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伊藤晴雨自画自伝

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gtn
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絵師晴雨の自叙伝及び関係者の追想集。若干手ほどきは受けたものの、ほぼ独学であれほど精緻かつ官能的な絵をものにするとは。奇人、洒脱ぶっていながら、陰の辛苦があったことは間違いない。
0255文字
駄目男
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挿絵画家だった伊藤晴雨という人については、今日、殆ど知られていない。鏑木清方と泉鏡花、木村荘八と永井荷風の名コンビのように、互いに刺激し合い、世に出る傑作を産みだすほどの相方に恵まれなかったということもあるが、清方、荘八のように公的な展覧会には一切興味がなく、芝居や風俗研究に、更には責め絵にと嗜好の範囲が広がり一層沈潜していってしまったのが原因と思われる。責め絵とは「SM」のことで、縛られ苦痛に歪む女の表情などを見るのが、殊の外好きだったということだろうか。縛るのは一般女性ばかりではなく、。
駄目男

当時としてはそれもありか。お葉の秘所まで描いたというから、やはりただならぬ関係なんだろう。「微に入り細を穿って一線ものがさず、ヨニ奥底まで実物大の細密描写、三十巻」に及んだという。劇評家としての晴雨の声望深まるに及んで、歌舞伎役者との関係も一層深まり、「先生」呼ばれるようになったらしい。特に六代目尾上梅幸や十五代目市村羽左衛門とは親しかったとある。歴史を見るには当時の風俗、感性などが大切だが、今も昔も晴雨の絵を求めて暗躍する愛好家が後を絶たない。

06/15 11:06
駄目男

それが、一部の人によって脈々と晴雨の名を後世に留める所以になったと理解する

06/15 11:06
3件のコメントを全て見る
0255文字
あにこ
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伊藤晴雨は思っていたよりも最近(?)の人で、そして人間クサい人だった。夢二の絵のモデルの一人としてよく知られているお葉さん(佐々木カネヨ)と深い縁があったことには驚き。“嘘つきおかね”で通っていた彼女が「かね公は凄え」などと周囲の大人たちに評されていたことは、本書の本筋とは全然関係ないが、印象深いエピソードだ。■自画自伝はベラボーにおもしろい。この人を食ったような独特な語り口は、誰かのそれに似ている気がするのだが、パッと思い出せない。
0255文字
ぶんぶん
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縛り、責め絵、大家「伊藤晴雨」の自伝とその周辺を描いた作品。 収集家の福富太郎氏の所蔵品を多数展示し在りし日の晴雨翁を忍ぶ。 意外と下種かと思われたが、そこは「新潮社」刊、そのへんは程よくまとまっています。 夢二のモデル・お葉を縛り、当代の人気女優・栗島すみ子と暮らす破天荒の暮らしの中に真実を見る。 自らの数奇な反生を書き綴った挿絵が入った自叙伝。 新潮創立100年記念出版
0255文字
ヒロミ
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責め絵や幽霊画で著名な伊藤晴雨の自画自伝をコレクターの福富太郎が編纂したもの。晴雨の自伝はサラッとしていて、淡々としているのでサディスティックなことが書いてあっても妙に納得してしまう。娘さんや弟さんによる晴雨の回想もあるが、作品ほどには狂気の人という印象は薄い。むしろ編者の福富太郎氏の解説が熱く、正規の美術教育を受けず独学で歩んだ不遇の画家・晴雨に寄り添う気持ちと思い入れが強く読み応えがある。江戸っ子の晴雨自身は自分が不遇の画家だと言われたら笑い飛ばすと思うが。あぶな絵やスケッチも満載。
0255文字
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