ネタバレKU。幼い頃から婚約者の２人は家族から疎外されてる者同士、心を許し仲を深めていたが、第二王子ヒーローが王太子となった事で関係が激変。他に挙げられた婚約者候補たちと競う無謀さと彼に利のない自身の背景を理解するヒロインは侍女の手を借り、姿を消すが…。ヒロインが天然で別離後もそれなりに過ごしており、ヨロメキ具合はイマイチ。だが、追いすがりヒーローが好きなのでヒロインが心配でロクに眠れずに探し回った彼にはウキウキした。彼女一択のヒーローの策で波風ほぼ無。スーパー侍女と野口さん（ちびまるこ）似の令嬢がいい味。

ネタバレ破格値中古（KU有）。望まぬ婚姻でツンツンしてたおぼっちゃんヒーローがヒロインの善良さと可憐さに後悔し、せっせと餌を運ぶ過程が楽しい。ヒロインが客観的で冷静なので恋愛的雰囲気は中盤以降という感じだが、自分なりの価値観をきちんと持っているところや前向きさにも好感が持てた。このまま心を通わせ、ヒロイン父母へのザマァと婚姻を決めた祖父の種明かし程度かと思ったら話が急展開。ヒロインの出自や戦争が絡んでドラマチックさは増したが、説明的な文章が多くなってしまったし少々慌ただしい印象だったな。挿絵のヒーローが素敵だった

ネタバレ中古。冤罪で婚約破棄されたヒロインは死をもって相手の第三王子を諫めようと服毒。助かったものの彼の記憶は飛び、ゲームや小説を楽しんでいた前世の記憶が蘇る。自分が悪役令嬢的な立場で、今はその断罪後の状況と理解した彼女は王家に提示された「嫌われ公爵」との縁談を受け入れるが…。女性優位の世界で、凄絶な美貌ゆえ苦労してきた公爵ヒーローはヒロインにも当たりが強いが、それをツンデレと解して大らかに受け止め、対話を惜しまぬ彼女にヒーローが徐々にデレ、愛妻家になっていく過程が楽しい。弱者が男性という設定も新鮮だった。

ネタバレ中古。政略婚させられた軍人夫が戦死し、全てを拒絶した無気力な人生を後悔しながら自らも戦火に巻き込まれ死亡した元王女ヒロイン。気づくとその1年前に戻っており…。運命を変えようとその日から行動を起こすヒロインの奮闘と、それに応えるヒーローとのやり直しと深まる仲が微笑ましく糖度が高い。前世ではヒロインが心を閉ざしてたけど、ヒーローの方は色々努力していたのが垣間見え、彼の溺愛に取って付けた感がないのが〇。閨描写はやはりねちっこいがストーリーの起伏や描写など手堅くて面白いし、2人のその後までまるっと収まりさすが。

ネタバレ破格値中古。王命で婚姻する対立する家同士の２人、嫌われてると思ったら相手が情熱的に…という粗筋購入。ロミジュリ設定で実は両片思い、一方が好意を持ってて押す、相手を見直しお互い惹かれ…など、経緯が違う話を幾話も読んだ事があって今回もその過程に期待したが、当たりの強い姑、ヒロインに執着するヒロイン妹と元婚約者、過去の２人の出来事、ヒーローの内心吐露…と目を引く要素が頻発する閨描写の間に散漫に挟まって薄味でサーっと流れて終わり。閨で揶揄っぽい物言いのヒーローも好かないし、ヒロインにもさほど…。合わなかった。

ネタバレKU。他の属国の脅威にならぬ小国の王女ヒロインを娶った大国王のヒーロー。幼い見かけに反し、勤勉で懸命でひたむな彼女が眩く、すぐに好感を抱いて…。序盤に閨での流血というワードが出てきてビックリ。その対策を話し合ったり、色々な事を試そうとしたりと閨事情が頻繁に出てきてヒロインが結構積極的なのだが、サッパリした感じであまり嫌らしくならず（棒表現には驚いたが…）。軽い読み口で波風も殆ど立たず、聡明な２人のかわいらしい溺愛話。家族愛を知らぬヒーローがヒロインと築く家庭が楽しみ。挿絵は綺麗だがドレスが寂しかったなぁ。

ネタバレKU。幼い頃から婚約者の２人は家族から疎外されてる者同士、心を許し仲を深めていたが、第二王子ヒーローが王太子となった事で関係が激変。他に挙げられた婚約者候補たちと競う無謀さと彼に利のない自身の背景を理解するヒロインは侍女の手を借り、姿を消すが…。ヒロインが天然で別離後もそれなりに過ごしており、ヨロメキ具合はイマイチ。だが、追いすがりヒーローが好きなのでヒロインが心配でロクに眠れずに探し回った彼にはウキウキした。彼女一択のヒーローの策で波風ほぼ無。スーパー侍女と野口さん（ちびまるこ）似の令嬢がいい味。

ネタバレ貰い本。表紙のヒーローの目つきが…と慄いていたが表紙通りの策略系執着ヒーロー。ヒロイン目線で進む話だし、感情を表さないタイプのヒーロー、取引で始まった身体の関係もSっ気強くてあまり甘やかさはなく、両片思いなんだからうまくいってくれ！と思いながら読む状態が長かったなぁ。終盤、ヒーローの心情吐露がなかなかに煮詰まっててさすがソーニャ。でも囲うつもりで囲われ、共に歩んでいくうちにお互いへの想いも変わっていって、結局は無垢な女神には勝てない気がするな～。挿絵はさすがのcielさんで美しかったがかなり刺激的だった。

ネタバレ破格値中古。ネットで見た記憶があり手に取ったのだが、連載形式で小出しにされていたから余計にヒリヒリ感じたのであって、まとめて読むとヒーローの恋愛偏差値が数値化不能の低さ。人の話を聞かぬばかりか自分の常識外の事には無知で、更に言葉足らず。雇用主と使用人という２人の関係もあってヒロインばかりが割食う展開。ヒロインの思考の乱れっぷりも多少気になったが、借金返済を迫られ、病気の父親と幼い妹を抱えて追い詰められてるし、不安な状態が長くて気の毒だったなぁ。ヒロイン父の無能さも×。ヒロインは今後超甘やかされて欲しい。

ネタバレ中古。作家買い。小・中校の同級生が職場で再会。家に居づらい２人がどんどん親しくなっていく小学生時、ある事からぎくしゃくし、転校で離れてしまった中学生の時…と描写が丁寧でお互いを支えに思ってたのが伝わり、一途設定もなるほどという感じ。一見問題児の小学生時のヒーローの事情や長所に気付き、彼の心を救ったヒロインは成長しても変わらず客観性や洞察力に長け、ヒーローライバルの嫌がらせを流したり、同僚や一癖ある姉との距離感を上手に保つよう配慮していて親近感が持てた。お互い初めて同士のぎこちない閨描写も微笑ましかったな。

ネタバレ積本（KU有）。女児が異能を持つ公爵家の血筋だが侍女の子ヒロイン。自分の能力の内容の役立たなさを憂い、私生児の自分を貶める人々の言葉で優しい異母兄や姉が傷つく事を恐れ、いつも控え目にしているが、参加した舞踏会で王に見初められて…。素直で心の清いヒロインと、優しくて愛情を隠さぬヒーローというこの作家さん安定の溺愛もの。少々ヒーローの手出しが早いが、ずっと探してた想い人だと思えば許す。当て馬令嬢がちょいちょい悪さするけど２人の間には危機はなく、ヒロインの能力が生かされ、彼女の慈愛の心根が伝わるエピもあって〇。

ネタバレKU。恋愛要素はもちろんあるのだが、家族や女性にトラウマのあるヒーローがヒロインと出会って生きなおす再生ものの要素も大きいかな。ヒロインも事情持ちなのだが、長女気質で包容力もある子で、香りに惹かれたのをきっかけに彼女に興味をひかれたヒーローがどんどん気持ちを預け、必死に関係を繋ごうとするのが微笑ましい。彼の事情を慮って妊娠を言い出せなかったヒロインがアクシデントに直面して自分の真意に気付き、事実を知ったヒーローとの対面での２人の描写は感情が溢れてて〇。ヒーローと両親の関係も改善されそう。大団円で何より。

ネタバレKU。誕生日に10年越しの恋人に浮気されていたヒロイン。自棄になってバーでナンパされているところに上司ヒーローが現われ、彼に連れ去られて一線を超え…。部下ヒロインを気にするうちに惹かれ、勝負をかける気でいたヒーローの好機を逃さぬ尽くしぶりがスゴイ。自分の魅力に鈍感なヒロインのモダモダがありつつも押し勝ち。浮気は言語道断だが、ヒロインが弱った時に手を貸しなし崩しに一緒にいた元彼の、自分と彼女の想いの違いへのもどかしさやヒーローと彼女の関係への焦りの言葉もあって、悪者一辺倒でなかったのも〇。サクッと糖度補給。

ネタバレ中古。作家買い。ヒーローが女性に触れられない理由が予想外で意外性あり。それゆえ尊いヒロインにも触れられないのだが、ヒロインの提案でする布越しでの触れ合いが皆さん書かれているように淫靡で熱っぽくてドキドキした。ソーニャ味はヒロイン父の国王が全部持ってった感があるが、自分勝手な愛に陶酔する激情型の男で本当にどうしようもなく、力弱いが信念を曲げないヒロイン兄と闊達で愛情深いヒーロー父がより輝いていたわ～ヒーローや開き直ったヒロイン母への態度を見るに、強く出られると萎むタイプなのかも。挿絵も素敵で〇。

ネタバレ破格値中古。出世欲に取り憑かれた毒父に従順な「聖女」ヒロイン。そんな彼女がヒーローとの出会いにより自分を解放し、精神的に突き抜けていくタフさに瞠目。最後には愛を知って弱さを自覚したヒーローをどこまでも赦し包み込む存在に。そこまでの紆余曲折の過程は緊迫していて苦しさや痛みもあるが、お互いだけが分かり合う多幸感も含まれていて、２人の行く末をハラハラと見守った。傭兵ヒーローの妙な万能感は協力者の存在あってで、その人の生い立ちに心痛んだ。彼にも彼の聖女が現われて欲しいと願う。表紙◎、挿絵も〇。お話を底上げしてた。

ネタバレ破格値中古。厳しい戦いが予想される戦場に赴く新騎士団長ヒーローに加護を与える「花嫁」に選ばれた王宮侍女のヒロイン。密かに想う彼と儀式とはいえ夢のように愛し合い、その無事を祈るが、自身の妊娠が発覚。子どもを守るため姿を消すが…。一見トンデモ儀式からスタートのお話だが、隣国と対立し緊張する国、ヒロインの背景、追ってきたヒーローとの日々、戦後の処理…と描写が丁寧で設定にも違和感がなく、緩急あるストーリーも〇。主役２人も相手に真摯で善良、他のキャラも優しく良識的な人ばかりで後味のよいお話。楽しめた。

ネタバレ破格値中古（KU有）。転生ものだが捻りが効いていて、一見のほほんの学生カップル（現在）と国の存亡に関わった公子と悪女カップル（過去）の２組が交錯。キャラ立ちがしっかりしてて、それぞれのヒロインが幾度も接触するもゴチャつかないのが凄い。お話も面白く、歴史の一部を切り歪曲されたままの通説をベースに、明かされていく真実が現実的で切なく、特に分岐点でのヒロイン２人の激情のぶつかり合いには胸が熱くなった。公式史実では悲恋の過去カップルの結末、自分は予想外で驚きと喜びで満たされ、しみじみ。作家さんの力量が光る作品。

ネタバレ積本。乙ゲー転生もの。親友のゲーム内ヒロインのためバッドエンド回避に奮闘するヒロイン。なぜかゲームのメインヒーローの王太子に気に入られ…。やんごとなきヒーローがモブヒロインを歯牙にもかけないところからスタートし、どんどん親し気に、甘やかになる過程が学園生活の１年を通して丁寧に書かれていて無理がなく、登場人物も絞ってあって読みやすい。ヒーローを好きだが及び腰のヒロインへの「決して逃がさない、どんなに足掻いても構わない、好きなだけ抵抗していい、そしていつか諦めて？」という優しいヤンデレヒーローのセリフが秀逸。

ネタバレKU。長身スレンダーで男性に間違われるヒロイン。過去の恋愛から着飾る事に躊躇している彼女だが、偶然出会ったデザイナーで実業家のヒーローからの言葉で変わりたいと願い、彼に協力して貰う事に…。生真面目で素直なヒロインと温かくも的確な指摘もできるヒーローとの二人三脚でどんどん垢抜けるヒロインと甘酸っぱい２人の描写にときめく。明らかに特別扱いなのに、協力者に拘り大事な時に一歩引こうとするヒーローに焦れたが、アホすぎる元彼と醜悪な同僚女の大活躍でめでたし。終盤胸糞展開だったので、甘い後日談がもっと見たかったなぁ。

ネタバレKU。職場ではクールビューティだが家ではぬいぐるみやフリフリを愛するヒロインと、職場ではさえない男を装うイケメンでセフレ多数ヒーロー。プライベートで遭遇し、トラブル回避のためヒロイン家にあがりこんだヒーローと清い知人の付き合いから徐々に親しくなり…なのだが、ヒロインの内面描写が薄くてイマイチ感情移入できず。ヒーローの爛れた女性関係の元凶やそこからの解放などには踏み込まれてるんで、アンバランスに感じた。彼からの告白の際、セフレはどうするのかと普通に聞くヒロインにも縁切り忘れてたヒーローにもちょっと驚いた。

ネタバレ破格値中古。兄を亡くし、その恋人（幼馴染で初恋の相手）のフォローにかまけヒロインを蔑ろにしたヒーロー。我慢の末に心が折れ、別れを選んだヒロイン。恋もできぬまま５年、転職したのは彼の会社で…。いやー、題名通り、好きでいるのを許して、許せる限りの近くにいさせてと縋りつくヒーロー。作中２回も土下座してたし、離れてた間も彼女を想いながらやってる行動の数々とか女々しくてまぁ呆れる（褒めてます）。当時の彼の所業を思えば、よそ見されたらまた捨てられるとヒロインが怯えるのは当然。やり直すなら彼女自身が吹っ切るしかない→

ネタバレ破格値中古。呪いで20歳までしか生きられず、自分との短い結婚で得る多大な支援金目的の政略婚に乗った王女ヒロイン。同情と哀れみの視線に耐え、周囲を悲しませぬよう、日々を後悔しないよういつも笑顔でいる。鏡で笑顔の練習をしたエピや、愛するヒーローに側室を勧めたり、小鳥へ教える彼への愛の歌など様々な彼女の描写に胸が詰まったし、女性として王妃として成長する様子も〇。国のためお金は欲しかったが妻には真心を尽くすつもりのヒーローはそんなヒロインに完堕ち。悪役は小物だし、解呪も間に合いハッピーエンド。幸せになっておくれ。

ネタバレ中古。伯爵令嬢ながら外交の職を夢見て励むヒロイン。国に繁栄をもたらし、それ故王族に娶られる定めの聖女の印が現れ、ひた隠しにしていたが…。謁見の場でヒロインに一目惚れしていた王太子ヒーロー。彼女が聖女と知るや城に留め置き、不器用ながらせっせと尽くす。ヒロインの心も傾き、2人が通ずる事で聖女に加護の力が与えられるという儀式（…）で親密さを増し2人の仲は安泰。ヒロイン父と繋がりある亡国の王族とのエピや聖女を狙う事件などもあり、話に起伏があった。志持つヒロイン友人達との様子、ヒロインの知識や語学が生きる場面も〇。

ネタバレ破格値中古。恋人を友人に略奪され、婚活では地雷男を引き続ける医療事務ヒロイン。最後のつもりで職場院長紹介のお見合いに赴いたが、相手の医師ヒーローとは気が合ってその日のうちに一線を超えて…。明るく素直なヒロインと、そんな彼女に癒され、普段は優しいが夜は獣のヒーローのラブ模様。寝取り女と元彼が少々絡むも割とアッサリ退場したと思ったら、ヒーローと大学同期の院長夫人が登場。タヌ顔ヒロインにマウントする嫌な女ではあったが、それによって明るみに出た院長の執着愛がソーニャ物件だった（慄）。主役２人はほのぼのだったです。

ネタバレKU。治癒能力の酷使で生命力まで尽き、王宮から追放された聖女ヒロイン。初恋の聖騎士団長ヒーローと偶然出会い、最後の思い出にと彼に抱いて欲しいと迫るが…。このレーベルで閨部分多めだが、ヒーローとの接触がヒロインを助ける設定と、ずっとすれ違ってた両片思いの２人の熱っぽさ、ストーリーも絡まってよいスパイスに。ヒロインに付き従う男性魔導士や彼女が触れる患者にすら嫉妬していたヒーローの箍の外れっぷりには照れた。ヒロインは奉仕の心と快活さもあり、寡黙ヒーローとお似合い。暴虐王との対決等々、お話も楽しめた。

ネタバレソーニャ10周年に相応しい、とことんヤンデレヒーロー。ヒロインが見るのは自分だけでないと我慢できず、彼女の持つ背景や思考、感情まで利用し、彼女を孤立させ、自分に縛りつけて囲い込む鳥籠愛。ヒーローを大切に想うゆえに自分から遠ざけようとするヒロインとはベクトルが正反対で、更にヒーローの行き過ぎた執着愛が浮き彫りに。最終的にヒロインはヒーローの手に堕ちるが、彼の上をいく人物のヒロイン解放の手が届く寸前だった…というところ、彼女との子どもなら愛せるかもというヒーローが父親になって…の終章、ビターな後味もさすが。

ネタバレ破格値中古。乙女ゲーム内の悪役当て馬令嬢に転生したと気付いたヒロイン。最悪エンド回避のため咄嗟に「一目惚れした」と選んだヒーローは、ヤンデレ属性の危ういキャラだった…。人柄も良く気の合う彼を闇落ちさせまいと頑張るヒロイン。ヒーローも彼女への執着心は強いが嫌われまいとふるまうので、恋愛面はじれったいくらいでヒロインが恋に気付くまでも長く、キスでもようやく、閨は初夜のあっさり描写…という健全さ。この手の本を読み慣れてるせいか逆に初々しくてほのぼのと読めた。ゲーム内ヒロインとの友人関係も〇。ヒーローが幸せそう。

ネタバレKU。賢い姉と美貌の妹に挟まれた平凡なヒロインにハイスペ侯爵から求婚が。しかし初夜の場で彼から「貴女を愛する事はない」と言われて…。事情があるとはいえ、朴訥と語られたヒロインを選んだ理由が甚だ失礼。ムカッとしたが、そんな彼と一旦離れたのちにヒロインが出した条件は私怨も含んでいて新鮮だったし、再構築に向けて自らも自己研鑽する気概も良い。生真面目ヒーローが反省し、ヒロインの愛を得るため努力する展開にはウキウキ。ヒロイン姉妹の仲の良さもよかったな。後半若干間延び感はあったが、０から育む穏やかな恋のお話だった。

ネタバレ中古。異国より召喚され、第一王妃と王太子に力を搾取され続けて逃亡した聖女ヒロインと、そんな彼女の生活を助けて親密になった、実は第二王子の騎士団長ヒーロー。主役２人の間には殆ど波がなくあっという間に両想いになり、テンポよく話が進む。作家名で連想したよりだいぶ軽い読み口だったがレーベル色もあるのかな？ヒーローの魔力がチートなので国内を乱す第一王子母子は敵にもならず、ヒロインを粗雑に扱い追放した祖国との交渉も他国との連携と知略で解決。ヒロインの活躍が少々あってよかった。挿絵がイマイチでイメージ膨らまず残念。

ネタバレ中古。レビュー読み。調薬に長けた「森の魔女」の祖母亡き後も、厳しかった彼女の言いつけを守って髪を染め森に留まるヒロイン。祖母を訪ねてきた王弟ヒーローはその境遇を知り、彼女を連れ出すが…。森の奥に住まい市井を知らぬヒロイン。妖精のように可憐で純粋でありながら、人の理に左右されず真実を見る目を持つ彼女と直情型で人嫌いだが情には厚いヒーロー。２人の間はモダつきつつ揺るがず、ソーニャ部分は脇役担当で読みやすい。個人的に丁寧語で内心を呟くパターンが嫌いでヒロインに馴染めずじまいだったが、お話は面白かった。挿絵も◎。

ネタバレ破格値中古（KU有）。中学生の時に失恋した相手と職場の病院で再会したヒロイン。彼は外科医になっており、週１度会う度にグイグイ距離を詰めてきて…。彼との遭遇を避け、ヒロインは地方病院を選んだのに再会。こりゃ運命だと彼が思っても仕方あるまい。その位必死のアプローチ。お互いの格差や遠距離恋愛などで最初はグルグルしたヒロインも、彼の誠実さに応えるように悩みや疑問を口にできるようになったし、理学療法士の彼女の仕事への思いや勤務描写、長く運動をやってきた背景なども生かされてて〇。当て馬位置の女医もいい人で後味よし。

ネタバレ破格値中古（KU有）。優秀な小児科医ヒーローと同科の看護師ヒロイン。誰にもそっけない彼の具合の悪さを見抜き、一晩介助した事で頼まれごとをされ…。添い寝して幾晩も過ごしても距離が中々近付かない２人にムズムズ。ちゃんと告白して付き合い、相手に見合うか悩んで勉強に励んだり、互いの進路を妨げず遠距離恋愛を選んだりと生真面目なところはもどかしくも好感が持てた。ヒロインを害した自信満々な女医とは最後和解ムードだったが、彼女が研修医に虚言を吹き込みヒロインが襲われた件は後味悪く、この手の話では不必要なエピだと思った。

ネタバレ破格値中古。ヒロインを庇い獣の毒に侵されて獣化し、存在を消された第一王子ヒーローと、彼の全てを否定せず懸命に尽くす元婚約者ヒロイン。最初はヒロインを見下していたヒーローが、人としての自分を諦めず寄りそう彼女に救われ、惹かれ、次第に対等の愛情を求め、献身に苛立ち、嗜虐的になり、でも陰では彼女を護って…という何とも不器用でややこしい愛情。自己肯定感が低いヒロインにはなかなか通じず、２人だけの離宮での物狂おしい生活は狂信者の訪れで断絶を迎え…さすがソーニャの宇奈月さん。切なくやるせなく胸苦しいお話だった。

ネタバレKU。魔物討伐で名を馳せたが、負傷により一線を退く騎士ヒーロー。王に結婚を急かされ、縁談を断りそうな「幻の妖精姫」の名を出すが…。男性と接せないヒロインと性欲のないヒーローという訳アリ同士の結婚。生真面目に相手に許可を取りつつ徐々に交流を深める２人がかわいらしい。ヒーローが王太子の閨の指導役に選ばれた事でヒロインが自分の気持ちに気付いて関係が進展していく様子や、２人の事情が明かされる過程も自然で読みやすかった。最後まで読むとなんだか王の策に嵌ってる感があって少々癪なのだが、２人が幸せになったしな～。

ネタバレKU。ある事情から愛する人との別れを選び、彼の息子を１人で育てながら不動産会社で働くヒロイン。ある日、自社を買収すると噂の会社の社長が訪れるが、それが別れたその彼で…。ネグレクトされ施設育ちのヒロインだが穿ったものの見方をせず、素直な気質なのが好ましい。境遇も相まってそれを御しやすいと勘違いしたメンヘラ男どもを寄せてしまうのが不憫だったが、最後にヒーローから鉄槌が下されスッとした。元極道のヒーローは再会時からヒロインと子どもを丸ごと引き受ける気概があり、世話焼きで愛情深い。幸せになって欲しい２人。

ネタバレKU。作家読み。没落寸前の伯爵家のヒーローに、富豪で事業家でも名高い侯爵令嬢が契約婚を持ち掛ける、という設定が珍しい。実はヒロインは幼い頃から彼をずっと想っていて、好機に行動を起こすのだが、その大胆さと彼の変わらぬ誠実さや婚約者としての態度にいちいち反応する初心さとのギャップがかわいらしい。ヒーローは考えがフラットで有能ヒロインを尊敬し彼女のサポートに尽力、分析力もあるよきパートナー。彼女の為にアップルパイを作るような優しさと甲斐甲斐しさにほっこり。結婚前で話が終わってしまって残念(T_T)　愉しく読了

ネタバレ積本（KU有。）苛烈なものもお書きな方だが、ティアラのせいか悪役は途中退場し、最後に再登場。その間は両片思いの主役２人がいつか終わりのくるヒリヒリ＆メロウな関係を…というマイルド風味。ヒーローは10年も贈り物にちまちま秘密のメッセージを刻んでないで、婚約破棄の際に根性だして告白したらよかったのに…とは思ったが、双子の弟になりすましヒロインに愛を囀りまくって尽くし、夜更けに２つの家の仕事をこなしたし、ヒロインが処女と知って泣いてたのはかわいかったので許す。終盤の悪役との対決も緊張感がありドラマチックで〇

ネタバレ中古。ヒーローがパイロットである事が、幼馴染の２人のエピ、アクシデント、プロポーズの描写等々とうまく絡めてあり、既読の同職業ものとは違うアプローチで新鮮で感心。傷心ヒロインと彼女をずっと慕い労わるヒーローとの同居生活が軸だが、出番は少々の脇役たちが印象深くてよい。「一生懸命で一途な人は素敵」という同僚女性のヒロイン評や「（ヒーローはヒロインの）時々しっかりしてないところが好きなんだよ」という義父の発言なんかにはハッとさせられた。ヒーローの執着めいた一途さとヒロインの元婚約者に見せた苛烈さもナイス。愉しめた