本好きが選んだイチオシの1冊 読書メーター OF THE YEAR 2025-2026本好きが選んだイチオシの1冊 読書メーター OF THE YEAR 2005-2026

2025年10月までの約1年間の発売作品を対象に、期間中に投稿された
約200万件の感想・レビュー等を集計。ライトノベル・シリーズ別・エッセイ、
ノンフィクションの各TOP3と、候補作品20作から本好きの皆様による
投票で決定した総合年間ランキングTOP10を発表します!

読書メーターに集まる”本好き”の皆様による投票で決定した年間おすすめ本ランキング『読書メーター OF THE YEAR 2025-2026』発表!注目を集めた年間ベスト10冊を熱いレビューとともにご紹介!

ブレイクショットの軌跡

あらすじ:

自動車期間工の本田昴は、Twitterの140字だけが社会とのつながりだった2年11カ月の寮生活を終えようとしていた。最終日、同僚がSUVブレイクショットのボルトをひとつ車体の内部に落とすのを目撃する。見過ごせば明日からは自由の身だが、さて……。移り変わっていくブレイクショットの所有者を通して、現代日本社会の諸相と複雑なドラマが展開されていく。

読書家たちの声

  • 一つの事柄が連鎖的に波及していく中々の意欲作だった。国際問題から社会の闇まで幅広くスポットライトが当たっていて読み応えがあった。最後、よく風呂敷を畳みきって大団円に収めたなぁと感心した。

    kouさん

  • 誰かがとった行動が別の誰かに影響を与える、まるでビリヤードの球のように。エピローグを読んで、登場人物のすべての人生が一つにつながった瞬間、得も言われぬ感動を覚えた。おもわず自分の人生を振り返りたくなる、多くの人に読んでほしい作品。

    Kanonlichtさん

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逢坂冬馬さんからの
受賞コメント

宮島未奈さんのお写真

このたびは読書メーター OF THE YEAR 2025-2026に『ブレイクショットの軌跡』を選出いただき、誠にありがとうございます。

世に出た作品が読者の皆様にどのように受容されているかについて、小説家本人が知る機会は案外少なく、それゆえ時折いただけるお便りは、独り立ちした我が子からの手紙のように大切にしております。

今回の受賞は多くの方から頂いた暖かい声援であるとともに、そうした意味で、刊行と共に自らの手元を離れた『ブレイクショットの軌跡』から自身に届いた手紙と思ってありがたく拝受いたします。

一票を投じてくださった皆様、また自作をお読みくださいました全ての皆様に、この場を借りて心より御礼申し上げます。

  • 踊りつかれて

    あらすじ:

    言葉が異次元の暴力になるこの時代。不倫を報じられ、SNSで苛烈な誹謗中傷にあったお笑い芸人・天童ショージは自ら死を選んだ。ほんの少し時を遡れば、伝説の歌姫・奥田美月は週刊誌のデタラメに踊らされ、人前から姿を消した。彼らを追いつめたもの、それは――。

    読書家たちの声

    • 昨今のSNSによる誹謗中傷問題をテーマにしたもので、実態をよく知らない私にとっては、現実を些か知ることの出来る機会になった。読み進めていくと、単なるSNS問題だけではなく、芸能人といわれる人たちの芸事への真剣な取り組み、家族に関わる問題など様々な問題が散りばめられており、作品の深みを表現している。

      hirokunさん

    • 「過去」を巧みに投影して「今」の解像度を上げる作家だと改めて感服した。絶大な権力を持った人間の金と力による支配から特異な凶暴性を持つ人間の腕力と恫喝による支配まで遡り、再度過去から今を見直すとそこには突出した権力も凶暴性も持たない個人の集合体が安価な言葉で支配欲を満たす残酷なプチプラ支配の構図が見えた。

      がらくたどんさん

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  • 殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス

    あらすじ:

    自身の身代わりとなった親友・セリヌンティウスを救うため、3日で故郷と首都を往復しなければならないメロス。しかし妹の婚礼前夜、新郎の父が殺された。現場は自分と妹しか開けられない羊小屋。密室殺人である。早く首都へ戻りたいメロスは、急ぎこの事件を解決することに!? その後も道のりに立ちふさがる山賊の死体や、荒れ狂う川の溺死体。そして首都で待ち受ける、衝撃の真実とは?

    読書家たちの声

    • ストーリーは本家「メロス」をなぞりながら無理矢理捩じ込まれた殺人事件に数々巻き込まれ、無理矢理推理せざるを得ない状況にぼやきながらも天性の推理能力によって見事解決しながらメロスは走る。親友の命を救う為に。約束を果たす為に。熱い。熱いぞ。頑張れメロス!果たして間に合うか!

      青乃108号さん

    • 偉大なる名著・太宰治『走れメロス』への満腔のオマージュ感と、トリビアルかつシリアスな史実をふまえつつ、完全に人を食ってる必笑喜劇ミステリー。原本の引用を巧みに絡めて格調を高め、原本では描き得なかった背景を加え作品世界をより拡張している。勇漢メロスの魅力は、読後いや増し高まるのである。

      hiace9000さん

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  • ひまわり

    あらすじ:

    ある日事故に遭い、頚髄を損傷してしまったひまり。リハビリを続けるも復職の夢は潰え、一念発起して弁護士を目指す。鉛筆も握れず、六法全書も開けない。言葉のみを味方に、果たして司法試験を突破できるのか?「言葉は私の最後の砦。言葉がある限り、私たちはつながれる」

    読書家たちの声

    • 主人公のひまりが立ち塞がる数々の困難に立ち向かっていく姿に勇気を貰える。24時間要介護の身体になり弁護士になるという目標を支え続けてきた両親とレオとヒカル。ひまりが尊敬する真鍋先生が叱咤激励した未来を希望に繋ぐ言葉が強く心に刺さった。

      明日のかぜさん

    • 凄いとしか言えない自分の語彙力の無さが申し訳ない。ただただ圧倒され頑張ってと、応援する私だが、どんより暗くならずに読めるのも良かった。沢山の方に読まれますように。

      いつでも母さんさん

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  • 珈琲怪談

    あらすじ:

    男子会で、ホラーをダベる。京都、横浜、東京、神戸、大阪、再びの京都――。なぜ多忙な四人の男たち(外科医、検事、作曲家、音楽プロデューサー)は、わざわざ遠出して喫茶店を何軒もハシゴしながら、怪談を披露し合うのか――。そして、いつも茫洋としているが、気づくとなにか肝心なことをぼそっと呟く塚崎多聞とは誰なのか?

    読書家たちの声

    • 男性4人が喫茶店を巡りながら怪談を披露し合う。各店の中にあるそれぞれの異世界という場の力を借りて招聘する怪談話には、独特の怖さと面白さがあって惹き込まれます。

      旅するランナーさん

    • 音楽プロデューサーに作曲家、外科医に検事、という不思議な組合せの四人が愛するのは珈琲と怪談。彼らの純粋な好奇心が社会人として尊敬するし、そんな大人であり続けられることが羨ましい。時に本物?を目撃したり、事件の糸口になるソレを暗示したりと奇妙で貴重な一服至福時間を共有した。

      えみさん

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  • まず良識をみじん切りにします

    あらすじ:

    「とにかくヘンな小説をお願いします」そんな型破りな依頼に応えるべく、炒めて煮込んで未知の旨味を引き出した傑作集。憎き取引先への復讐を計画する「そうだ、デスゲームを作ろう」、集団心理を皮肉った「行列のできるクロワッサン」、第76回日本推理作家協会賞ノミネートの『ファーストが裏切った』など、日々の違和感を増殖、暴走させてたどり着いた前人未到の五編。

    読書家たちの声

    • 日常の違和感を浅倉流に調理して、ふくらし粉で極限まで膨らませたようなそんなお話がつまった短編集。どれをとっても奇妙な味わいがクセになりそうな予感。どれも“良識”など邪魔でしかない世界線の物語。自分の日常と非日常の境目が揺らぐような読後感が楽しい。

      yukaringさん

    • 良識をみじん切りにザクザク切ってくれました。超極端に話を持っていく作者の偏りが秀逸。常識VS非常識、正常VS奇行。それだけではなく人間の脆さ・危うさが目の前で浮き彫りになる。身の回りでも良識と思っていることが崩れているかも。

      ポプラ並木さん

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  • 熟柿

    あらすじ:

    激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子・拓を出産する。出所後息子に会いたいがあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は、息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。自らの罪を隠して生きる彼女にやがて、過去にまつわるある秘密が明かされる。

    読書家たちの声

    • この渋いタイトルと装丁から想像していたような静かなストーリーではなく、意外にもアクティブでアグレッシブな話だった。普段は犯罪者サイドには冷たい視線で読んでしまうが、本書は流石に主人公に感情移入せざるをえない。

      萩さん

    • 人生が取り返しのつかないものになってしまう怖さを追体験した。ありえない話ではないなと。行く先々での不幸の連鎖も見ていていたたまれなかった。事故の様子に違和感を覚えたが、いつしかその感覚も隅に追いやられていた。終盤に事実が明らかになった時は衝撃がそのままに伝わってきた。

      TAK.Iさん

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  • 夜更けより静かな場所

    あらすじ:

    吉乃は伯父が営む古書店を訪れた。「何か、私に合う一冊を」吉乃のリクエストに伯父は、愛と人生を描いた長編海外小説を薦める。あまりの分厚さに気乗りしない吉乃だったが、試しに読み始めると、抱えている「悩み」に通じるものを感じ、ページをめくる手が止まらず、寝食も忘れて物語に没頭する。読了後、「誰かにこの想いを語りたい」と、古書店で深夜に開かれた、不思議な読書会に参加するのだった……。

    読書家たちの声

    • 一冊の本についての感想をそれぞれが尊重し合いながら率直に意見を交わし合っていてとても素敵な読書会だと思いました。参加者6人の緩やかに繋がる距離感もとても好き。古書店、読書会…本好きさんならたまらない内容だと思います。

      シナモンさん

    • 1冊の本を共に読み、考え、話し合う事でそれまでの人生への迷いや焦燥が和らぎ、自ら次の道を選びとる。そこまでの心情を細やかに描きながら、感情に流されすぎない筆致は作者ならでは。驚きの最終章も安易な綺麗事に纏めない真相と結末に、逆に人間というもののリアルが感じられて、感じ入った。

      みっちゃんさん

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  • 星の教室

    あらすじ:

    主人公の潤間さやかは、中学の卒業証書を受け取っていない。義務教育さえまともに終えていないという枷が、社会でも家庭内でも、さやかを生き辛くさせていた。しかし、ある日、さやかは夜間中学という存在を知る。二十歳の春、さやかは河堀夜間中学への入学を果たす。やがて、さやかには密かに叶えたい、という夢が芽生え始めるのだが……。

    読書家たちの声

    • 義務教育未修了の主人公のさやかが夜間中学に入学し一歩を踏み出すストーリーは案の定、涙腺が緩みっぱなし。自分が今まで当たり前として享受してきたものを受け取れなかった人がいることを改めて感じ胸が痛んだ。この作品がたくさんの世の中の心に寄り添いますように。

      ちょろこさん

    • 皆強くて、年齢関係なくキラキラしている。自分のための、自分の人生のための学びは、そう簡単に手放せないし、貪欲になれる。どこの学校もこんなに学習意欲旺盛で人間関係も良好ならなぁと、現実にはあるはずのないことを夢想する。瞬く星のように綺麗で純度の高い再生物語だった。

      もぐたんさん

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  • うそコンシェルジュ

    あらすじ:

    それで誰かを助けられるなら、うそぐらいつく。大学のサークルを抜けたい姪のため、うその辞める理由を考えてあげたことをきっかけに、「うそ請負人」と頼みにされるようになった女性の困惑。会社の自転車置き場で、人間関係へのストレス発散のために同僚がとっていた思いがけない行動。日常の困ったことどもをやり過ごし、目の前の「今」を生き延びるための物語11篇。

    読書家たちの声

    • このタイトルでこの表紙で津村さん。面白くないわけがない。誰かのためのうそ。やり過ごすためのうそ。本意ではないけど仕方のないうそ。そんな大したことないゆる~いうそ短編11話。表紙に登場人物が全員描かれていて可愛い。

      えんちゃんさん

    • 津村さんの作品を読むといつも、近しい人との濃いつきあいよりも、あまりよく知らない人とささやかな交流をする方が良いように感じる。表題作は何もそこまで手の込んだうそをつかなくても・・と思いつつ、どんどんうそつきの輪が広がっていくのが面白い。

      pohchoさん

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「シリーズ」「エッセイ・ノンフィクション」「ライトノベル」の3部門で、支持を集めた作品をピックアップしてご紹介!

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