形式:コミック
出版社:講談社
「人がまだ見ることができない」:本巻はこちらの話の問題設定が素晴らしいと感じた。近未来シリーズ第2弾、なお第1弾は11巻所収とのことでまた読み返そうと思う。「AI搭載ロボットが暴走を始める謎」という導入でアシモフのロボットSFをちょっと連想したけど、物語はまるで違う角度から鋭い問いを投げかける。人工知能に人格は認められるのか、電源を落とす行為は殺害行為なのか。技術革新の果てに人類がいずれ辿り着く難題を先取りし、この作品なりの解答を示す。本話での裁定は、なるほど人間の裁判官にしか出せないかもしれないと唸る。
「その世界」ゲストキャラの名前の共通点が数詞と雨冠、というのは霧島千鳥弁護士の血縁関係をカモフラージュするためのギミックの一つだったんだろうか。読み飛ばして戻ってきた身なのでこの先にも弁護士として出番があることは承知しているのだが、しかし彼女はこの先、遺産問題が絡む事件でたびたび招聘されることになる(なった)んだろうか(笑)
そう云えば旧シリーズにも『ヤコブの階段』という傑作があったなあ、と。ところでタイトルは『人間の手がまだ触れない』に由来するのだろうか。
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます