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明日は生きてないかもしれない…という自由―私、76歳 こだわりも諦めも力にして、生きてきた。

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katoyann
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ウーマンリブを牽引した代表的な人物による論稿集。幼児期に性的虐待を受けた過去や学生運動をサポートする中で女性に求められる役割の抑圧性について考えたことをまとめている。嫌いな男性から触られたくないというシンプルな主張から、女性にバージニティを求める一方で、自らは性風俗に通うという男性の身勝手な性規範まで縦横無尽に論じてみせる。中絶の権利を阻害しようとしたのは「生長の家」関連の政治家や活動家だと書かれてあり、日本のリブを知る上で貴重な一冊である。経済効率を重視するのは男性中心主義だという指摘も鋭い。
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テツ
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この手の活動家の方はあまり好きではないのだけれど、田中美津さんだけは例外的に好きだ。「いやな男なんかに、もちろんお尻を触られたくない。でも好きな男が触りたいと思うお尻は欲しい。これが「ここにいる女」というものだ」 そうだ。女体からの解放だの、女権拡大だの、そんなものじゃない。私は私のまま在りたい。化粧も肉欲も愛情も、自分の望むがままに貪りたいだけ。それを邪魔するものを許せないだけ。アカデミズムに塗りたくられた知性的な現代的フェミニズムからは全く感じない、個人の奥底から湧き出る欲求に魅せられてしまう。
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takao
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ふむ
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今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
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なぜか著者には昔から伊藤比呂美と近しいものを感じてしまうのだけど。ベ平連なるものがまだ息たえていなかった頃、うっかりその空気を吸ってしまった。権力の理不尽さと戦うという点で反戦とフェミニズムは同志だった。著者はその時代(どの?)のいわばアイコンであった。昨今のオシャンティな東洋医学に著者の鍼の技術はそぐわないのか、意外な程需要がないように思う。声を上げるのは我慢しきれなくなるくらい抑圧搾取がひどくなったということ。おかしいと思う気持ちは忘れないように、先達の声には耳を傾け続けなくてはならない。
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GX
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「生きていく上で大事なこと、食いっぱぐれないこと、自分以上のものにも、それ以外のものにもなろうとしないこと、ゆるむこと」。「☓は○に、○は☓に」。ウーマン・リブのことは、かすかに記憶にあるのですが、当事者からの、お話しがとても興味深かかったです。
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魔魔男爵
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ネタバレ名文引用:「たぶん、ものごとをだめにしちまうのはセックスなのさ」(『罪深き誘惑のマンボ』ジョー・R・ランズデール)って、当たらずとも遠からずなのかもね。だめにしちまわなくても、物事を面倒なものにしがちだから。:50過ぎて性欲もなくなり悟りを開いたような田中先生の痛快エセイ。マクロ視点、トップダウン思考しか出来ない東大卒の偉いフェミニズム学者をコケおろしております。上野先生ではなくて、小熊英二という小物だが、本しか読まない東大の先生の頓珍漢な分析はほんと嗤える。頬を撫でる風が暖かいなら幸福ざんすよ。
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ネギっ子gen
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田中美津、この名を若い人にも知って欲しい。「はじめに」から。<「嫌な男からお尻を触られたくない私」と、「好きな男が触りたいと思うお尻が欲しい私」。「触れられたくない」は女共有の怒りだったから運動の大義となった。それに対し、「触られたい」の方は、いわば個人の欲望。大義と欲望――その二つは同じくらい大事。そう思う女たちが、私と共に立ち上がった。それがウーマンリブと呼ばれる運動であり、その新しさだった。大義と欲望の両方を肯定するから、時にそのあいだで取り乱してしまう>と。この書き方に取り乱れた♂は、深く共鳴。⇒
ネギっ子gen

ご反応、うれしいです。<軽やかな姿勢>その通りですね。この著者は、ずーっと。取り乱しながらも。この本の副題「こだわりも諦めも力にして、生きてきた 私 76歳」って、ステキですよね。映画「この星は、私の星じゃない」まだ見ていません。ぜひ見たいです。/さて。これから暑くならないうちに、魚を買いに行きます。〆鯖や鯖の麹漬けなど。それと、鮪のアラも買ってアラ煮に。冬なら、葱鮪鍋なんですが。

08/30 09:18
ネギっ子gen

ゆうたくさん、<女なるものではなく個々の状況や欲望があり、何が正解と言えない中で自分のフェミニズムを選ばなくてはならないのは現代でも同じか>というのは、確かにその通りですね。TERFにしても、厄介ですねぇ。ハリー・ポッター作者も、この関連の発言で、ポッターファンを困惑させておりますし……。ところで、わたしがフェミニズム本を熱心に読んだのは、今から20年前のことです。(私に比べて)若いあなたの刺激を受け、これからは、今現在の動きを再学習するつもりです。今後とも宜しくご指南願います。m(__)m

08/30 13:58
7件のコメントを全て見る
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のせなーだ
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読んでいて、アカデミックな世界、机上の空論とかいう雲が弱々しく空中からフェイドアウトしていく、頭と口だけでその下がない人々からの多すぎる言葉があり続ける。それに対して読んでいて著者の肉体を感じる、両足が見える。やはり体を張った体験から生まれてきた言葉は重量がある。はるかに自由になって、ネット時代、グローバルな世界と言われるほど今、人間は軽く薄く無責任になってきたな。活動家が踊っている姿は生命力にあふれている。生きているって感じ一杯だわ。
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REI
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読友さんの熱いレビューに惹かれ、図書館で借りた。もう20年以上前に、新宿の朝日カルチャーで開かれた美津さんの講演会に参加したことがある。鍼灸師として、自分の身体と心を大切にすることの大事さを話してくださった。小柄な身体なのにものすごくパワーにあふれた人だなあ、という印象だったけど、それは今も同じ。この本は2019年11月発行。今なら題名の「明日は生きてないかもしれない」という言葉が、より現実味を帯びて迫ってくる。わかっているのは「今生きていること」だけ。明日はわからない。こんなふうに軽やかに生きたいな。
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miunac
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フェミニズムの本を読んでると、狭いなあと思う。結局自己満足自己弁護自己陶酔。言い訳。そんなフェミニズムの本にフェミニズムの人が難癖つけている。学問/思想としてのフェミニズムは袋小路に入ってると私は思う。そんな中発見したのが田中美津。フェミニズムが乗り越えた(と思い込んでる)ウーマンリブの活動家。フェミニズムが終わってるなら、それ以前のリブを検討し直すのもありではないか。肩肘張ったフェミニズムより田中美津のリブの方が楽しそう。巻末近くにある『小熊英二『1968』を嗤う』は圧巻。
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とよぽん
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読んで本当に良かった。田中美津さんのお名前は知っていたが、こんなに自分に正直に生きてこられた方とは・・・。付箋を何枚も貼りながらの読書。冒頭、「女らしさを生きることは、私を生きることにはならない」と言い切る。また、自由とは「自分以外の何者にもなりたくないという思い」と言い切る。激動の1970年代、ウーマン・リブの運動に参加した後、体調不良を改善するために鍼灸を学び開業して、現在に至る。鍼灸治療の合間に、執筆したり講演したり。そのしなやかな自由な生き方、考え方に心底共感した。
REI

もう20年以上前になるかな、美津さんが『いのちのイメージトレーニング』を出版された頃に、新宿の朝日カルチャーセンターで開かれた美津さんの講演会に参加した事があります。小柄な身体なのに、ものすごくパワーに溢れた人だなぁ、という印象。自分の身体と心を大切にすることの大事さを教わった気がします。この本も読んでみたいです。

03/16 20:21
とよぽん

REIさん、田中美津さんの講演を聞かれたとは、うらやましいです。この本には、美津さんという一人の女性の「素」の半生が語られていました。ぜひ読んでみてください。

03/17 18:45
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星辺気楽
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ウーマンリブの先駆けのかたの自叙伝。一生をかけての「自由」の苦しみを考える。
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