やはりガンダム目当ての読者が多いようで。安彦氏的には「人と人とはわかり合えない(そのうえでどう進むのか)」というテーマであるのに、時代が下がると(特に二次創作的な作品は)キュピーンで通じあっちゃうよね。
しかし『ガンダム』も時代を作り歴史を作ったことで古典になってしまったのだ。安彦氏も然り。マンガ家としての知名度がいまひとつなのも そのあたり関係あるだろな。(テーマもあるけど)
もう一人ついでにディスらせてくれ(爆)。オレがアンチ宮崎駿だというのは、一部の昵懇のレビュアーの方々はご存知だけど、中学生の頃は大ファンだった宮崎駿を、その後の自分がなぜ嫌悪するほどになったかというと、彼はいつの頃からか作品の中でカッコつけようとするようになってしまった。具体的にはミリタリーおたくのくせに「でもボクは反戦主義ですよ」というエクスキューズをしきりにしようとする。これが無性に鼻につく。別に、ミリタリーが好きだからって本当に戦争起こったらいいと思っている人なんて一人もいないと思うんだよね。
安彦さんの「日本近代史」シリーズは「なぜ日本は戦争に雪崩込んで行ってしまったのか」を問いかけている漫画で、我々が同じ過ちを繰り返さないように、そこをちゃんと考察しよう、というテーマの作品な訳です。でも宮崎駿って「ボクは反戦、ボクは反戦」と自分アピールばかりで、戦争を描く同業者の作品を「くだらない」と悪口言ってばかりで、要するに自分一人がご立派な人間だ、みたいなポーズばっかりなんです。でも安彦さんは、自分がどうのみたいな事は主張しない。みんなで考えよう、って言ってるんです。そこが大きな違いだよね。【了】
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます