形式:単行本(ソフトカバー)
出版社:双葉社
形式:文庫
形式:Kindle版
形式:その他
出版社:Audible Studios
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日本の昔話をミステリで読み解き好評を博した『むかしむかしあるところに、死体がありました。』に続き、西洋童話をベースにした連作短編ミステリが誕生しました。今作の主人公は赤ずきん! ――クッキーとワインを持って旅に出た赤ずきんがその途中で事件に遭遇。「シンデレラ」「ヘンゼルとグレーテル」「眠り姫」「マッチ売りの少女」を下敷きに、小道具を使ったトリック満載! こんなミステリがあったのか、と興奮すること間違いなし。全編を通して『大きな謎』も隠されていて、わくわく・ドキドキが止まりません!
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最終章は今までの章のような事件を解く鍵になる部分の話だけでなく、マッチ売りの少女エレンや赤ずきんの心情が複雑に書かれていた印象で、より感情移入してしまった。エレンは悪役かもしれないが、どうしても嫌いになれない泥臭さがあった。
赤ずきんを一度仲間に引き入れようとした時に発した、残念だったわねという言葉も嘘ではないように思える。彼女は必死に自分自身に心の強い人間なのだと言い聞かせ、経営を上手くやっていくためにこれまでも同じように割り切って人情を切り捨ててきたのだろう。最終的に彼女もマッチの誘惑の犠牲者になってしまったが、果たして彼女も心が弱かったということになるのだろうか。本当に心が強いとはどういうことなのか、というテーマについても考えさせられる良い作品だった。
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