これは…。何も言えません。ただ読むべし！必ず本で読むべし！知らずに読めて良かったです。

障害のある身体でありながら将軍職に就いた家重の事はずっと知りたいと思ってきた。忠光というただ一人の言葉を理解してくれる存在に出会えたこと。どれだけ嬉しかったことか。ただ一人ゆえの苦難は並々ならぬもので、疑われ疎まれどれだけの忍耐と苦労だった事か。この二人だけの語られる世界を涙なくして読むことは出来ない。口だけになる。そう決めて仕えた一生は、主従を超えた友情になった。良作に出会えた。

これは…。何も言えません。ただ読むべし！必ず本で読むべし！知らずに読めて良かったです。

ヴィクトリア朝京都でシャーロックホームズがスランプ。またまたモリミーワールド全開！ダメダメなホームズとモリアーティ教授が引きこもり、アイリーンがライバル探偵となり、「東の東の間」からまさかの世界が…。ロンドンと京都、あれ？これは物語の方かな？パラレルワールドに紛れ込みあたふたするのも楽しい。ホームズなくしてワトソンなし。ワトソンなくしてホームズなし。森見さんの苦悩も垣間見えた気がしたのでした。

この本を読む前に乱歩の「悪霊」を読んだ。成程、この未完の作品を完成させるのはなかなかに難しい。ドロドロとした乱歩独特の文章はそのままに。謎は更に深まり何度も「私」が入れ替わる。そしてなぜ未完であったのかの理由付け。どれを取っても簡単には進まない。見事だった。挑戦する作家は好きだ。

このタイトルもしかして私に言ってる？なかなか現状からの脱出は無理だけど、いいなあ。このストンと胸に落ち着く感じ。読友さんの感想を読んで手に取ったけど大正解。どの短編も最後まで読んでみないと分からない。夫から切り出されたある提案と思いがけない姑との関係。内定をもらった大学生の彼の母。漫画家の峯田は…。育児に明け暮れる本当の朱里は。転校生の美月に昔の自分を重ねる教師の杏子。驚く程たったそれだけのことで反転する世界。私も打破したいなあ、現状。

こんな感じで大丈夫？初めのころはユリアが心配だった。王道のファンタジーは久しぶり。最初はあまり馴染めずにいたものの、中盤から一気にのめり込み…。トリスタン…。ヘクトル…。ユリアの成長もだけれど、トリスタンも変わっていったよね。リリスとの友情も良かった。終盤が駆け足で過ぎていき少し物足りなかったかな。エーデルは結局どうなったんだろう。第二巻はどんな感じなんでしょうか。

「乱歩殺人事件」を読む前に。なるほど紛れもなく未完だ。さて失われた物語をどう再構築するのか。芦辺拓さんのお手並み拝見！

デブヴォイスシリーズ。ドラマが良かったので続きが気になり読んだ。2作までは読了していたのだが、そのままになってしまってた。ろう者にとってまだまだ優しくない世界。健常者との意思の疎通の難しさ。聴こえなかったら電話で危機を知らせる事も出来ないのに気付かずに生きてきた。行政も少しづつではあるけれど、これでも改善されてきたのだろうな。本当にまだまだだけど。慟哭の意味、静かな男にならざるを得なかった人、美和の心の中などキリがない。このシリーズで知った様々な事。大切にしたい。

箱根駅伝の歴史をかみしめながらの読書となりました。100回と言っても100年ではなく、戦時中と戦後すぐの開催が正式には叶わなかったこと。出征する前に箱根を走りたい。選手の思いを胸に奔走した主催者の並々ならぬ気持ちが伝わりました。100回となるタスキを繋げてきた彼らと、現代の箱根を走る彼ら。兵士の残した日記が紡いだ奇跡。戦争もなくスポーツを楽しむ事ができる今は幸せだけど。それが当たり前の世の中であります様に…。200回でも300回でも箱根駅伝が続きますように。そしてまた沢山のドラマを見せて欲しいです。