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更級日記 現代語訳付き (角川ソフィア文庫 47)

感想・レビュー
61

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kayak-gohan
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ひとつ前に読了した『更級日記』(江國香織・訳)は現代語訳のみなので、角川ソフィア文庫版で原文にあたった。この作品は日記の体裁をとってはいるが、作者晩年の回想を記したもの。原文を読んでみると、和歌が多く詠まれていて家集的な面もあり、作者の言葉遊びの巧みさとそこから作者独特の目に映った情景の捉え方はユニーク。また、作者はよく夢を見るようだが、かなり盛っているような記述が多い。この辺りは源氏物語をはじめとする物語の耽読を通して培われた想像力、構想力のなせる業なのだろう。
0255文字
小心
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ご主人とのエピソードは少ないけれど、ほんの短い資通とのひとときは詳しく書かれている。64の初瀬詣で、何も大嘗会の日にかぶせなくても(笑)
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sheemer
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関東の田舎育ちの物語大好き少女が物語に憧れ、帰京とともに源氏物語その他を入手し思いを実現して行く前半と、作者自身の必ずしも順風満帆とは言えなかったライフストーリーが綴られていく後半から成り立っている。夢や熱い思いも語られ、現実のなかの風物・雅・冷たさも現われている。
0255文字
hatohebi
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「更級日記の少女」(『斜陽』)という表現から分かるように、作者には“本の世界に耽溺し浮世離れした文学少女”というイメージがある。しかし、転居と幼い日に親しんだ人との別離・姉の死・家庭の苦労・結婚と出仕・夫の死・晩年の孤独と、一冊に圧縮された生涯を辿る中に、「光源氏ばかりの人はこの世におはしけりやは」「昔より、よしなき物語、歌のことをのみ心にしめで、夜昼思ひて行ひをせましかば、いとかかる夢の世をば見ずもやあらまし」という述懐を読む時、物語は実人生の中でどう生きられるのか、を観照する透徹した小説家の顔を見る。
hatohebi

藤谷治『小説は君のためにある』によれば、小説は個人によって・個人のために書かれたものだが、その指摘に従えば、作者は小説家だ。自分の記憶に留まった個人的なイメージや場面の描写、その喚起力は殊の外優れている(原岡文子氏の解説における「柿」の注目は興味深い)。また夢告や仏道修行といった、当時の規範常識だった宗教的なものに、収まり切れず逸脱してしまう自分を、包み隠さず書いているのも面白い。

02/24 12:42
hatohebi

そのような個人を凝視する姿勢が、『源氏物語』を始めとする物語耽読によってもたらされたものであれば、と想像するのも楽しいことだ。

02/24 12:43
0255文字
Sora
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『源氏物語』の世界に魅せられ、憧れた子供時代。夢にまで見た宮中での生活。憧れとは違った結婚生活。夫の早すぎる死とその後の孤独な生活。平安時代を生きた女性の素直な気持ちが、その人生で起こった出来事とともに描かれています。文学の世界に魅せられ、憧れるという気持ちは現代でも変わることのないものなので、彼女の気持ちに思わず共感するという方もいるのではないかと思いました。
かずりん

源氏物語を読んでいますが、はやる気持ちがわかります。

12/10 18:11
0255文字
kochi
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物語大好き平安少女の10代から50代始めまでの日記。受領の任のため東国に赴任した父と共に下り、継母(実母は京都にいる)や姉の話す源氏物語などが読みたくて仕方がなく、等身大の薬師如来を作って、「物語を読ませてください」と熱心にお願いするぐらいのオタク少女は、天神さん(菅原道真)につながる家系。東国からの旅、物参りなどの千年前の風習や、不思議な家族関係、当時としては遅い結婚後の生活などの記述に短歌が挟まれる。源氏物語をついに手に入れて、喜び貪り読む様子(その時14歳ごろ)になんとも言えぬ親近感が感じられる。
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tsu55
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平凡な受領階級の女性ではあるけれど、振り返ってみれば、物語へのあこがれと、信仰への傾倒、情熱と諦念という矛盾を抱え込んだ人生だった。でも、それでいいんだよ。にんげんだもの。(みつをかよ?) 源氏物語のようなロマンスは現実には起こらず、時雨の夜の殿上人との出会いは、掠っただけの恋とは言えぬ恋だったのだろうけれど、それでも、菅原孝標の女にとっては大事な思い出だったんだろうな。
0255文字
ふみちゃん
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授業や試験で幾つかの古典を読んだけど、これが一番記憶に残っていた。いつか読みたいと思っていた。
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misui
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物語に憧れる少女期のイメージしかなかったので晩年の侘しい様に驚く。でも、物語に耽溺したことを後悔しながら神仏に心を寄せるのは、自らの支えとする対象を替えただけなのではないかと思わないでもない。
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ますたけ
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裏表紙にもあるように、一般的に更級日記は少女期の物語への耽溺と、遅い結婚後の侘びしさという平凡な女性の回顧録のイメージである。今回通読してみると、物語は勿論、恋や旅、風光、出仕先での出会、結婚後の充足等、鮮烈な記憶を描いており、熱情溢れる女性の回顧録に読める。しかも、なぜこの記述が、この箇所にあるのかを考えたとき、構造と記述の必然性に気付かされる。筆者が推敲を重ねて構成された小作品集のようだ。まだまだ深い意味を読み解く必要がありそうだ。
0255文字
本命@ふまにたす
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一般的には「源氏物語」愛を語った作品などとされることが多いが、それ自体この時代の作品に触れる導入として、あまり長くないし内容も興味深いしで良いと感じた。訳注や解説もほどよい詳しさで参考になる。
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myjstyle
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作者は子供の頃から物語が好きで、特に「源氏物語」に焦がれていました。鄙びた宇治に囲われる浮舟に憧れるとか乙女チックです。でも、中世の仏教ではフィクションに耽溺することは仏心の障りであって罪障とされました。なので、仏教の呪縛で幾度となく夢にうなされたり、晩年には、物語や歌に溺れた自分を後悔しています。可哀そう。日記といいますが、晩年に人生を振り返ったエッセイです。テーマに偏りがあり、夫婦生活や出産・子育てなどはほとんど書かれません。やはり、少女時代、物語に憧れる描写が瑞々しくていいですね。
0255文字
治野
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面白かったなあ…やっぱり全部読み通さないとわからないものもあるものですね。
0255文字
かずりん
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「かくのみおもいくんじたるを」で始まる源氏物語耽読、読みたい読みたい、「はしるはしる、わづかに見つつ」の心境に我が心を重ねて手にし、読み始める。源氏物語を原文で読みたいとの思いから、わかりやすい参考書を求めていたところ本書に出会い、高校の授業でやった更級日記とはそういう話だったのかと得心する。周辺の古典に触れてみたい。
0255文字
かずさ
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2021年初読書。 更級日記を知ったのは小学生の頃の歴史マンガ。物語を愛する作者の気持ちに共感して、ここのハンドルネームも作者が住んでいた上総からつけた。 でも更級日記について知っているのは上京するまでのことのみでその後の人生を知らなかったので今回きちんと読むことにした。古文は苦手なので現代語訳で。 作者が源氏物語の浮舟のような生活を送ることを憧れたり、大人になったら浮舟のように自分も美しくなるんだと思っていたりと、自分が子供の頃物語の世界に耽って空想していたことを思い出した。
かずさ

でも最後は夫に先立たれ、子供も巣立ち、寂しい人生を送っていたことが意外だった。この日記はまだ物語の世界に憧れていた自分の想いを残すための日記だったんだろうか。

01/01 23:53
0255文字
涼
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伊里子
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高校の授業の時に取り扱ったくらいで、ほぼほぼノータッチだった。冒頭部分の、幼い少女の頃に作者がどうしても源氏物語がみたい!と仏像に手を合わせるくらいに傾倒していたが、晩年は後悔と寂寥の日々だった……というその差に驚いた。しかし、よくよく考えてみれば古典ではあるものの、これは当時実際にいた人の日記であるわけで、物語のようにめでたしめでたし(もしくは仏門に入り云々)で終わるわけではないとハッとした。 また改めて読んでみたい。
0255文字
沙智
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文法が複雑でなく、平安文学の中ではかなり読みやすい部類にあるように思えた。感性の豊かな著者である。夢中になれる物を何か一つ持っておくことは若々しい感性を持つことに繋がるかもしれない。突然結婚をさせられたり、宮仕えをさせられたり、自由に生きるのが難しい時代であったことが再確認できた。
0255文字
いりあ
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平安時代に菅原孝標の次女・菅原孝標女が書いた回想録。作者13歳の寛仁4年(1020年)から、52歳頃の康平2年(1059年)までの約40年間が綴られています。華やかな平安貴族の日記かと思いきや、一人の女性の姿が綴られています。少女時代の「源氏物語」への憧れについては、今のオタク趣味に通じるところが多いです。その後、大人になって物語のような世界がないと現実を知り。前半のキラキラ感と後半の寂寥感の落差が凄いです。大人になるって今も昔も変わらないのかな。1000年前のオタク生活に触れてみてはいかがでしょう。
0255文字
はる
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紆余曲折を経て自身の不信心を悔いながらも、少女の時から好きだった物語や歌に心を寄せ続ける姿が素敵。物語を耽読する前半部分には自分の幼少期が重なり、微笑ましく思えた。
0255文字
LUNE MER
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原文トライアル。細かい部分の読解は気にせずにとにかく原文をぐいぐい読み進みたいというコンセプトを実現してくれる程々の長さと程よい難易度。オタク、聖地巡りが市民権を得ている現代ではますます作者・藤原孝標女とこの日記に対する共感を得られる空気が醸成されているのでは?物語、特に源氏物語に対する熱量、宇治を訪れた際の興奮度合い(宇治十帖に関する聖地巡礼ルポ)など、極々普通に現代感覚で読めてしまう。若くして亡くなってしまうお姉さんの不思議ちゃんっぷりもなんだか萌える。古くて新しいというより、古いのに新しい作品。
Ayumi Katayama

なんだ。私、ナイスしてるじゃん(~_~;)。

07/13 01:06
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zeroset
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千年前の貴族女性による、繊細で瑞々しい回顧録。特に印象に残るのは遊女や源資通とのつかの間の邂逅を描く場面で、まるで夢の様に美しい。イヴァン・モリスによる更級日記の英訳は”As I Crossed a Bridge of Dreams”というタイトルらしいが、素晴らしい意訳だと思う。
0255文字
チュルちゃん
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歴史秘話ヒストリアで取り上げてたのを見て感動した事があり、たまたま実家で見かけたので読んでみた。 後半の方は若い頃に仏様に一心に祈念しなかったからこうなってしまったと後悔の念が綴られてる。 「仏様への祈念」を勉強や努力に置き換えたら十分現代でもあり得る後悔の念。後悔しないようにしっかり勉強して技能を身に付けようとと思う。
0255文字
川野隆昭
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確か、歌人の俵万智が、演劇部だった高校時代、周りと伍していくために日本の古典を読んだとか、英語を多読で身につけるように、日本古典文学を多読してみようとか、ある程度年をとれば、大人は古典に向かうらしい。 点訳ボランティアにも、長い目で見れば古典文学の知識は役立つようなので、僕としては、これからは古典がアツいのか!?
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さんくん
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よく知っていた序盤の少女の物語を求める溌剌さと比べて、晩年の孤独に苛まれるわびしさがよく印象的でした。
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はしめ
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全文を読んだ後、解説をよみ、日記ではなく回顧録なのだとしった。旅行記として読んだ。西暦1000年代の旅行記だ。
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バニラ
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全原文と注釈と全現代語訳と解説。読んだところで何が?って話だけどそれが古典。読んでよかった。
0255文字
春日太郎
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共感するところが多かったのは、裕福でありつつも全くの雲の上の人というわけでもなく、生活感が理解しやすかったからだろうか。あるいは、自分の父が転勤族であったことなども関係しているのだろうか。物語への憧れ、旅情、姉をはじめとする親しい人との交流など、全編にわたって作者の心が生き生きと感じられ、千年近く昔に書かれたものとは思えなかった。 特に心に残った歌を二首。 思ひ知る人に見せばや山里の秋の夜深き有明の月 契りおきし花の盛りを告げぬかな春やまだ来ぬ花やにほはぬ
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姉勤
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源氏物語に憧れ、上総(千葉)から京への旅路と、憧れの文章に囲まれた京での暮らしを描写した十代の少女の心のみずみずしさは、二十代、三十代、四十代と描写も感動も減り、親しき人々との別離や、不安や煩わしさが増え、歌と想い出に浸る。箱入り娘のとうが立ってからの出仕、理想と違う晩婚、それでも子が授かれば、添い頼りにするも、夫に先立たれれ心細さと子供の将来に心を痛め、加えて来世の心配も。五十代の先はなく、末期を思わせる。女の一生。非常に短い作品だけど、人生なんてこんなものかもしれない。もののあわれが分かって来たか。
姉勤

歳とともに涙もろくなるというが、全米が泣いた的な、感動巨編みたいなお涙頂戴に、作り側の手練手管しか感じなくなり。本書の「見送りの人たちが見えなくなるまで手を振った」のような描写に涙腺はゆるむ。

02/26 20:43
姉勤

地元に更級日記ゆかりの地とあり、地名も更級のため、この土地から採ったのかと思いや、主客が逆で、嗚呼大馬鹿は我がうちに。

02/26 20:44
0255文字
HH2020
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◎ 御物本と合わせて読む。原文、現代語訳、解説の三部構成になっている。「更級日記」じつにおもしろい。源氏物語に憧れる少女時代から、その夢かなわず歳を重ねる日々、そして仏門にすがる晩年へと、人生のかなしみを感じてしまった。1000年も前に書かれたものとは思えない、現代にも通じる女心が浮かび上がる。解説もとてもわかりやすくてよい。
0255文字
花林糖
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成立後訳170年後に定家によって発掘された『更科日記』。断片的にしか知らなかったけれど、こんなに美しい文章だったとは。生々しさドロドロさがないのも◎。主に現代語訳で読んだけれど次回は原文中心で読んでみたい。
花林糖

第5回 日本の古典を読む(2017年5月)

05/14 20:32
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みみずばれ
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このシリーズは原文と現代語訳が一冊にまとまっているので良い。高校生の夏休みの課題図書などにピッタリのシリーズなのではないか。内容に関しては平安時代にも既に夢見がちな文学少女なんてものがいたということにまず驚いた。そんな文学少女だった女性が貴族なりに平凡な結婚をし、平凡な生活を営み、やがて夫を失って寂しい余生を送るという回想録。一人の人物の一生が提示されるというのは何だかそれだけで物悲しい気持ちになる。
0255文字
MrO
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今回、二ヶ月かけて完読。所々しかしらなかったが、じつによい本であった。古典を読んどけばまちがいないと思った。
0255文字
JR関内駅より徒歩2分 ☆ 永遠番長
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再再再再再再読。読む本に困った時の更級日記
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更級日記 現代語訳付き (角川ソフィア文庫 47)評価100感想・レビュー61