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本能寺の変 (講談社学術文庫 2556)

感想・レビュー
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JonesDaI
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歴史の勉強など高校を卒業してから全然できていないのが恥ずかしいが、こういう本を見るとやはり好奇心がうずく。以前仕事で言った福山に鞆幕府なるものが存在すると聞いて驚いた。本能寺の変といえば「革新的だが暴力的な織田信長に理不尽な扱いをされた明智光秀が謀反を起こした」事件だと思っていたが、どうやら最近では色々なところが改められているらしいということが分かった。戦国時代と言えば群雄割拠からの信長、秀吉、家康くらいの流れしか分かっていなかったが、実は足利義昭というか室町幕府が裏で影響力をお呼びしていたことを学んだ。
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グランくん
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本能寺の変に関する、歴史研究家の藤田達生の評伝。 信長が目指した「構造改革」に対する将軍足利義昭を中心とした「守旧派」の対立から読み解いておられます。 また、その後天下を取った秀吉の水攻めから、山崎の変での働きに関しても迫っております。
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marukuso
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麒麟がくるでは描かれてなかったけど、思った以上に足利義昭は狡猾で政治力があった人のようだ。鞆幕府のことが描かれていて、中世末期の様相がよくわかるし、織田信長の革新性もよくわかった。
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shinko0925
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足利義昭が京都を追われ、室町幕府が滅亡した、のではなく、鞆の浦から引き続き影響力を発揮していた点。なぜ信長ってこんなに敵が多かったんだろう?(嫌われていたんだろう?)の素朴な疑問に対するひとつの解かもしれないと思いました。義昭の影響力が明智光秀と本能寺の変に繋がったのかどうか。当時の情勢を踏まえれば、教科書で習った光秀の怨念による突発的単独犯の線は、かなり薄い気がします。謎は深まるばかりです。
鬼山とんぼ

信長の父は織田の分家だったが商業利得の多い尾張の地の利を得て勢力を伸ばし(斎藤道三も似たタイプ)、信長自身はそれを発展させ、トップダウンの意思決定と信賞必罰によりよい家来と軍備を備えることが出来た。迅速な軍事行動はその結果でしょう。しかし伝統的な農業依存の既存勢力(足利将軍家や天皇など)や土着武豪重視のやり方とは相容れず、敵も多かった。突然の四国攻めと国替えで、面子も領土も失うことになった光秀が、縁故筋の応援を確信して信長誅殺に決起したという可能性が一番強い気がします。イエズス会との関係も重要です。

04/21 23:38
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うしうし
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講談社現代新書(2003年)『謎とき本能寺の変』を2019年に講談社学術文庫に収録したもの。『謎とき本能寺の変』はかなり昔に読んだ記憶があるが、読メに登録していなかったので、学術文庫採録を機に本書を購入し、再読した。「足利義昭が本能寺の変に中心的役割を果たした」(p168)とする、いわゆる「義昭黒幕説」の代表的な著作である。藤田センセの説は学界のみならず、一般読者からの評判も悪く、アマゾンや読メでも感情的ともいえる評価が目立つが、研究史上に研究者としての一定の立場を占めるものであることは間違いない。
うしうし

黒幕説」については、①変直後に土橋重治が雑賀へ復帰し、反信長勢力となる「6月12日付け土橋重治あて光秀書状」(p100)について、その背後に義昭の命令があったこと、②大村由己『コレ任退治記』にみえる「公儀」を義昭と解釈すること(p103~104)、③「6月13日付け乃美宗勝あて義昭御内書」の「信長を討ち果たすうえは」の記述を重視すること(p139)などが、大きな根拠となっていることを確認した。これらについては、著者とは見解を異にする研究者が反論を展開していたと思うので、今後さらに確認していきたい。

02/21 22:11
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kawa
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本能寺の変について、幕府(義昭)黒幕説を説く。史料を読み解く記述で学術的傾向が強い。素人読者には直ちの判断は難しいが「四国説・明智光秀と羽柴秀吉との派閥抗争・鞆幕府論の三層構造から議論を展開」(ウイキペデイア)しているところなどは、なるほどと興味深かった(194頁の図表が解りやすい)。他にも信長の天下統一直前での、近衆・一門の近国掌握(近畿地方配置)と重臣の整理・最前線配置計画という世代交代政策も印象的。これを実行されたら功労のあった重臣は焦るよね。
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niwanoagata
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相変わらずの小説 派閥力学に関しては悪くないと思うが、何かにつけて義昭を登場させるし、資料も自説に都合のいいように読んでいる 他の研究者の批判を一切自説が成立している前提で反論しているため、内容が薄すぎる 一応藤田さんも研究者なので論の途中過程はまだマシだが、その結論の部分がすべて妄想で、都合のいいように解釈し、その可能性が高いとか、そう考えなければならないとか意味不明 なんでここまで義昭黒幕説にこだわるのか謎。 1つ反論すると石谷頼辰は元親の説得のため土佐にいたので、光秀に謀反を勧める意味がわからない。
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ジュンジュン
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ネタバレ子供の頃読んだ「まんが日本の歴史」みたいな本で、信長に面罵されて犯行に及んだという話だったと思う。それから考えると、現在の到達点はまさに雲泥の差。信長の中世的価値の否定、秀吉との出世争い、四国の主導権争いが絡み合って…まるでミステリー小説を読んでるみたい。
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Yoshito♐
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何年か前に、四国で明智光秀の書状が発見されて云々というニュースを見たのを覚えていて、それから本能寺の変については明智単独犯ではなく、幕府再興の動きではないかと疑っていた。。。今年は大河で明智光秀がフューチャーされるとあって、これを読んでみた。まさに自分の妄想(笑)が裏付けられていて驚いた。ドラマ的に見ても、単に個人的怨恨だけにその理由を求めるより数段スケールが大きくて劇的。日本史好きには面白い著。
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ふたば@不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のバランスが大切だ⚖
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本能寺の変は、権力の座を守ろうとする義昭が、信長の野望に危機感を覚えた光秀を抱き込んで起こした、クーデターである、と説明する。信長という傑物を打ち取ろうというときに、如何に文武に優れた光秀といえども、大きなバックがなければどうにもならない、と考えるのが道理。気持ちよく納得できる説明だった。周到に準備し、満を持して決行に及んだが、秀吉のほうが何枚も上手だったということか。秀吉黒幕説もあるようだが、義昭黒幕説のほうが説得力があるように感じた。
ぽんくまそ

本能寺の変では昔NHKで徳川家康黒幕説をやったことがあって、僕はこれが真相だと思っています。徳川が織田に屈従(そのため優秀な嫡子信康と妻までを殺しています)に近い同盟を続けていたのは武田の脅威があったからで、武田が滅びた1582年の時点で信長のいいなりになる理由がなくなったからというのです。穴山梅雪は落ち武者狩りで殺されたのではなく、家康が殺したのではないでしょうか。家康は武田に脅かされまくりつつ武田の良いところを誰よりもリスペクトしていたので。伊賀越えも誰かに襲われたわけではありません。

01/28 22:00
ふたば@不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のバランスが大切だ⚖

なるほど、いろいろな見方があります。家康黒幕説も長く語り継がれる説で、納得できる部分もあると思います。 しかし、家康が主犯であるとすると、その後の展開が少し納得いかないような気がします。家康は短期ではありますが、その短所を十分に踏まえて、周到に計画する能力を持っていました。秀吉にここまで、出し抜かれたのは少し納得いきません。もちろん、秀吉が上手だったということかもしれませんが。信康については、ともかく、築山殿との関係も動機として薄いと思う点です。いろいろな考え方を聞いて、さらに検討してみたいところですね。

01/28 22:19
3件のコメントを全て見る
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ペンギン伊予守
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一次史料を読み解くことの醍醐味
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ウルトラニート
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「本能寺の変は足利義昭と明智光秀が周到に準備したクーデターだった。もしも秀吉の中国返しがなかったらクーデターは成功して室町幕府が続いていたかもしれない―」この説に反論の余地はあるだろうか? 史料に基づいて緻密に構築した論理の迫力。この迫力は歴史小説には出せない。小説ではなくて、歴史そのものの面白さをおしえてくれる本だった。
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ふぃすか
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あれ、もうこれが答えでよくない?と途中で思う。 この先私の中ではこれがスタンダードな説になりそう。資料をきちんと提示してくれるので説得力があります。なるほどこれならしっくり来るな…と思ったのは初めてかも。義昭と幕府のもつポテンシャルが信長中心史観によって過小評価されてるから話がよくわからなくなってるってことか。まだ十分な求心力を持っていたのであれば、そちらに付くものがいてもおかしくない。まぁどっちにせよ計算を超えてきた秀吉の一人勝ちだったけどね…。
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KAN
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ネタバレ光秀もの、来年の大河に向けて新刊本が書店に並ぶのが目に付くようになった。文庫本ということでそれなりにこなれているのだろうと思い、読んでみた。自分の光秀観は明智憲三郎から入ったので、その観点から読んでしまうのは仕方ないが、本書は最新の史料も反映しながら「鞆幕府」による足利幕府再興の流れが確実にあったること、本能寺は決して「思いつき」とか、「無謀」なものではないこと、秀吉の動きが予想外であったことが結果として滅ぼされ、多くの事実が隠されたこと。歴史を読み解くのは難しくもあり、面白さでもある。
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hr
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明智が本能寺の後すぐ大坂へ兵を押し出していたら、と思うと、人の行為の繋がりの結果などは偶然に過ぎないと思える。足利義昭の周囲の様子がよく分かって面白かった。
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YAMADA6
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光秀は、三好氏排除の先鋒となり、丹波を平定し、長宗我部氏の四国統一を支援する外交官として近畿・四国に影響力を持つ地位を確立した。しかし、信長は天下統一後を視野に、重臣層に国替を強制する一方、一門・近習を近畿に配置する方針を立てる。四国への信孝の起用と毛利氏攻略で三好水軍に近づいた秀吉の働きかけにより、信長は長宗我部氏に讃岐阿波を三好氏に譲るよう指示、淡路阿波を攻撃した。この段階で光秀は秀吉との派閥抗争に負けたのである。備後国鞆の浦で幕政を敷く足利義昭の権威と帰洛の執念も健在、ここに本能寺の変が結びつく。
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パトラッシュ
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織田家中の派閥抗争に敗れた明智光秀。鞆の浦から遠くない備中高松城まで秀吉軍が迫っていた足利義昭。信長の政策変更で追いつめられた長宗我部元親。この三者が奇跡的に結びついたのが本能寺だったとは。しかも明言していないが、信長から譲位と安土行幸を迫られていた朝廷が暗黙の了解を与えていたと著者は推測する。天正十年の日本は、ル・カレのスパイ小説も顔負けの陰謀と思惑の錯綜する世界だと痛感させられる。こうした状況下では誰にも想像できない決断と実行をなし得た者が勝つ。中国大返しを成し遂げた秀吉が最終勝者となったのは当然か。
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ぜんこう
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いろんな書状や資料をもとに本能寺の変を論考されてます。ドラマなどでは個人的な恨みとか、僕自身もそんなふうに思っていたのですが、足利義昭の信長包囲網も関係してたとか。義昭の影響力って都落ちしてからも将軍としての権力を維持してたんですね。これを大河ドラマにでも仕立てたら今のオリンピック物より視聴率取れるかも(^^;) それにしても秀吉の大返しが変の後に大きな逆転劇を生んだのは動かしがたいようですね。
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鬼山とんぼ
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最近発見された資料も踏まえ、明智光秀の置かれた状況(信長側近として秀吉に対する圧倒的劣位、迫る領地の没収、四国攻めで親密な親戚筋である長曾我部が滅亡の危機)を一挙に打開する方策として本能寺の変が実行された事情を克明に解説している。背後にぬえのように変化する朝廷派の近衛前久の暗躍もあった。足利義昭は政変後の旗頭として不可欠なため大事にはするが、軍事面で重要なパーツとは見えない。少なくとも自ら天下取りを狙ったという単独犯行説は明確に否定されており、「応仁の乱」などで有名になった呉座勇一さんがどう反論するかな。
パトラッシュ

来年の大河ドラマでの光秀叛逆動機に注目! 監修の小和田先生がどうするだろう。

08/14 23:52
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キック
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ネタバレ足利義昭が本能寺の変の黒幕という結論に合わせ、都合の良い史料を都合良く解釈して証拠固めを行うという作業を行っていて、何だか主張が正しいような錯覚に陥らせる本でした。ただ藤田氏が主張するように光秀が変の前に多方面に協力を働きかけていたとしたら、必ずボロが出ていたでしょうし、そもそも義昭が黒幕なのに、毛利氏が光秀の謀反を知らないという矛盾は全くスルー。とにかく詐欺的な内容で、学者のくせに歴史を玩具にするなと言いたいです。一方、本能寺の変後の羽柴秀吉等の動きの考察については一読の価値はあると思いました。
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すいか
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来年の大河ドラマの予習になりました。
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