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溺レる (文春文庫 か 21-2)

感想・レビュー
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ムッネニーク
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2025年6冊目『溺レる』(川上弘美 著、2002年9月、文藝春秋) 愛欲に溺れる男女の道行きを描く8つの物語が収められた短編集。 性表現は多いが、その背後に執着心のようなものは感じられない。また、短編は全て一人称小説なのだが、いずれの語り手も物事を俯瞰的に観測している。 本作の文体は軽やかで瑞々しく、登場人物たちのまぐわいは時として生々しいが、この著者と物語の距離感が、作品に乾いた寂寥感と儚さを生み出している様に思う。 〈ここはいったいどこなのだろうと不思議に思いながら、モウリさんに身を寄せていた〉
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すい
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男と女の逃避行、ふたりの世界という感じの作品集でした。ほの暗く、周りを見てない、見えていないのか登場人物がふたり以外あまり出てこないのも本来なら見えないような関係性を垣間見せてもらっているような感じでよかった。
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sara
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読んだことあるような無いような…言葉はホワっとした感じなのにどれも最終的にはどんよりとした暗い感じになるのは不思議な感覚で…他の作品も読んでみよっかな!
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史
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暗くても、どこか寂しさがあったとしても、愛以外に例えられないから愛。という感じであります。暗くても悲壮感はそこまでないというのはどこか不思議な感覚ではある。
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ぷら
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読み終えた。読み終えた、けど…だなぁ…。 『恋愛の過ぎて行く一瞬を惜しむ、傑作短編集』の文言に心惹かれ、川上さんという事もあり何処か不可思議な恋愛譚なのかしら?と少しばかり期待してしまった。 確かに不可思議ではあるけれど…これは単純に意味不明で、恋愛感情に触れる事もなく、男も女も「なんだか気持ち悪いなぁ」と始終思いながら読んでいた。辛口な感想しか浮かばず、私とは相性が良くない1冊だったみたいだ。
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麦
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ネタバレ著者の作風は独特だ。付き合う手前の、想い合っているわけでもない男女の関係性。喜怒哀楽と、それに付随する出来事を記号的に演出するのではなく、一定の熱量で描いている。 地の文も「〇〇だった」という表現が連続することもあるけれど、読みづらい訳でもない。男女が道端で嘔吐し合う場面はリズム感とある文体と、シュールな場面でクスッとしてしまいました。 会話の間も妙な解像度がある。読了後の余韻は穏やかで、不思議と落ち着いている。川上さん、癖になるんだよなあ。
0255文字
kazi
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この短編集気に入ったから早めに再読しちゃった。つまり、性向というのか、考え方の癖というのか、自分によく似たものを感じちゃうのよ。ワケアリの男女がワケアリの男女が逃げていくんだが、逃げ方が真剣じゃ無いというか、どこかしらどうでも良いと思っているような、不真面目さが漂うというか。誰にでも思い当たるところはあるのではないでしょうか。
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オマール海老
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ちょっと暗めの話が多いのに、その暗さが嫌にならない。多くは語られず、核心に触れられないまま終わる感じが良い。登場人物の境遇は問題抱えた人が多いのに、なぜか幸せそうに見えることがあって面白かった。
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わかめ
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ネタバレ何度も読もうとして挑戦を繰り返した本。さやさやは学生の頃に読み、蝦蛄を食べてみたくなって旅行にまで行った思い出もある。全て読み終わり、どんよりふわふわした気分になった。何も無いように過ごす日々が羨ましくなるが、本当は思い馳せるものがあって。それが自分にはなくて、相手にだけそれがあるとなると耐えられないな。 でも、誘われる、ことは何よりも嬉しいことなので、仕方がないな。
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bura
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「アイヨクにオボレよう…」男と女がゆるゆる、だらだら、ずるずると道を外して逃げていく、情けなくも愛おしい8編の短編集。こんな男に翻弄されるつまらない女の自分。イヤだけどイイ。そんな瞬間瞬間を作者の端正な文章で淡々と綴られていく。各話の男女は哀れであり、しかしこの二人にしか分からない「幸せの場」に魅せられていく。それぞれ情があり心を持っていかれる読後感がある。短いながら耽美で切ない物語たちだった。
bura

ミサさん、読みました😊名前がカタカナなのが妄想の世界の男たちにも思えました。

03/19 09:57
毒兎真暗ミサ【副長】

あー!本当ですね!!buraさん、鋭い!!

03/19 10:03
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にゃ
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口答えしない、言い訳しない
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Aki
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LINEの既読がつかない〜とかもう考えたくない! 川上弘美の小説の中で生きてえよ
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毒兎真暗ミサ【副長】
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ふたりで、溺れマシた。あてどなく、ふらふらと、歩いテ。ふたりで、抱き合いマシた。他にスルコトが、ナカったから。ふたりで、泣きマシた。ナイテナイヨって、言いナガラ。でも、ヒトリより。ふたりがいいから。あたたかいから。いっしょにいよう。あなたが溺れたら。私が、助けるカラ。
毒兎真暗ミサ【副長】

buraさん、男性目線からの川上さんのレビュー、楽しみにしています✨

03/14 18:45
bura

最近、川上弘美さんハマり始めてます😊

03/14 19:29
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tonneusu
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【再読(5年ぶりくらい)】タイトルの「溺レる」の〈レ〉が何故なのか・・・を考えながら再読。女と男の物語、それも生産性のない展開ばかり。いつだったか国会議員で女性の生産性に罵詈雑言めいた発言をした奴が居たが、この物語はそういう戯言を超越して「豊かな人間」の根源を小説にしている。いろいろな人と人が関連して社会は構成されている。寛容な社会が、現代の今に、もっとも求められているような気がする。川上弘美さんの秀逸な短編集だと思う。タイトルの〈レ〉はBOOKデザイナーの単なる洒落なのかなぁ~。
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kazi
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初の川上弘美さん。なんとこんな作家だったかと衝撃を受けてます(^^;駆け落ち中の男女を描いた作品ばっかりなのだが、文体によるものかドロドロしたところは全くなく、いかにも淡々と清々として、生も死もどうでもいいような、不思議な感じ。
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なつ
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逢魔が時のやつめうなぎのような情愛小説だった。 川上さんは、抜き差しならない関係の切実さを深刻な様子では表現しない。 「せつなさ」と「おかしみ」が紙一重であるように、その中間を絶妙なバランス感覚で往き来する。 溺レているようで、溺レていない。
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たけ
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ネタバレ蝦蛄をさっとゆがいて、殻つきのまま供す。有名な作品だから前々から知ってたけど、最初の蝦蛄の描写に惹かれて買った、読んだ。蝦蛄とか羊羹とか臓物とかシンコとかなんか食べたり飲んだりしてて、せつなさと虚しさと愛おしさと刹那ぽいやつと懐かしいのと知らない懐かしいのがあって、畳の匂いとか徳利とか線香とか感じた。やっぱり何より、おしっこっていいよなあ。。
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mio
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どの話も仄暗いけど、川上さんの叙情的でノスタルジックな言い回しに脱帽した。
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山内正
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その時枝で鳥が鳴いてたとか 私がどんな言葉を吐いたとか覚えてる 別れたいとユキヲに 一緒にいられない 好きな人出来たのと聞く 首を振る 三年暮し金は任せられないと3回に分けて 以前は部屋を小綺麗にし何品も料理し ボタンもつけたのに いつの間にかできなくなっていた 亀でも飼いなさいと人に言われ 返ってくるまで電気もつけず座ったまま 何もせずに 俺を引き込むなと言われ 寝ていて、ふと亀は悠長だと呟き 女と寝ても平気なんだろう? 苦しかった?と聞く 沈んでいく 亀は私が飼いますと返事した 亀が鳴いてる
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かわかみ
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八組の男女が織りなす性愛の物語だが、恋愛小説とは少し違う。相手を愛するというよりは、相手に寄り掛かって「依存」する関係に見える。「溺れる」は八編の内の一つの作品の標題だが、本書の標題としても相応しい。巻末で種村季弘氏が解説しているように、いずれの男と女も何かから逃げている。しかも、一人で逃げられなくて道連れに溺れるのだ。二人の関係が終わる話もあるし、共依存のまま惰性が続く話もある。著者は本書を世に出した翌年くらいに「センセイの鞄」を書いている。
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hisayparrish
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愛欲に溺レる8編の短編集。それぞれの愛の形が、女性の気持ちを通じて描かれる。概して受け身の女性だが、淡々としているようでねばりつく執念も感じられる。感情の起伏もあるが、諦観とか超然としたものが出てきていて、不思議な読後感に包まれる。「さやさや」「溺レる」「亀が鳴く」「可哀相」「七面鳥が」「百年」「神虫」「無名」
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玉露
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この作家のほのぼのとした文体で語られる暗い話は癖になる。先のない恋愛に迷い込む人々のゆらぐ心、そのなにげない生活の中にまたたくほのかな光......。くだらなくてとりとめもないけどもどこか色気のある男の書き方が上手い。読んでいるこちらが作品世界に、モウリさんに、ユキヲに、サカキさんに、溺レるような心持ちになる。特に好きな作品は「溺レる」、「亀が鳴く」、「百年」。
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もみじまんじゅう
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ワケアリな恋人や恋人になりそこねた者達が織り成す8つの短編集。どのお話の男女も世間一般から少しはみ出していたり、どうにもならないとこまではみ出しすぎていたり。そんな2人の何でもないようで、何でもなくない日常がさらさらと描写されている。ジメっと湿気を帯びた読後感。1つのお話の中で何か大きな事件があるわけでもなく、何も起きず、ただ横たわったまま朽ちていくような感覚に陥る。私の中の昭和のイメージに合致している。平成に生み出された小説なのに。まるで古びてカビの臭いのするアパートだか宿だかに取り残されたみたいだ。
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タキタカンセイ
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ネタバレ作者の本は好きで何冊か読んでいるけれどもこの本は初読(ずいぶん前の本ですが)。様々な形で描かれた男女の愛の姿の短編集。ストーリー、登場人物の設定は違っているけれども、同じ二人をテーマにした「変奏曲集」のようにみえる。それにしてもエロい。「女性にとってのエロとは何か」というのは自分にとってのライフテーマなのだが、それを解くカギがこの本の中にあるような気がした。
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かぷち
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愛に溺れる恋愛小説、ではなく意外にサラッとしているのは女性作家だからか。男が描いたらもっとドロドロ、ギトギト、ヌメヌメしそうな題材。呼吸も出来ないほど深淵に沈んでいく、というよりは何もない大海原の波間を延々と漂って時折沈んでいき、ふっと覚醒して浮かび上がる感じ。映像化したら白黒の方が映えそうな短編が多く、けれど文章からにじみ出てくる色気がモノクロの世界を染め上げていくのが心地よい。対照的に出てくる男たち皆ジジ臭くて、どこに魅力を感じるんだろと思ってしまったのは私が男だから?
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夏
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女流文学賞・伊藤整文学賞を受賞した、恋愛の過ぎて行く一瞬を惜しむ、8篇の短編集。とっても読みやすくて、さらさらとすぐに読んでしまった。川上弘美さんのこういう短編集がやっぱり好きだと、あらためて感じた。なんでもない一瞬なのに、どこか心が切なくなるようなお話がたくさんあって、こんな短いお話の中で心を動かすようなものを書けるなんて、本当にすごい。どのお話も甲乙つけ難くて、本当に全ての物語が好きで好きでしかたがない気持ちにさせられる。星4.5。
夏

😊

08/01 08:56
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あまみ
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文章が私の趣向に合いませんでした。 会話文は読者に考えさせるように書いているのかどうかわかりませんが。このような男(短編すべての)と愛欲を重ねる女もまた奇妙だと思いました。 ▽近代文学の文体がこうだったかしら? 別の本に替えようか、などなど考えているうち8篇全部読んでしまった(笑) ▽描写からみれば官能小説ではないです。
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フリウリ
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愛欲に溺れる皆さんの物語。生きていくうえでのバランス(?)が崩れてなぜか愛欲だけを突き詰めてしまい、知らず、暗いところにおもむく人々。愛欲への執着を経て「この世ならぬもの」と化し、時間を超えて存在するものたち。川上弘美さんらしい飄々さで、説教的な内容は巧みにかわされているものの、仏教説話の物語世界のようです。「今昔物語」(本朝付霊鬼)を愛読する者にとっては、とても近しい世界感覚でした。8
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akarick777
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椎名林檎的世界観
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kento
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読んですぐ内容を忘れてしまうほどのとりとめのない短編集。若くはない男女の愛欲についての話が多いが、行為自体の描写は驚くほど少ない。どれも似たような人の似たような話だが不思議と心地よい。
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foresthills
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性愛のダークサイドに引き込まれそうになりました。
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ガラスの文鎮(文鎮城)
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図書館では書庫にあったので見逃していた。1999年出版の8篇の短編集。『溺レる』とは有り体に言えば愛慾に溺れるの意味。wikiによれば本書は作者の代表作の1つで「伊藤整文学賞」「女流文学賞」を取っている。今まで読んだ作者の作品の中では一番スケベ。40女の愛慾が純文学風に描かれる。最初のうちは川上風飄々さもあって第一編「さやさや」はメサキさんと蝦蛄を食べに行ったサクラが深夜草むらでおしっこをする音がさやさや。2つめ「溺れる」はモウリさんと駆け落ち、ミチユキをしながら「アイヨクにオボレる」話。でも具体的→
ガラスの文鎮(文鎮城)

な愛慾描写は無い。「可哀想」ではナカザワさんは私を駅に呼び出してスル。しかも縄で縛ったりするんである。「百年前」では不倫相手のサカキさんと心中したが私だけが死んでサカキさんは87歳迄生きる。お互いに40歳頃に出会って逢瀬を重ねるうちに体が粘る様になった。安倍定に近い感じか。かくなる上は心中しか無いと思い定めた二人であったのだが結果としてこうなった。体が粘るってどういう事よと想像する。男と女の話である。離婚したのは2009年だと。この作品を発表してから10年後。書き始めた頃には旦那から心は離れていただろう。

05/22 23:00
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更夜
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「ばかだねぇ、まったく」モウリさんは答えた。「ばかですか」「だって、これミチユキだよ。アイヨクにオボレた末のミチユキなんだよ、ほんとにさ」川上弘美さんの恋愛というより愛欲、官能短編8編。どの短編も男女が出てきて官能的な事をするのですが、どうも川上さんの手にかかると「見栄」とか「物欲」とか「世間体」といったものから遠く離れた所にいる男と女というものになります。官能といってもみなどこか醒めており、いやらしさはありません。人間だもの、当然の欲でありましょう、とわりきっている男と女。寓話的ともとれる短編集。
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チ
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読んだすぐそばから内容を忘れてしまいそうな、刹那的でとりとめのない話の短編集。でも読んでる最中は不思議と心地よさを感じました。優しいけど、のらくらすり抜けていくずるい男の人ばっかりでてくる。いろんな愛のかたちがあるんだなぁ
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ひなた*ぼっこ
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掴み所のない男と女の話。なんでそこでするのか色気のない私には分からない。2人でいても交わっても行き場のない閉塞感が強い。生産性がなくて霞みたい。川上弘美はもう少し奥手なお話の方が好きだな。
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さくら
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川上さんは初めて。なんだろう。8篇収録されてるから、出てくる登場人物もそれはたくさんいるわけで。なのに一人も共感はできなかった。この作品に溺レられなかった。恋愛観の時代(?)がちょっと今とは違う気がした。
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阿吽
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肉感さは無いのに前頭葉の感能官能に訴える。後になるほど溺レ感が増す。ついには五百年越し。手練が凄そう。
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練りようかん
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ネタバレ表題作だけでなく収められた7短篇全てに“溺れている”と感じるパーツがあって、一冊を構成する上での意図か作家性か考えると楽しかった。片仮名にすると普通平坦にのっぺらぼうになるところを、川上さんがやると色気が滲み出るのはナゼだろう、タイトルにもってくるのはこの独自技法がもはやシンボルになったということだろうか。なんでもないようになんでもあることが綴られていく。話を引き取ったあとの一言や食材と口調がおでんと熱燗のようにたまらん取り合わせに感じる。特に面白かったのは「さやさや」、表題作、「亀が鳴く」「七面鳥が」。
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ゆうき
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周りから見たらなんでそんなやつに依存すんの?って思うだろうけど依存しちゃえばそのことだけ考えてればいいからそれはそれで楽なんだよね…だからいい人にいい依存をしたいものですね
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おはぎ
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短編集なのだけれど、どれもが醸し出す空気感があまりに似通っていて(しかもだいたいみんな名前が名字のカタカナ)、ずっと前の短編の続き続きを読んでいるような気分だった。『センセイの鞄』をねばっこくじっとりとさせたような作品と思う。
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