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片目の追跡者 (論創海外ミステリ)

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夢追人009
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論創海外ミステリの2冊目はアメリカのハードボイルド作品で作者は有名ではありませんが中々の実力者で、ど派手なアクションシーンは殆どなくてラストに意外などんでん返しの真相を秘めた大人の男女のソフトボイルドミステリとも言えましょうね。私立探偵クレインは身重の妻を持つ元刑事で、トレードマークの左眼の眼帯は医者の勧めで付けているだけで実質の意味はありません。彼は本当に真面目一本鎗の男で本件はそれ故に招いた悲劇とも言えるでしょうね。まあ全体の雰囲気は決して甘くなく苦く無情ですが、それでも本書は愛のミステリなのですね。
夢追人009

第1部でクレインはアイリスの事務所に行った時に粗野な抽象画家の男オスカーに出くわし失礼な振る舞いをされて腹を立て合意の上で彼とスモウレスリングで勝負する。結果はクレインの勝利となり、それからアイリスと会って話をする内に女の方から自宅へ浮気に誘われるがクレインはきっぱりと断り、第2部ではジュリエットが失踪して彼との駆け落ちを疑いながらも意外なパートナーを突き止める。この一見無意味な2つの話にも男と女の関係の貴重な教訓がありますね。第2部の終盤で公金横領の素人の小悪党を格闘の末に観念させ事件にケリを付けます。

09/09 15:55
夢追人009

そして第3部で急転直下の展開で失踪中のヴァーバーの死体が見つかり、クレインは直感に導かれて醜悪な事件の真相に辿り着きます。このフーダニット・ミステリは細部の手掛かりや緻密な論理による謎解きパズルではなく古典的な動機で目新しさには欠けますが、ハードボイルドらしく絵空事でない現実に起こり得る犯罪ドラマが描かれていて十分にショッキングでしたね。帯に書かれた「探偵クレインにつきつけられる無情の結末」という表現だけで、まぐれ当たりする可能性もありますが、出版から57年を経た今も尚読み継がれるべき秀作だと思いますね。

09/09 15:56
3件のコメントを全て見る
0255文字
くたくた
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単行本だけど薄めだし内容も軽めのソフトハードボイルド? 1960年代の作品で主人公は32歳。朝鮮戦争に従軍し左目を負傷。失明したわけではないが怪我した目を労わるために強い光線を避け、眼帯やサングラスを着用するハンサムな私立探偵が主人公です。退役後ニューヨーク市警に勤務ののち戦友とともに共同経営の探偵事務所を開業している。さて、その親友がある日消息を絶ち、行方を捜し始めるところからストーリーが始まる。調査中の横領事件と一件の家出が絡んで、小粒ながら探偵物のミステリーの体裁であるが、殴り合いが脈絡がない(笑)
くたくた

舞台と大道具がそろったところで、相棒がどこにいるかはピンときてしまったが、犯人は意外だった。細かいネタまで一つのストーリーにまとまり、それなりに構成は良い。しかし時代性もあるのだろうが、出てくる女性がみなヒステリックでキーキーうるさいのに辟易(笑)。男はみんな浮気性。ちょっとステレオタイプが過ぎ?とは思った。銀行のロビーとか、病院の待合とかで時間を潰すのに最適な軽めの読み物でした。

01/05 14:43
0255文字
ともこ
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表紙の絵から見るとなんか怖そうなお話に思えますが、そうではありません。一応ハードボイルドミステリと紹介されています。1960年代に書かれた小説です。探偵事務所の相棒で友達が事件の調査中に行方不明になります。その行方を追いかけます。二人の探偵さんは家庭をもってるところも珍しいです。さほどボリュームもなく読み易く、最後えーと思う結末で楽しめました。
0255文字
woo
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ハードでもなくソフトでもない、ミディアムボイルド(笑)陽当たりの良いデッキでワイン片手に読むには良いかも♪
0255文字
ネコベス
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横領事件を捜査していた探偵事務所の共同経営者ベンが失踪した。隻眼の私立探偵クレインはベンの消息を追ってニューヨークを徘徊する。朝鮮戦争で負傷して左目に眼帯をしたモテモテダンディ探偵クレインが消えた同僚を捜索するハードボイルドミステリ。ストーリーの中盤は起伏が無く何事も無く淡々と過ぎて行き退屈に感じたが、終盤の急展開と意外な真相は驚きもあって楽しめた。
0255文字
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