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2024年4月の読書メーターまとめ

Inzaghico
読んだ本
8
読んだページ
3000ページ
感想・レビュー
8
ナイス
109ナイス

2024年4月に読んだ本
8

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Inzaghico
町・街は、人の思いによっていかようにも変わる。住んでいる人の思い入れが強く出ている町は、それぞれ個性的で歩いていても抜群に楽しい。だが、時代が変われば人々の思考も嗜好も指向も変わる。なにより資本主義に目をつむって生きていくことなど、今の世の中では不可能だ。この作品でも「テセウスの船の命題」が登場する。人や店がすっかり変わってしまった町は、以前と同じだと言えるのか。変わることを拒むのはエゴではないのか。 人々の営みの変遷は、積もり積もって、長い日々を重ねていけば風土記になる。人間はみんな風土記の一部なのだ。
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2024年4月にナイスが最も多かったつぶやき

Inzaghico

2024年3月の読書メーター 読んだ本の数:7冊 読んだページ数:1830ページ ナイス数:91ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/793867/summary/monthly/2024/3

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2024年4月の感想・レビュー一覧
8

Inzaghico
玉手箱を開けたら昭和40年代が続々と飛び出してきた。今より公務員や会社役員が組織の威光を笠に着ていた時代だ。彼らは今の同じ役職の人物よりも、若いことも多いし、よほどいいご身分である。そんな彼らが、秘密を暴かれたり、ちょっとしたことから安泰の地位と平穏な暮らしががたがたと崩れ落ちたりする。こういうところを描くのが梶山はうまい。 当時は男に依存する生き方が圧倒的に多かったため、女の恨み妬み嫉みも、とくに男女関係はどろどろしていて、それに絡んでの犯罪は多かった。今だとさっさと見切りをつけて前に進むんだろうな。
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Inzaghico
たしかに「郊外」とその文化や風俗まで視野に入れた分析作品はあまりなかった、と納得。アメリカといえば都会か田舎の二分論で語られがちだが、「郊外」というのは第三の軸になる。 郊外といえば庭付きの家、パパとママと子ども、ハイスクールのスポーツ選手とその彼女、ショッピングモールなどが象徴的だが、裏を返せば画一的、同調圧力、目に見えないけれど歴然と存在する(スクール)カーストなど、光と同じくらいの影がある。 郊外の映画を取り上げた作品紹介論として読んでも面白い。
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Inzaghico
37年前の作品だと知らず、子どもに絵本を読み聞かせするくだりが出てきて「え? そんなに小さいお子さんが?」とびっくりした。もともとは連載を一冊の本にしたので、登場するエピソードはもっと古い。宮脇先生の「本を掘るための地図」の話に笑った。本を掘るための地図の話は1992年時点のもの。先生は本にまつわるトンデモ話がけっこう多いのよね。今度お目にかかったときに、まだ地図は描いて使っているのか聞いてみよう笑 本と本を読む行為って自由なんだな、とあらためて納得する一冊。
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Inzaghico
今、アメリカの「郊外」の発展について書かれた『サバービアの憂鬱』を読んでいる。そこにアメリカでも持ち家が推奨されたのは第二次世界大戦後だとあり、驚いている。日本もかつては借家がデフォルトで持ち家のほうが少数派だった。 副題の「『私』のうつわの物語」が、入れ物としての「家」をよく表している。うつわは時代によって変幻自在に変わっていく。木造から鉄筋コンクリートという建築材の変化に伴い、移動の身軽さも減ったのかもしれない。 これを読んで小島信夫の『抱擁家族』シリーズが読みたくなった。
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町・街は、人の思いによっていかようにも変わる。住んでいる人の思い入れが強く出ている町は、それぞれ個性的で歩いていても抜群に楽しい。だが、時代が変われば人々の思考も嗜好も指向も変わる。なにより資本主義に目をつむって生きていくことなど、今の世の中では不可能だ。この作品でも「テセウスの船の命題」が登場する。人や店がすっかり変わってしまった町は、以前と同じだと言えるのか。変わることを拒むのはエゴではないのか。 人々の営みの変遷は、積もり積もって、長い日々を重ねていけば風土記になる。人間はみんな風土記の一部なのだ。
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Inzaghico
ユーモアを交えて書いているけれど、内容はなかなかしんどい。インドには厳然としてカースト制度は残っており、どんなに頭が良くても、上のカーストからは軽蔑される。主人公は替え玉受験を引き受けた金持ちの息子のために指を切り落とされ、大変な目に遭う。最後の選択肢も一抹の、否、大きな諦観とともにある。諸手を挙げてのハッピーエンドではないのが、笑いながらも現実に目を背けるな、と読者に釘を刺しているようでもある。
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Inzaghico
まさに今の日本に問うべき内容の小説。「家族」という固定概念が少しずつひびが入り、「多様性」といいつつ完全に受け止めるほどの準備はできておらず、「個(性)」といいながら出る杭は叩かれる。自分に正直になりたいけれど、他人の目が気になるし、全部吐き出したら誰もいなくなるんじゃないかという恐怖もある。こういうとき、この小説のような外的要因というか異分子が触媒となって一気に動き出すことはたしかにある。最後はみんなフットサルに関わって少しずつ関係性を取り戻していく。70歳の秋子ですらフットサルをかじる。清々しい。
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Inzaghico
著者は元テレビ局記者でアメリカで議員の選挙活動支援スタッフも経験、現在は大学でアメリカ政治を教えている。その体験に基づいた知見による説明は要を得ている。「インターン」の日米のとらえ方や扱われ方の違い、アメリカ人は日系人と日本人の区別をあまりしていない、など。 最後のエッセイは渡辺の個人的な思いがあふれ出ている。渡辺は字幕翻訳もやっていたことがあり、字幕翻訳の苦労をちゃんとわかっている。文字数の制約と、(それに大いに関係あるが)日本になじみがないものを、どのようにして簡潔に日本語にするかという苦悩など。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/09/23(2434日経過)
記録初日
2017/09/23(2434日経過)
読んだ本
884冊(1日平均0.36冊)
読んだページ
267667ページ(1日平均109ページ)
感想・レビュー
847件(投稿率95.8%)
本棚
2棚
性別
血液型
A型
外部サイト
自己紹介

好きなものを好きなように読んでいます。

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