形式:文庫
出版社:光文社
添乗員はこの旅の苛酷さを物語るように顔色は青ざめ、目は充血していた。若い母親らしき女性が前を歩き、そのあのを追うように子供を抱いた父親が続く。特殊な状況に敏感に反応してか、抱かれた赤ん坊はほとんど身をよじらせて泣きわめいている。いつもは周りへの迷惑を考えて身を縮めている彼らも集団となれば強い。おしぼりを配っている時から母親たちにおむつを替える場所をきかれたり、赤ん坊を抱いててくれと頼まれているうちに、おしぼりでございますをおむつでございますなどといいながらおしぼりを配っていた。
シートの上のとんでもない忘れ物はビーコの胸に抱かれて気持ちよさそうに寝息を立てている。ほんのりとミルクの匂いがした。ビーコはこの中山にどうも今一つ心を開けないものを感じていた。まるでガラス越しに話をしているような気がするときがあるのだ。
これ読んだことあります。読み捨ての本には悪いところもないので読めれば何でもいいときには手に取って読みます( ̄▽ ̄)
(^ω^)
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