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2024年3月の読書メーターまとめ

きーこ
読んだ本
11
読んだページ
2266ページ
感想・レビュー
11
ナイス
237ナイス

2024年3月に読んだ本
11

2024年3月のお気に入られ登録
1

  • 煉獄 杏寿郎

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

きーこ
大きな川の流れ。不可逆なものとして「時間」を思い浮かべるけれど、あるいは地層のように重なっているのかもしれない。そしてひょんなことから層と層が交わることがある。例えば、京都なら。するっと呑み込めてしまう何かがこの地にはある。すぐ隣にある不可思議。読むほどにじわりじわりと隅々まで熱が広がっていく心地。何がこれほど胸を熱くするのだろう。シンプルなようでまるでサンキャッチャー。取り返しのつかないはずのことが少しの加減で救いの側面をちらりと瞬かせる。その眩さと、ゆえの切なさと、ぐるりとめぐった視線が見つめる今と。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

きーこ

2月にして早々に停滞してる。あれまあ。おやまあ。再読祭りしたいし、積読山も崩したい。時間が足りないのか、集中力が足りないのか。みなさまによき読書の春が訪れますように。//2024年2月の読書メーター 読んだ本の数:8冊 読んだページ数:1962ページ ナイス数:167ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/9074/summary/monthly/2024/2

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2024年3月の感想・レビュー一覧
11

きーこ
やさしい連作短編集。読みながらずっと口の中がショートケーキだった。なめらかなクリームとスポンジとイチゴの甘酸っぱさと歯触りと。読み終えての余韻もショートケーキ。単純なので、ショートケーキ食べたいしコージーコーナー行きたい。ショートケーキにまつわる話はどれも、少しのままならなさがあるけれど、そこからの抜け道が必ず照らし出される。ショートケーキは瀕死の重傷を快癒する最強アイテムではないかもしれないけど、もたらす安堵とトキメキは、確実な回復薬だ。各話が少しずつ繋がる作りも、セーフティーネットみたいでなんかいい。
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きーこ
ネタバレ春を告げるスキビ新刊に、一年巡ったのだな、と遠い目になる。「プロジェクト」のために渡米するキョーコ。到着早々のドタバタ劇と、早くも不穏な空気が漂う撮影チーム。プリンスが何を思い、どう仕掛けるのかが気がかりな上、何やら事件も起きている模様。雨降って地固まるジェットコースター展開が常態なので心配はないが早く続きが読みたい。と思ったら次は年末発売予定。いつもより短めのスパンで助かります。冒頭の名前呼びエピソードが何から繋がっているのか記憶がないので、前巻を発掘、再読しなくては。
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きーこ
ネタバレいつぞや、広い広い草原で、鉄柵を切っていたその光景を思い出す。「切られる」と称された三知嵩への畏怖。この世界観において、「そんなことは起こりえない」という前提はそもそも通用しないことも思い知る。起きたことが、現実。三知嵩のことを知るために清と聞き込みを開始する慧。そこから炙り出されるのは、三知嵩という人間に魅了され、執着し、恐怖する人たちの感情の揺れ動き。読みながら、生き物として怖い、と反射的に嫌悪感がわいてしまう。一体どこへ向かうのだろう。知った、その後は?最初と最後がふんだんにリリヤなのが唯一の清涼。
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きーこ
ネタバレ警察にと思しき男たちに連行されたのち、遺体で発見された三知嵩。ジャックは消沈する慧を連れて日本に帰国する。慧の口から「腹は減ってない」なんて言葉を聞くとは。その傷に何が効くのだろう。日本の空の下、その風に吹かれ、匂いに包まれ、体を動かし、眠る、食べる。開いた穴は埋まらないけれど、せめてその傷口に手を当てるために。変わらないものはない。だから今に集中をする。繰り返されてきた言葉だけれど、体得は難しい。それでも慧は活動を再開する。何が響いて、その直感に繋がったのかは分からないけれど、それでこそ彼の彼たる所以。
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きーこ
ネタバレこのシリーズを読んでいると、日々何かに対して身構えている状態が解かれる感覚になる。一時休戦、武装解除。ふ、と力が抜いて、一体何とそんなに戦ってるんだろうね、と知世ちゃんと紅茶とお菓子でも囲んで笑っておしゃべりしているみたいに。ままならないものはままならないままかもしれない。いなくなった人は戻らないし、無神経な言葉はなかったことにならないし、ため息はついても飲み込んでも存在は消せない。でも、知世ちゃんたちを見ていると、それでもなんとかなるような、明るい余白がうまれてくる気がする。私の「丘」は、どこだろう。
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きーこ
大きな川の流れ。不可逆なものとして「時間」を思い浮かべるけれど、あるいは地層のように重なっているのかもしれない。そしてひょんなことから層と層が交わることがある。例えば、京都なら。するっと呑み込めてしまう何かがこの地にはある。すぐ隣にある不可思議。読むほどにじわりじわりと隅々まで熱が広がっていく心地。何がこれほど胸を熱くするのだろう。シンプルなようでまるでサンキャッチャー。取り返しのつかないはずのことが少しの加減で救いの側面をちらりと瞬かせる。その眩さと、ゆえの切なさと、ぐるりとめぐった視線が見つめる今と。
が「ナイス!」と言っています。
きーこ
ネタバレ夏休み。母帰国で立つ小波を見つめるさらさの目は大人びている。父親がどんな人か、母をどう捉えるか、大先生や暁也との関係の移り変わり、扉に手をかけても勢いよく開けるでも景色がひらけるでもなく、それでも変化はきっとさらさの背中を押すもの。週刊誌が水を差さないことを祈る。そして夏休み明けの紅華は文化祭準備モードへ。いよいよ100期生の文化祭。どうなるのだろう。楽しみ。スピンオフは澄栖杏。大木先生のかっこよさに撃ち抜かれる。ちらと回想に映った99期生に、聖先輩どうしてるかな、と思いを馳せる。元気でありますように。
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きーこ
この読後感、どう記したらいいのだろう。ドラマチックな展開も何かが成されるカタルシスもあるわけではないけれど、すーっと水面をすべりゆく舟に乗って景色がなだやかに流れゆくような感覚に、おちつくというか、「まあまあ」と二席くらい向こうから宥められているみたいな。人との関わりで編まれる年月であるのに、孤独ではないけれど一人と一人であると感じる。幼年期のエピソードもコロナ禍を含んだここ数年のものごとも、あまり温度差や高低差なく評価も挟まず語られ、人生とは、階段を上がっていくでなく地平を歩いていくものか、と思ったり。
うさみん
2024/03/17 23:44

すーっと水面をすべりゆく•••という読後感に共鳴しました♡

きーこ
2024/03/18 12:39

うさみんさん、ありがとうございます☺️✨

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きーこ
ネタバレ『岬のマヨイガ』がその土地に残り生きていく人たちの物語なら、対になるこの本は、震災のあと故郷を離れた人たちのその土地への思いを綴った物語。心を残しつつも年月は過ぎる。帰りたい、帰りたくない、帰れない、新たに帰る場所がある、抱える思いの濃度や色彩は人それぞれ。でも、生きたいと願う場所に受け入れられる、いつでも帰ってこれると思えるのは大事なこと。そういう場所があることは焦がれる羨望だ。/人魚姫のモチーフはずっと柏葉さんにとって大切なのだな、とここでも重要な鍵となる海から来たものの行く末を読んでいて思う。
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きーこ
ネタバレ最高にハッピーな終わり方で、うれしさを抱えて本を閉じた。何度読み返しても冥府の面々との別れと再会に泣けてしまい、悲しさも喜びも、事象そのものではなくて誰かが見せる反応から生まれるものなんだな、となんだか当たり前のことをしみじみ思う。「"扱い"じゃなくて、"特別"なんだけど?」ほんとゼウス様ぐっじょぶだよ。ダテに最高神してない。コレットに祝福を、ありがとう。ゼウスとデメテルの娘、そしてハデスの妻。あなたにぴったりの名前。薬師として種を蒔き、きっと女神になっても多くの実りをもたらす。満たされた完結巻でした。
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きーこ
ネタバレ対となる『人魚姫の街』を読む前に再読。東日本大震災の被災地を舞台に、土地に息づく不思議な存在を交えた物語。ここにいたい、ここがいい、その想いはアガメと海ヘビも同じ。それが執着となり共存を許さないと、排除しかないのだなとやるせない。その地に残り、生きる人たちへの物語。外から眺めるように読んでいたけど、いつか自分の物語になるかもしれないと、そっと心の本棚に並べておく。「遠野ばかりじゃない。日本じゅう、いや世界じゅうで心配してる。不思議なものたちだけじゃない。人間だって震災にあった土地を気にかけてくれているよ」
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/11/20(5639日経過)
記録初日
2008/11/11(5648日経過)
読んだ本
3854冊(1日平均0.68冊)
読んだページ
732733ページ(1日平均129ページ)
感想・レビュー
1924件(投稿率49.9%)
本棚
3棚
血液型
O型
職業
専門職
自己紹介

本が好きです。本のある空間が好きです。好きが高じての図書館勤めも10年経ちました。

好きなものも読みたい本も途切れません。
日々、積読本山脈で遭難していて時間の有限性に途方に暮れてます(つまりは欲ばりなんです)。

ご縁あってのぞいたコメントや感想をたよりに少しずつ「お気に入り」を増やしています。
よろしくお願いします。

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