形式:単行本
出版社:論創社
第1部でクレインはアイリスの事務所に行った時に粗野な抽象画家の男オスカーに出くわし失礼な振る舞いをされて腹を立て合意の上で彼とスモウレスリングで勝負する。結果はクレインの勝利となり、それからアイリスと会って話をする内に女の方から自宅へ浮気に誘われるがクレインはきっぱりと断り、第2部ではジュリエットが失踪して彼との駆け落ちを疑いながらも意外なパートナーを突き止める。この一見無意味な2つの話にも男と女の関係の貴重な教訓がありますね。第2部の終盤で公金横領の素人の小悪党を格闘の末に観念させ事件にケリを付けます。
そして第3部で急転直下の展開で失踪中のヴァーバーの死体が見つかり、クレインは直感に導かれて醜悪な事件の真相に辿り着きます。このフーダニット・ミステリは細部の手掛かりや緻密な論理による謎解きパズルではなく古典的な動機で目新しさには欠けますが、ハードボイルドらしく絵空事でない現実に起こり得る犯罪ドラマが描かれていて十分にショッキングでしたね。帯に書かれた「探偵クレインにつきつけられる無情の結末」という表現だけで、まぐれ当たりする可能性もありますが、出版から57年を経た今も尚読み継がれるべき秀作だと思いますね。
舞台と大道具がそろったところで、相棒がどこにいるかはピンときてしまったが、犯人は意外だった。細かいネタまで一つのストーリーにまとまり、それなりに構成は良い。しかし時代性もあるのだろうが、出てくる女性がみなヒステリックでキーキーうるさいのに辟易(笑)。男はみんな浮気性。ちょっとステレオタイプが過ぎ?とは思った。銀行のロビーとか、病院の待合とかで時間を潰すのに最適な軽めの読み物でした。
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第1部でクレインはアイリスの事務所に行った時に粗野な抽象画家の男オスカーに出くわし失礼な振る舞いをされて腹を立て合意の上で彼とスモウレスリングで勝負する。結果はクレインの勝利となり、それからアイリスと会って話をする内に女の方から自宅へ浮気に誘われるがクレインはきっぱりと断り、第2部ではジュリエットが失踪して彼との駆け落ちを疑いながらも意外なパートナーを突き止める。この一見無意味な2つの話にも男と女の関係の貴重な教訓がありますね。第2部の終盤で公金横領の素人の小悪党を格闘の末に観念させ事件にケリを付けます。
そして第3部で急転直下の展開で失踪中のヴァーバーの死体が見つかり、クレインは直感に導かれて醜悪な事件の真相に辿り着きます。このフーダニット・ミステリは細部の手掛かりや緻密な論理による謎解きパズルではなく古典的な動機で目新しさには欠けますが、ハードボイルドらしく絵空事でない現実に起こり得る犯罪ドラマが描かれていて十分にショッキングでしたね。帯に書かれた「探偵クレインにつきつけられる無情の結末」という表現だけで、まぐれ当たりする可能性もありますが、出版から57年を経た今も尚読み継がれるべき秀作だと思いますね。