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皇帝のいる文学史: 中国文学概説

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みずち
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所謂入門書らしい入門書ではなく、いくつかの視角を設定し、そこから見た中国文学像を提示するというスタイルの概説書です。 第一部「国家と個人」では、中国文学が、どこまでも皇帝権力を頂点とする権力空間の中での産物であり、それ故「私」の領域は極めて限定されていたことが説かれています。その一方で、特に宋代以降、家族や、自身の幼・老年期、身の回りの日常性といった「私」的な領域の拡大が見られたという点を興味深く読みました。
みずち

第二部ではより個別的な問題が取り扱われています。中国の古典小説はどこまでも「事実の報告」を理想として観念され、その文体は「史」のそれを出ることはなかったという箇所(第三章)と、世間への強烈なアンチテーゼであった隠逸という在り方が、中唐頃から大衆化・通俗化し、宋代以降の文人趣味へと繋がっていくという指摘(第五章)が印象に残りました。

05/08 21:18
0255文字
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