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渡来人とは何者か: その実像と虚像を解く

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EMI
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かつて大陸の高度な知識や技術は帰化人・渡来人によって日本にもたらされたとされてきた。日本人の起源に関する新たな研究によれば、日本人は3つの祖先集団、即ち縄文人(東南アジアのホアビニアン人と繋がっている)、北東アジア祖先アジア人、東アジア祖先アジア人が混じりあってつくられた。これは古代より多数の移住者が日本にやってきたことを意味する。著者は従来の帰化人・渡来人の定義に疑問を呈し、中国や朝鮮半島と日本の関係を紐解きながら、渡来人と呼ばれた人々や渡来系豪族の素性、渡来時期、ヤマト政権での事績を明らかにしていく。
0255文字
tamami
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本書は著者の前作、『渡来人とは何者だったか』を、最近のDNAの遺伝情報の分析により解明されてきた縄文~古墳時代の日本人の成立事情と、最新の渡来人研究の成果を併せて書き直した物。筆者としては、序章の日本人のルーツと「渡来人」の関係が興味もあり、最新の知見として面白く読んだ。渡来人については、高校日本史以来東漢(やまとのあや)氏と秦氏等、渡来系と称される人々が古代にあっては、様々な技術や仏教の伝来に関わって大きな力を有していたという、ごく一般的な知識で通してきたのだが、著者が本書で説くところによれば、東漢氏や
tamami

秦氏等を一括して「渡来人」とするのは混乱の基であり、弥生・古墳時代には技術者集団とともに、半島から多くの移住者が来たこと、その遺伝的反映は現代日本人の四分の一にもなる等々、「渡来人」の移住の実態やその後について、個々の氏族を挙げて記す。「渡来人」に関する常識を覆す見解が多々示されるが、やや詳細に過ぎ後半は流し読みとなる。本書にも「渡来人」は当時も特に差別的な扱いではなかったとあるが縄文時代以来、列島では移住者に対して親しく受け入れる態勢があったことが、その後の日本の歴史を大きく規定していったのではないか。

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