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地名の謎を解く: 隠された「日本の古層」 (新潮選書)

感想・レビュー
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tamami
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初読以来積ん読状態になっていた本書を、読友さんの紹介で再び手に取る。「地名」は、非常に身近な存在でありながら、ルーツを掘り起こせば、列島に人が住み始めて以来の歴史を持つものもあるという。本書は、現代の地名が置かれた混乱ぶりを示しながら、その歴史的民俗的言語的側面に光を当て、地名に秘められた日本文化の歴史を概観する。始めは音声のみで現された地名が、文字、殊に漢字と出会う中で多様な変遷を遂げてきた事例や、地名が時代の政治勢力や行政に翻弄されてきた実態を記すなど、地名を学ぶ事の面白さ、奥深さを味わわせてくれる。
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たかぴ
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らいふ・いんできす「生命の指標」その土地が生み出してきた生命、それに寄り添い生活をしてきた人類は地名という形で制御しようとしてきたとも言えるか。地名の森は想像以上に深く険しい。
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のぶさん
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珍しい地名を紹介する本かと思えばさにあらず。最近行われた歴史的地名の消失を嘆くところから始まる。それは今に始まったことではなく、明治維新の革命の一環として近代地名が創設され歴史的地名が失われた。さらには歴史時代の初期にそれまでの地名(縄文以来の地名)が改変された。縄文文化がどういうものであったか、その中で自然と対話するために土地に名前を付けたことが地名の始まりであり、自然と対話しなくなった歴史時代以降(当然現代も)では意味が分からなくなってしまっているケースも多いと説く。スケールが大きく、面白かった。
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ももんが
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律令制からの土地の名付け、合併による地名変更、「故事付け」など興味深い部分もたくさんありますが、他文献の引用だらけなのと、筆者の主観による論理展開が強く感じられ、時折出てくるフィールドワークという言葉にも戸惑いを感じてしまいました。フィールドワークとは現地に赴いて資料や史料を採取したり人々に尋ねたり直接観察することだと思うのですが、筆者はそれをなさっているのでしょうか。サブタイトルのほうがこの書籍の主題に適していると思います。
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あきら
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日本における地名の由来を紐解き、そのルーツを解明しようとする一冊。地名の付き方は多様で、最初の方は地名の由来にはどんなものがあるのか、そして段々その歴史について語っていく。古くは縄文や弥生時代から当時の背景が元となっている地名もあり、そのネーミングの深さには驚かされた。日本特有のカミなる大地と人との交渉の記録が地名となり、それはある種のアミニズムである。筆者同様、その深さを知ると最近付けられた安直なネーミングに覚えやすさなどの理解は示すものの、やはり物足りなさ、物寂しさは感じてしまう。
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ムーミン2号
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タイトルと内容とは一致していない。副題の「隠された「日本の古層」」の方が内容をわりと示している。要するに「地名」のルーツを探るには<隠された>「日本の古層」にまで辿っていかないとちょいと難しいかな、ということなのだ。しかし「古層」はどのあたりを指すのかは、本書によれば縄文時代ということになる。まだ文字がなかった時代だ。従って、文字が残されている文献から探っていくことが必要で、例えば「枕詞」などを参照していかなければ・・・というところで実は終わっていて、それは今後に任されているようだ。
ムーミン2号

もう少し詳しくはこちらを・・・https://www.honzuki.jp/book/253618/review/269827/ ニャンとなく中途半端な感じが拭えないが、引用・紹介された文献の数々は面白そうで読んでみたい(難しそうでもあるが)。そういったいろんな方面の文献が知れたことが一番の収穫???

12/02 23:17
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jyunia
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縄文時代から続く歴史を言葉の地層を読み解いたり、古代律令の好字二字令で翻弄された地名表記など1300年前の線引きが現代にも影響、明治政府の大合併などなど、一筋縄ではいかない地名解読。 日本人は何処から来たのか等の解説なども楽しく読ませていただきました。
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梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
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▼地名の由来についての「考え方」を考察しつつ、各地の地名を分析している。▼日本語の起源の謎、上代日本語、DNAから見た日本列島の人々…こういった事柄にまで思いを致しつつ、地名形成の歴史について考えている。▼記紀編纂以前の昔から畏れの対象とされてきたアニミズム的な神々と人々との往還から形作られた心性が、地名に染み込んでいると著者は語る。▼この本が示す考え方をもとに、身近な地名に保存された「先人の記憶」について考えを巡らせてみると、案外、正しい由来にたどり着くことができるかもわからない。
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fu_nyahnya
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なんとなく散漫とした感じもするけれど、面白かった!伝統とか文化とか古くからの風習とか言われる事に対して、「いつからの伝統よ」とか「ちょっと前の最近のことでしょ」と思う事がよくある。それを気持ちよく指摘してくれていて、心地いい。だけど、縄文まで遡るのかあ。それだけ、人の営みは継続的であってどこかで線を引くのが難しいって事なのかなあと思った。
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雲をみるひと
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主に縄文人の語彙と現在の地名の関係を考察した内容。記紀の解説や古代の漢字の置き換え、明治期の市町村合併といった地名変遷の影響などが丁寧に書かれていてわかりやすい。巻末の地名の分類表もよい。良本だと思う。
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ふら〜
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本土の地名に隠された意味を読み解いていく随筆。歴史を感じることが出来るのは面白い。
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bapaksejahtera
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誰もが関心を持つ「地名」だが、定着した地名でさえ案外近い過去に時の権力や行政の都合で改変された事実が知らされる。近時は自治体や住民によるキラキラネームに目眩ましをされる。それらを排除して古層に行き着くとしても、混沌とした世界に迷うほかはない。著者は地形に関する古くからの語彙を例に上げ、その多様な地方差を示す。表題とは裏腹に真の古層は極めて多層多様な世界である。本書も地名本の例にもれず、体系的というよりも散文的な叙述にならざるを得ない。しかし問題の周辺に横たわる様々なバイアスの提示には成功していると思う。
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naginoha
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野暮用にて地名を調べる必要が生じ図書館から借りた。借りてから気づいたが、何と再読。 読んだら興味深い本だけど、今回の野暮用にはあまり参考にならず。以下記録。「はた」前読と同様。
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まちこ
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「地名の森」に分け入るのは容易なことではなく、様々な段階の壁が立ちはだかる。近くは1962年の住居表示に関する法律や、当用漢字による表記の簡素化。その前は明治政府による府県統合と町村大合併に伴う古地名の消失。更にその前713年好字二字令によって地名は無理やり縮められ、701年大宝律令は支配下の地名とそれに伴う物語の全把握にかかる。江戸が東京に変わったことを市村弘正は「地名は固有性を放棄し、物語性を失いつくしている」と言った。地名とは物語であり、その土地の精神そのものであって、その連続性は常に危機にある。
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MJ
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地名の起源は信仰と深い関係にある。地名の謎解きにせまるため、日本人の起源、神話、日本の国の成り立ちなど、ゆらりゆらりと歴史を辿っていく。地名というテーマがあるため、どっぷりと横道に逸れていくことはないけれど、この本を導入に様々な分野に興味を持つきっかけになった。参考文献の「人類史の中の定住革命」を読んでみたい。読んでいて、話の引き出しのとても多い人と会話しているようだった。
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Eddie
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地名は国の宝であるべきものですが、著者の言うようにキラキラ化してきてるのは残念。 古代の人々が呼んだ地名がいつか解き明かされる日が来てほしいものです。
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しろきいろ
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図書館。縄文時代の言語について興味がわいたため読んだ。地名の名付けの森の奥深さがよくわかる。況やいきあたりばったりで意味の断絶も当たり前に起こる。地名から日本人の古層(の古層とも言えるかも)へ様々な文献から手がかりを得て迫るのがとてもわくわくした。文献が横断的なぶんそれぞれの要約がわかりやすく読んだことないのにわかった気になれる。むかし難解すぎて数分で挫折した折口信夫にも再挑戦しようかな…まだ早いかな…
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χ
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地名と無関係な歴史話が大半。それでも地名で知らなかったことがあったのは収穫。以下羅列。二字がよいとされ車から群馬になった、泉→和泉、津→摂津、東日本では谷をや、西日本ではたにと読む、飛ぶ鳥の明日香、春日のかすがといった枕詞が地名の漢字になった。難読地名は為政者の勝手やアクロバティックな思考の賜物らしい
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dayoon
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地名とは何だったか。謎になった理由について、土地を管理するための明治の市町村制施行はの過程で多くの地名がその根を絶たれてしまう様から遡り、律令制の過程で「美名」をつけよという指示があったことから、その由緒との関係が見えなくなっていったという。さらに時代を遡り、地名の根源を、縄文期の定住によって生じた日々の暮らしを脅かす存在である周辺の場所を鎮める思いが籠ったもの、と描き出す。地名をキーワードにして、古の人々の自然との向き合い方を浮き彫りにしていくさまが面白い
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Megumi  Hirayama
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名前、名付けに対する思い入れが強すぎて、マジメなんだけど学術論文にはなれない。「名付けの森」の奥深くに踏み入った著者が、日本語のなりたちを遡り、縄文時代にまでおもいをはせる。日本列島の地形に由来する古い地名、由緒があると思ったら実は明治維新の後に無理矢理行政からつけられた地名、ヤマト政権が先住民から奪い取った地名の伝説など。面白く読み終えた。付録の難読地名、何度みても覚えられない。やまとはくにのまほろば、奈良の由緒ある地名をもっと訪れてみたい。
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きょん
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日本が日本になる前からあったことば、信仰、人の営み。地名として現代まで伝わってきたもの。面白かった。
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makio37
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確かにキラキラした地名が増えてきた。そして考えれば「東京」こそが、カミなる大地と人との交渉が記録されたものではない、記号化された地名である。明治時代の地名改称から古代律令国家の好字使用令とさかのぼり、著者はついに縄文人の定住革命までたどり着く。古代びとにとって地名は「そこに込められた「まこと」がなにかはわからないけれど、保持していかなければならない、ということだけはわかっている」ものだったと。雑学的内容が多くまとまりに欠けるが、参考にはなった。
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おさと
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興味深く読みました。土地と自分と神々と。
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takao
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もう少し緻密な分析かと思った。
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kurumi
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面白かった!平成の大合併以前からすでに地名は変えられてるが、縄文の時代からの地名も少なからずある。日本人のルーツは様々な文化圏からの融合だとDNAで確かめられ、八百万の神の国である説明がついた。最後の方は少々難しかったですが。
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onepei
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語るだけ語って肩透かしの感。
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Junko Yamamoto
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やはり日本の深層には縄文時代があるのか。谷をヤとする地名、タニと読む地名かが東西で別れるなど、面白い。
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