形式:文庫
出版社:講談社
◆「(注:動員が)〝解除された日〟も調べればわかる。ただ、「N高等女学校報国隊」への解除通達、あるいは解除式はあったのか。私が解除するという形式を知ったのは、報告書を読んでからである。それも十年前には、解除の意味すら理解していなかったような気がする。再読して居心地の悪さを覚えるなどとは、うかつもいいところである。私たち学徒は勅令によって、あるいは国によって、あるいは当時の文部大臣、文部次官、あるいは農林省や、厚生省、さらには地方長官などの名によって、工場や農村へ動員されたのである。(続)
解除があって当り前である。しかし私は今日まで、解除、解散式の手続きを踏まずに生きてきた。いまだに動員学徒の身分を引きずって、生きている理屈になる。居心地が悪いのは、切れていない身分に気がついたからである。(表題作、pp.79-80)」◆国が戦争をすれば畢竟、個人が使い捨てとなり、誰にもわからない形で死なされる、その恐ろしさ、やるせなさ。◆しかし作品としては他と合わせてトータルの物語世界として見れば本二作や「祭りの場」もいいが、やはり一作の完成度としては『ギヤマン ビードロ』中の一篇がよいと思う。
タイムリーな読書をされてますね。 戦争で亡くなった方々に、心よりご冥福をお祈り申し上げます。またそのご遺族の方々にお悔やみを申し上げます。 市太郎さん、読書ペース早えーーー(笑)
ぼむ☆さん、たまにはやってみようと思いまして。特に今月は読書以外はやることが無いはずだったのですが、犬だのなんだのとありました(*^^*)そのわりには読めてるのでとりあえず良い感じと思います。
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