが実は気骨ある女性で、己を利用しようとする輩に屈しないところが好きで感嘆した。当時このような女性を描いたということに、とても意義があったのではないか…と。
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rinakko
訳者解題にもあるけれど、マダム・シェロンの造形が忘れがたい。そして、「崇高と恐怖」というテーマ。“しかし、このような心を期待で高揚させる「恐れ」とは純粋に崇高なものなのであり、一種の魅了作用によって、思わず縮みあがってしまうような事物にさえ、我々を引きつけてしまうものなのだ。”
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rinakko
一篇一篇、息を詰めてしまう。凍てて美しくグロテスクで、どこまでが夢でどこからが異様な幻視なのか…と眩暈しながら。アンナ・カヴァンの作品群に魅了されて久しいので、Bの孤独もAの憂鬱も既に馴染みのようだった(例えばリジャイナがいてガーダがいて)。硬く閉ざした心の強張りも、絡みつく不安の感触も、ひりりと懐かしいままだ。“とはいえ、ときおり虎が羨ましく思えました。(略)そんなときは、深い傷から血が流れるように、気弱な愛が苦しいほどにこの身からあふれるのを感じたものです。”
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/07/22(5760日経過)
記録初日
2008/02/17(5916日経過)
読んだ本
3376冊(1日平均0.57冊)
読んだページ
1015287ページ(1日平均171ページ)
感想・レビュー
1695件(投稿率50.2%)
本棚
0棚
性別
外部サイト
URL/ブログ
http://blog.goo.ne.jp/rinakko_may
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