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佐藤春夫中国見聞録-星/南方紀行 (中公文庫 さ 80-2)

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りつか
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ネタバレ2024夏休みのセルフ課題図書(遅刻)/試験前に、終わったら気分だけでも外国に行きたい、と手にとったもの。読んでみたら単なる旅行記でなく、結構戦時中の日中台情勢の話がバンバン出てきて、色々考えながら読んでいたらとてものんびり読みになってしまった。この旅行のときに見聞きしたあれこれをもとに描かれた作品というのも面白そうなので、姉妹編にあたる台湾小説集も読みたい。
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ましろ
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やはり「星」に魅せられ、余韻に心掴まれてしまう。何かを願うこと、そのための犠牲、自分ではどうにもならない運命や采配を巡らせ、嗚呼と唸る。その後の文章で作品の背景を知ればこそ、人から人へ伝わってゆく話のもと、土地に根ざすもの、そこにある人生の物語や憧憬する時代の遺物を巡ることの深みを思う。小説はもちろん、紀行文も魅力的で、漳州を訪ねての文章に当時の社会主義実験都市の様子が伝わり、興味深い。ときに気兼ねなく語られるからこそ、誘われるままに読者も当時にふれられる。また、度々登場する芥川の名にも特別な思いが過る。
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inahiro020
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昔の中国が垣間見得て面白い。 文章は流暢で綺麗な印象。 名前は知ってたけど初めて読んだ。
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ワッピー
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1920年の訪中を元に書かれた小説「星」「南方紀行」、1927年の再訪で書かれた旧友を訪問する紀行記録集を収録。在中日本人を描いた「老青年」「南京雨花台の女」で当時の街の様子が生き生きと描かれ、特に雨花台から南京を俯瞰する風景描写は秀逸。南京政府の秘密会議は日本語で行われるという噂もあったほど、元・日本留学生が多く参画していたようだが、折しも五四運動が起き排日気運が高まっていく中、路上で日本語を話しているのを聞かれるだけでも危険という緊張感も記されています。秦淮の画舫船で湖水の夕~夜景を堪能した体験も ⇒
ワッピー

想像するだに羨ましく感じます。地元の案内者があまり自分にかまってくれないという疎外感からくる愚痴が随所に見られ、妙に屈折した心情が感じられるのは、のちの小田原事件に至る女性を巡る佐藤の苦悩が影を落としているからでしょうか?佐藤春夫の個人的背景をあまり重ねて読むのは邪道ではありますが、それも含めた佐藤フィルターによるタイムトラベルを楽しみました。

10/04 23:49
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さとうしん
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佐藤春夫の中国紀行文および関連の小説、雑文等を収録。特に厦門旅行記に関しては芥川龍之介のものと比べるとわかりやすい面白さはない。作品の価値や背景については解説に詳しく触れられているので、先に目を通した方が良い。小説の「星」は現地人から聞いた話をもとに膨らませたものということだが、単なる才子佳人物と見せかけて思わぬ方向に話が広がっていく。
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