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ジェンダーと「自由」: 理論、リベラリズム、クィア

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竜崎
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消費される/消費する「クィア」の章にて、Netflixの「クィア・アイ」が「五人のゲイ男性が異性愛者の男性にファッションや食事、インテリアなどについてのアドバイスをあたえ、メイクオーバーを手伝う」「多数派に有益な技能をもつ少数派としてクィアが消費されている」と記載されているが、そもそも「クィア・アイ」は異性愛者の男性だけでなく異性愛者の女性も同性愛者もすべての老若男女をメイクオーバーする。そして消費財の指南(ファッション・食事・インテリア)だけでなく、内面のトラウマや悩みをサポートするゲイ男性もいる。
竜崎

よって「異性愛者の男性に指南」は誤りである。また「(異性愛者にとっての)真価は、ファッションやインテリア、娯楽などをいかにスタイリッシュに消費し、消費を通じてスタイリッシュになるのか、そのお手本を見せる時にこそ発揮される」(p321)とあるが、「クィア・アイ」は娯楽消費のみに力点をおいておらず、老若男女の相談者が人生において大切にしていることやセルフケアの大切さを説いている面を抜きにして、消費によるメイクオーバーのように描写されていることに違和感をもった。

11/02 22:10
0255文字
くり坊
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「クィア理論圏内におけるレズビアン/ゲイ研究は、1980年代のポスト構造主義の仕事にとくに依拠してきた。ポスト構造主義の重要な特徴の一つは二項対立の脱構築であった。〔…〕したがってヘテロセクシャル/ホモセクシャルのペアは脱構築される。このペアにおける対立は、なにをおいてもまず、内在的に不安定なものであると見なされる」と。クィア研究は、従来のレズビアン研究の新しい総称であるとともに、レズビアン研究、ゲイ研究、いずれにも属さぬ第三極のありかを示す用語ともなる。(296頁)という記述が分かりやすかった。
0255文字
Yuki
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LGBT/SOGIの問題は、いまだ制約が大きすぎるがゆえに、自由の希求の声が通りやすい。つまりは、マクロな問題にのみ、一枚岩になりやすい時代状況にあるということを念頭に置いておかなければならず、ミクロなアイデンティティの問題は相当にセンシティブである。/また、ジェンダーという大所になると、既に2次、3次……と関係領野を拡げているが、閉塞感や内部分裂、実現希求モデルのバラつきが目立つところである。無論、ジェンダー平等を下敷きにしつつも、それ以外の変数・メタシステムを焦点とした議論・分析が望まれる。
0255文字
カンファ
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13章が特に面白かったです。「僕は気付かなかったけど、言われてみれば確かにそうだ」というような新しい視点を披露するのが批評の仕事。『ベティ・ブルー』についてのセクションなどは、まさにその「視点」でした。
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