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3.11 慟哭の記録―71人が体感した大津波・原発・巨大地震

感想・レビュー
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ゴロチビ
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前半の津波被災者の42人の手記の後、一旦棚上げしていた。津波は天災だが原発事故は人災。後半はより重い気がして怖気付いていた。でも読んで良かった。故郷を追われ、暮らしの支えだった家畜を全頭処分、避難先を転々と。なのに避難先では加害者扱い。「私達は何か悪い事でもしたんだろうか。」の呟きに胸が詰まる。津波で失われた膨大な数の命。それに比べたら、命があるだけマシ、と心のどこかで思っていなかったか自分。目に見えない汚染、帰るに帰れない故郷。在るのに手が届かない。その精神的な痛み、辛さの片鱗を知ることが出来たと思う。
ゴロチビ

タイトルの慟哭という言葉、正直前半を読んでいる時はピンと来ない気がしていた。確かに津波で全てを流された人がいる。助かった命に呆然としながらも、しかしそこから、どん底から先は上に進むしかない人達だ。しかし、原発難民には底が見えない。この人達には見通しが立たない。むしろ長い旅がここから始まると思えた。正に慟哭が聞こえた。読みながら嗚咽が漏れた。あとがきにあるとおり、原発とは何か、を考えずにはいられない。

04/05 18:37
0255文字
ゴロチビ
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著者の名前は『呼びさまされる霊性の震災学』で記憶にあった。前半の津波部分約40人分を読んだのでひと区切りとする。以前、暮らしの手帳社でまとめた戦争の記憶文集を読んだ時を思い出す。普通の人々の手記が積み重なってジグソーパズルが描く景色のように大災害の全体像が見えて来る気がした。手記はみな同年の秋頃に書かれたもの。十年の節目に読むと生々しさが蘇る。メディアなどでは伝えない人間の醜い部分も率直に語られていてメディアの限界、偏向を逆に感じる。特に若い人の文章が、気持ちをありのまま伝えていて真実味があると思った。
ゴロチビ

震災関連の他の本でも知ったことだが、大地震の直後から停電しているため、被災した当事者が一番情報を知らないこと。災害の中心地にいる程そうなってしまう。避難所に来たマスコミ取材クルーから逆に情報をもらったと。停電のためか津波警報を聞いてないとの声もある。それが本当なら、随分脆い防災体制だ。あれから十年も経ち、その教訓は活かされているだろうか。

03/12 22:10
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きいち
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必読の一冊。◇71人の話は、誰も誰とも似ていない。でもそれは、被災者一人ひとりに物語があるといった話ではなく、震災の記録プロジェクトの編集の力によるものだ。場所や属性、そして体験の内容、現地調査踏まえ適切な執筆者を探して依頼し、書き上げてもらい、やりとりをして本にする。執筆者には編者の金菱はじめ目の前で祖母を亡くしたゼミ生はじめメンバーの名前もあり、当事者による本なのだと思う。◇読み始めでわかるのはタイトルと場所、執筆者名のみ、他の情報がないところから理解をしていくプロセスは、聞く過程の疑似体験のような。
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ちゃんみー
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東日本大地震で被災した71人が綴ったあの日とその後。6年前に毎日流れていたニュース映像を思い出します。愛する家族を亡くしそれでも生きていかなくちゃいけない辛さは実感することはできませんが、その気持ちに寄り添うことができるように丁寧に読まさせていただきました。興味本位で読む人を排除するかのように写真が一切掲載されていないだけに、惨状を想像し被災された皆さんの気持ちに触れられたことは、自分本位ながら家族が普通に「いる」というありがたみを感じられたわけです。
0255文字
鈴木律
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読むのにすごく時間がかかったけれど、71人71様の体験の重みに圧倒され、あらためて自然の力のすごさと不条理を感じ、その体験を生き抜き、前進する人の力を感じた。震災からすでに5年がたっているけれど、この震災で須賀川市の藤沼ダムが決壊し、7名が亡くなり、1歳の赤ちゃんはまだ見つかっていないことを、恥ずかしながらこの本で初めて知った。あまりにも大きな災害の中にあって、普通なら大ニュースになるような出来事も、あっさり埋もれてしまうのだなということも、あらためて思い至った。
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ゅゅ
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【図書館】3.11が題材の小説を何冊か読んでるので、本物の、現場にいた被災者の言葉を読んでみようと手に取ったのですが、なるほどあらゆる意味で現実はこうなんだと、読んできたのは小説なんだと実感しました。やはり素人なので文章は読みにくく淡々と状況を記してるものが多くて、逆に恐ろしい気もします。遺体が普通に道路にあったり、救助隊に「助けて下さい」と言ったら「助かりたいの?」と言ってきたり。原発は安全(頑丈)だから原発に避難していく人々とか。人の強さや繋がりも人間の可能性や社会性も、改めて考えさせられる一冊です
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まるっちょ
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ネタバレ被害者の生々しい実体験を文章に起こしたものなだけにヘビーでした。途中で断念。 高齢者と子供優先で行われる配給、「助かりたいの?」と言葉を掛ける人、ああ知りたくなかった、見たくなかった、でもこれが現実なのだと胸をグサグサと抉られた。この震災を美化しているのは体験者ではなく、対岸の火事を見ている私たちなのだ。当事者は生きるのに精いっぱいで気遣うなんていうこと考えることは不可能なのだ。文章が洗練されていない分、余計に「震災の怖さ」が伝わってくる。ここまでくると震災とは戦時中じゃないのかとさえ思ってしまう。
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ブブジ
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その内容も、ページ数も、読むのが大変な一冊でした。71人の語る体験談の周りには、亡くなって語れなかった方、辛くて文章に綴れなかった方、語る機会が無い大勢の方がいるかと思うと、被災地に住む皆それぞれに辛苦と恐怖があったのだと改めて感じさせてくれます。あれから3年、まだまだ沿岸部は復興していないことをこの正月に見てきただけに、学者や建築家や政治家はこれらの手記が訴えていることに対して一体何をやれているのだろうと憤りも覚えました。被災地に住まない人達の机上の話ではなく、地元の住人の話を取り入れてあげればいいのに
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二分五厘
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読みにくい、話が繋がらない、素人が書いた独りよがりの文章。…なんだけどそれが余計にリアルな体験談として伝わってくる。普段過ごしていた日常から、突然非日常へ落とされながらも、また日常を取り戻そうとしている人達の3.11からの記録。心して読むべし。
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水橋哩
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3月11日に起きたことを個人の視点で記録した資料として、とても価値のある1冊だったと感じた。
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takaC
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購入して正解。素人手記と侮るなかれ。
0255文字
壱萬参仟縁
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☆☆☆・・・岩波書店『破局の後を生きる』を想起するような内容。まずは、被災者が体験したことをしっかり記録し、事実を感情を整理して史実としていくエスノグラフの大切さを実感できる。振り返るだけでPTSDになるという気もしたが、それでも、勇気を出して書き留めたものの価値は計り知れない大きさ、重みを感じる。特に学校で亡くなった娘の母親の心中を察すると無念では済まない悔しさがある(狩野さん29ページ~)。なかなか娘と再会できなかったが、なんとか遺体は見つかった(33ページ)。原発爆発の光の恐ろしさ(374ページ)。
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プリシラ
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この本の貴重なところは場所も立場も様々な人たちの素の証言が連ねられていることである。被災者という言葉では一括りに出来ないことがよく分かる。被災者の忍耐強さがクローズアップされ、美徳ばかり強調された報道の裏にあった、人の弱さや狡さも書かれる。それも当たり前のことであろう。もちろん、自分を虚しくして被災者のために力を尽くす人たちが大多数であるが。国や自治体が迷走して翻弄された人たちの証言を読むにつけ、やり場のない怒りが湧く。政党内や政党間で方針で争っている暇はないのでは?
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sasha
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大震災、大津波、追い打ちをかけるような原発事故。被災者自身が綴った赤裸々な体験は綺麗事ばかりではない。しかし、それが被災した人たちの正直な心情なのだな…と思う。
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