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開店休業 (幻冬舎文庫)

感想・レビュー
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katoyann
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グルメ雑誌『dancyu』に掲載されていた吉本隆明のコラムに身辺の介護をしていた漫画家のハルノ宵子の回想を組みあわわせて編集した本。食事の思い出がメインとなるが、思想家というよりも詩人としてのセンスを感じるエッセイとなっている。中高年の時は血糖値が高く、医師から食事の注意を受けていたにも関わらず、揚げ物ばかりを食べ歩いていたという。昔の写真を見ても太っているイメージはなかったが、魚の類が苦手など、偏食であるということがおかしかった。ハルノ宵子の回想も、歯切れが良くて楽しい。
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夏みかん
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ネタバレ「開店休業」著者の吉野隆明さんと娘さんハルノ宵子さんによるエッセイ集でした。眠る前に少しずつ読んでいたので食エッセイ、飯テロにならないかと思っていたのですが、時々記憶が無くなり夢の中、文章の中にある焼き蓮根が出てきた時もありました(笑)。吉本家の一家団欒、日常が垣間見える、そんな食エッセイ集でした。R6.12
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酩酊石打刑
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吉本の発表された文章は一言も逃さないで読みたいと思った。年を追うごとにその傾向は弱まったが、かなりの部分までカバーできていた。しかしながらどういうわけか、本作は未読のままだった。わたしの吉本感は「戦後思想界の巨人」といった堅いイメージではなく、硬質な言葉の裏に流れる〈詩人としてのやさし〉を持ち、庶民に寄り添う生活人の姿だ。本作はその姿を如実に表している。それなのに手に取っていなかった……。多子さんの文章がステキだった。〈搦手からの批判者〉たる面目躍如の突っ込みが微笑ましくもあり、悲しくもあった。
酩酊石打刑

〈引用〉「現在でも良いことばかりを決して言うまい、お説教は決してしないという、自分の中での戒律だけは守ろうとしている」(P.205)何度か彼の著作の中で語られていた。わたしもこのことは心がけていた。〈コンプライアンス〉だ、〈エビデンス〉だと騒ぎ立てる輩に冷ややかな視線を投げかけながら。

06/04 13:13
0255文字
yoyogi kazuo
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再読。ハルノ宵子の文章があるから全体が締まっている。あとがきの、娘に一杯の水を所望した隆明の姿に打たれる。
0255文字
Masakazu Fujino
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吉本隆明氏がdancyuに連載した食をめぐるエッセイに、娘さんのハルノ宵子氏が注・解釈をつけた作品。 ハルノ宵子氏の文章がまことに面白い。
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窓(。-_-。)
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★★★★☆ 吉本ばななさんとハルノ宵子さんのお父さんと知り気になったのパラパラ📖 ん?これは好きなやつ!ハルノさんの絵と文章が間に入りながらの食エッセイ、固いイメージのあった吉本さんでしたがハルノさんの語りが面白く一気に読みました。
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あられ
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「それでも猫は出かけていく」を読み、親子のエッセイ集があると知り探した 固いイメージの吉本隆明の私からすると“え?”という食の感性に、娘のハルノ宵子の突っ込みや訂正が面白かった その家、その家のルールやあるあるは、それがどれほどのものでもその家ではルールや信念や思想であるべきで、グタグタに煮る雑煮や梅干しにゆきが降るように味の素をかけるなども否定されるものではない 泣き笑いで思い出として語られるところに、この親子のほかにない関係が感じられた 面白かった
0255文字
yoyogi kazuo
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吉本隆明の晩年の様子が知りたくて図書館で借りて読んだ。同じ年に父と母を家で看取った娘のエッセイで認知がかなり怪しくなっていた晩年の様子を窺い知ることができる。とはいえ吉本隆明自身の食にまつわるエッセイもなかなか読ませる。安保闘争で逮捕拘留されたときの拘置所での体験を綴った文章など興味深かった。
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金北山の麓に生まれ育って
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【死に様が生き様だというなら】敬愛する大思想家の最後の日々の記録、同居して両親ともに面倒みた長女の生々しい描写は既に伝え聞いていたが辛かった。糖尿病で眼が見えないし朦朧状態、食事制限を守れず妻から愛想つかされ家庭内別居に。壮年時からカッコつけず無様に生き切るとおっしゃてた通りの死に様で、私の家族親戚達と変わらない(ニューアカの連中は格好付けて隠すだろう)。「食」をテーマに人生を振り返る柔らかいエッセーなのに内容より病気と老いや解体された家族やらにばかりが気を取られてしまう、自分も同じ結末なのかも、嫌だなぁ
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みの
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恐らく吉本隆明、初読み。吉本隆明の食エッセイを、一話ごとに、その娘ハルノ宵子が解説していく。このハルノさんの時には鋭いツッコミ含む文章が父のエッセイをまた際立たせていてどんどん読みすすめられる。たまに文章を読んでいてあれ、これはどっちが書いたものだっけ?ってなりながら読んだのはご愛嬌。
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hydrangea
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結果として、父と娘の掛け合いのようなやり取りに仕上がっている。それぞれがてんでバラバラな方を向く家族だが、深いところで濃い愛情で繋がっているのがよくわかる。父自身も両親から愛情たっぷりに育てられたからだろう。
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杜
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ネタバレ「味にまとわりついている想像力」父へのつっ込みが楽しい。
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はるかかなた
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ハルノさんの漫画が好きだったので購入。執筆時期のせいか、彼女のパートはどこかチクチクとトゲのように引っ掛かる文章で、読んでいて辛かった。家族の形も独特だったのだなぁ。
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etsu
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ネタバレ最後は泣ける。亡くなって久しいが、吉本隆明のエッセイに対する、娘の文が絶妙。自分の親と曽祖父の世代の間くらいで、昭和初期?の東京の下町の様子が随所に書かれていて面白い。 あとがきにタイトルの由来が書いてあって納得した。
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Inzaghico (Etsuko Oshita)
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日経の夕刊に平松洋子が寄稿した記事で気になり、手にとった。 吉本隆明ってとっつきにくい印象だったのだが、このエッセイだとひたすら食にこだわる(笑)好々爺だ。80歳を過ぎても、食べる、食べる。この面倒を見ていたのが本書で挿絵と吉本亡きあとに追想を記した長女のハルノ宵子だ。下手をすると、ハルノの文章のほうが面白かったりする。 吉本の妻でありハルノの母も、なかなか豪胆な女性だった。料理が苦手でする気もなく、妊婦のときも、死ぬときも、酒と煙草をやめなかったという。
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鯖
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吉本さんが偏食なことはばななさんのエッセイで読んだ記憶があったのだけども、これほどとは。人は食べたもので形作られるのだなあと改めて。そして何よりも介護の主体を担ったハルノさん、ご両親の介護本当にお疲れ様でした。ハルノさんの絵自体、ものすごく久しぶりに見ることができてとても懐かしかった。
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ホークス
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吉本氏はちっとも知らないが、その最晩年の食のショートエッセイ。娘の回顧エッセイが掛け合い的で面白い。大正生まれで戦前の話も多く、老齢ゆえの夢見る様な描写、いきなり覚醒する感じも生々しい。焼き蓮根は初耳だがとても美味しそう。おから寿司は自分も苦手だが、親娘とも大嫌いなのがおかしい。阪神ファンである理由は、選手の雰囲気が「素質ある怠け者」の感じだからって表現が楽しい。特定チームのファンになるのは「呪い」だという話に納得。最後は記憶も怪しくなりネタも尽き、亡くなる所迄書かれている不思議なエッセイである。
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ユメ
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吉本隆明さんが記憶に残る食卓の風景について綴ったエッセイ。本書の肝は、その一編一編に、娘のハルノ宵子さんの追想が寄せられていることだ。父の思い出と娘の綺麗事ではない本音が交互に重ねられることによって、吉本家の食卓が立体的に浮かび上がる。ハルノさんの文章はばっさりと容赦なく、父が美化した実情を暴露し、父の老化を指摘する。だが、そこには隠しようのない父への愛情と哀惜の念が滲んでいた。あとがきでハルノさんが「この原稿を書くことで父の死に折り合いをつけられた」と述べているのを読んで、私まで安堵したほどだ。
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しましまこ
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ハルノ宵子さん買い。お父様の食にまつわるエッセイに、ハルノさんの楽しく時に切ないつっこみエッセイ、時々イラスト。ご飯で家族の姿が生き生きと。梅干しに味の素てんこ盛りも驚いたが、更なる驚愕はハルノさんのお母様、料理を作ることも、食べることも!全く愛せない人がいるなんて…
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じょり
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今年初め位に買ってやっと読了。食事についての回想録。父親のエッセイに娘がツッコミ訂正をする体の作品。家族だから共有している思い出に食事が大きく関わってるもんなんだねぇ。それにしても梅干しに味の素ってどんな味なんだろ。うちの実家じゃ味の素使ってなかったもんな。
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satoshi
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食べ物の記憶は空気と一緒に覚えている。家族って、そうだよね!とうなずく場面多数。
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楓
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晩年の吉本氏がdanchu誌によせたエッセイ。とある商店の開店休業のように、緩やかにつづけたいとした連載に、娘のハルノ宵子さんの追想で新たな光があたり、シャイな思想家の姿が浮かびあがります。
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Nobuyoshi
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娘(吉本多子)の父の料理を巡る思い出に追想を併記した本です。お父さんの料理の思い出や自慢話しに娘はある時は柔らかく追想し、ある時は容赦なく切り捨てる。父と娘の心暖まり、涙も誘う本でした。
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のん
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父の文章にどんなツッコミが入るのか。次を読んでいくのが楽しかった。
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別名七海
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初吉本氏。多分思想に関わる本は難しすぎて読めないと思われる。この本では無茶苦茶共感を覚える食欲モンスターぶりが面白くも哀しい。老いるということ、健やかな体を失うということ、そして死。嫌でもそれらが突きつけられる。ハルノ宵子さんのパートでは、その逆側から見た状況をカラッと描いていて、救われた。肝がすわってる。良いことも悪いことも、ユーモアを交えて書けるって凄いことだと思う。どんな些細なことでも思考は自由だ。
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あ
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食は個人に帰する。この場合は家族だが、それぞれの生き方に深く関わる。それが甘くても不味くても。いや、不味いくらいが、いっそトンでもないものの方が、その家を表しているのかもしれない。飄々とした父の記述を長女が突っ込み入れるスタイルは微笑ましくもあり、ちょっと哀しい。老衰の果てならでは、静かな悲しさもある。
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散歩中
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最晩年の吉本隆明さんの食べ物にまつわる幼少からの思い出話で、1話毎に長女のマンガ家が書いた家族の内輪話がついてたいへん読みやすいです。世間一般の食いしん坊のおじいさんと父を思う娘たち(ばななさんは次女)の温かい様子がよくわかり、しみじみとしたところもあります。
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ほしくま
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吉本ばなな氏のファンなので、興味がわいて読んでみました。隆明氏は本当に食べることが好きだったんですね・・・ひしひしと伝わります。ああ、ばなな氏と本当に親子なんだな、と思って面白く読みました。ハルノ氏のツッコミをかねた文章も、かけあいのようになっていて楽しい。ばなな氏の目を通してしか知らなかった両者を、あらためて知ったような気持ちになった。それにしてもハイカロリーコロッケ…すごく美味しそうです。生クリームたっぷりとか凄い…
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椿 釦
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吉本隆明の代表作や難しい本を完読したことはないけれど、対談本を読んだりして、かわいい人だな、と恐れ多くも思っていた。この本もところどころやはりかわいいな、と思いながら読んだ。そして、食エッセイでも、氏の、思考を止めないという真摯な姿勢が伝わってきて、ちゃんと著作を読んだ事がないにも関わらず、好きだなぁ、と思わずにはいられない。吉本家のエッセイやら何やら読むたびに、東京もローカルであるという当たり前の事に気付かされる。ハルノ宵子の突っ込みをかねたエッセイも本当に素晴らしい。
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