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美少年尽くし (平凡社ライブラリー)

感想・レビュー
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(P27)そもそも美少年愛とは、生活などというヌカミソくささとは無縁のとこそこから脱出して夢を見たいからこそ美少年を愛するのだと、華奢者たちは説く。(P28)『色物語』は、…ここでは弘法大師どころか、お釈迦様その人がインドで男色の道を開かれた、などとうそぶかれている。(P34)…主君の御最期にお伴をするのも、多くは寵愛をうけた少年たちだ。こういう頼もしさこそ、男色の美徳だ。(P92)「この世は夢と悟ったからには、現世に未練もないだろう」
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(P128)色道修業とは、すなわち、「浮世」=現世を忘れる営みであるということが、ここにはっきりと示されている。(P132)若衆や遊女は近代的な意味での欲望処理の対象ではなく、和歌の才や音曲のたしなみが要求される当時の“総合的エンターテイナー”であった。

08/21 04:11
0255文字
綾
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「武士道といふは死ぬ事と見付けたり」で有名な『葉隠』は、男色の指南書でもあった。「恋ひ死なん後の煙にそれと知れ 終にもらさぬ中の思ひは」武士の男同士の愛は主君に対する熱烈な忠誠心と、その結果としての殉死に理想的な姿をみていた。「武士道は死狂ひなり。」と『葉隠』は言い切った。『葉隠』を賛美する男性諸君は、こういった点も含めて喝采を送っているのだろうか。
0255文字
野里子
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江戸時代の物語を中心に男色を紐解いてゆく手法のためか、"ミンナで死のうトモダチの輪""仲良し切腹"などのパワーワードが頻出する。その最たる表れが第13話の標題「死の直前の美少年は最高に輝く」であるが、ネット上でしばしば観測される「自分が推してる男性キャラはとにかく死にがち」というオタク女性は本質的に破滅の美を男性に見出しており、実に日本人的な感性を持っているのだなと妙な感慨を覚えた。あとがきを読んでいると、本作の雑誌連載を白洲正子が見守っていたというから驚きだ。軽薄な悪書か期待の良書か、賛否両論の一冊。
0255文字
スピカ
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ネタバレ★古臭いカタカナ使いの文体と上から目線が鼻について読みづらいと思ったら初出は1992年とのこと。17世紀の風俗に対して現代の尺度で女性蔑視だ何だと指摘するのはフェアじゃない気がして途中からパラ読み。「男色大鑑」の8章は面白かったです。「田夫物語」にお尻の心配をする記載があるとのことで当時のウリ専が不憫。
0255文字
ウニョラー🏳‍🌈
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江戸の習俗と結びついた一連の価値観としての男色は、身分制や女性蔑視ありきの要素を大いに含む。著者のツッコミが入ることで、すっきりした気分で読み進められるし、価値観の連関も分かりやすくなっている。 文庫版あとがきの「(初版の1992年当時は)まだ同性愛についての社会的規範が今よりも厳しかったため、江戸の男色を意識的に明るいものとして描こうとした」という箇所が印象に残った。
ウニョラー🏳‍🌈

三島由紀夫の美学は江戸の男色とは絶妙に異なる。現代のゲイの価値観も三島の時代からある程度の変遷を経ているだろう。再解釈の営みはこれからも続くのだが、同性愛者への風当たりが強い時代にあって男色を朗らかに描き、女性蔑視的な箇所には鋭くツッコミを入れる著者の姿勢に好感が持てた。

10/21 19:05
0255文字
なつ
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「田夫物語」「色物語」「男色大鑑」「葉隠」「仮面の告白」を題材に、男色文化を紐解く。今日ではBLなどがあるけれど、男同士の愛をテーマとした著作物って結構昔からあったんだなぁ。男がいいか、女がいいかの恋愛論戦はなかなか壮大な展開になっていき、視点的にも勉強になりました。男色はおしゃれなものという発想に驚き。
0255文字
トマシーナ
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「同性愛」ではなく「男色」。「恋愛」ではなく「色の道」。言いえて妙である。若衆と遊女との共通点など、色道とはかくも退廃的で風情のあったものなのだ。著者の言うように、これも一つの「文化」であることい間違いはないと思う。だから様々な戯曲や文学になったのだろう。 「美少年」への愛が短期的なものだという事は、ハリウッドの子役少年達が4、5年で目も当てられない姿に変化してしまうことからも納得。
0255文字
きさらぎ
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『田夫物語』『色物語』『男色大鑑』『葉隠』『仮面の告白』を取り上げる。内容は可もなく不可もなく。『田夫』と『色物語』の章はそこに書かれている「男色と女色はどちらが優れているか」の語りをひたすら追い、合間に著者がせっせとこれは女性蔑視とツッコミを入れるだけで退屈。『男色大鑑』と『葉隠』の章は少年の儚さ、男の恋や忠義の一途さ、死に際の美しさに男色の魅力を見いだすという視点の一貫性があるのでまだ読める。三島の男性的なものへの憧憬としての同性愛はこの文脈で取り上げるものなのかなあ。私にはあまり説得力が無かった。
きさらぎ

文章が読む気をなくすレベルでひどい。短いので(2時間あれば十分読める)我慢した。この妙な片仮名遣いは「時代」(1992年出版、本書は改版本)という言葉で片付けていいのか。「カタカナ混じりのやわらかい文章で軽薄だ、と抵抗を示される方もあろうが」というが、問題はやわらかさでも軽薄さでもなくセンスのなさだ。「江戸の男色文化に漂っていたあるホガラカサを表現したかった」とあるが「漂っていた朗らかさ」(せめて「ほがらかさ」)で何が問題なのか。本文の至る所にこの妙な片仮名遣いがあって投げたくなった。腹立ちゆえ暴言失礼。

05/03 19:00
0255文字
寿司コーヒー
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まだまだ知らない日本のことってあるんだなぁ、と思った一冊。 男色がタブーどころか一種の流行だったり、お洒落だったりする時代があったということ自体、世界的にも珍しそうだ。男色か女色か、どっちがいいのかで競うとか、なかなかシュールかつ面白い。これほど、当時ではメジャーだったのかな。それにしても、美少年は儚いのがやっぱり絵になるのは今も昔も変わらないんだろうか。
0255文字
Prussian_Blue
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「親しみやすい語り口」が時代性を滲ませ過ぎていて正直辟易するのはご愛敬。紹介されている原典を読みたくなります。特に男色大鑑、漫画化されたりもしていますが現代語訳で出てくれないかな。今なら需要かなりありそうですが。
0255文字
代理
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美少年はすぐ死ぬ。父に成りたがらない江戸男子たち。年頃の男の子が浮世離れに憧れるのはいつも同じだとわかった。でも引用された文章を読む限りだと江戸の男色文化と三島文学ってちょっと違う気がする。
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fseigojp
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日本の近世文学を理解するために
0255文字
SK
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332*『田夫物語』『色物語』『男色大鑑』『葉隠』『仮面の告白』に見る男色。
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みずえ
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江戸文化の一面としての、男色文化の隆盛がかいま見えて面白かった。好きな作家がゲイだったりするので、セクシャルマイノリティについては理解があるつもりなんだけど、この本で語られている美少年趣味は、それとはまた違った江戸特有のもので、泰平の世の徒花とでも言えるもの。なんと退廃的で非生産的で、儚いものであったことか。
0255文字
川島みち@原稿やれ
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タイトルでだいぶ人を絞っている気がするが至って真面目な内容です。前半は江戸時代に書かれた読本から、江戸における男色はどのように見られていたか読み解く。後半は三島由紀夫作品から美少年愛におけるナルシシズムを考察。文章は柔らかめで読みやすい。
0255文字
Moeko Matsuda
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柔らかな語り口で、非常に面白かった。一気に読んでしまいました。遊女の研究をしているうちに、男色についても調べようと思ったとのこと、私も全く同じ経緯でこの本を手に取ったので、なんだか不思議な気持ちでした。時限的な美しさを誇る美少年達の究極的な自己愛が、武士の武士であろうとする姿の悲壮感と滑稽さとも共通していて、ああなるほどな、と、思うところが多数。恋を自己実現に利用することの是非はともかくとして、おおらかさとストイックさが混在する心模様は、なんとも江戸時代の日本人的というか、なんというか。
0255文字
nuno
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気持ちが純化すると、男女あんまり関係無いような。美少年極めると花魁に近付くのも、なんか面白い。ところどころに入る著者のジェンダーの言い回しが気になったけど、90年代でした。葉隠れの恋のメソッドは、最後には斬るというか、とにかく斬って解決なのは、パンクだと思います。しかし、江戸と言いつつ、三島先生に言及するのは避けられないのかー。やはり。
0255文字
ぽやん
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江戸の美少年同士の恋愛の潔さと純さ。その流れをくむ三島文学。現代の同性愛とは少し違う男色文化。また三島作品を読みたくなった。
0255文字
鈴木誠二
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解説の「『美少年尽くし』の余白に」で三島由紀夫が「いいや男にちがいない。女に男と男のエロテイシズムがあそこまで分かる名訳ができるわけがない」とエピソードに爆笑。三島センセイに今のレベルの高いBL本を読ませたら「これはみんな男が書いているに違いない!」と言うに違いない!!
0255文字
辺辺
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非常に読み難い語り口で早い段階で挫折。(←限られてる時間内で挫折せざるを得えない、爆)当時のホダカラさを出したかったら、和語を使えば良いのに、かろうじて現代語に分かり易くして漢字とある程度の外来語を使おうとしても・・・・・・これはむしろ、和語、漢語、外来語、混種語の混ぜすぎて、分かり難くなった感じ。なにがなんだか・・・。後書きのほうが読みやすいのに、本文が残念。△
0255文字
基
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ネタバレ普段BLという名のなんちゃって男色ものをウキウキと読んでいるのだが、さてそもそも男色とは如何なものであったのかと今更な好奇心が湧き上がり図書館より借り出し。『田夫物語』『色物語』『男色大鑑』『葉隠』『仮面の告白』という名立たる男色本から男色の在り様を引用しつつ、ライトな筆致で解体される男色の一面を楽しむ。時代や環境によって、男色に付属する意味合いが違うところが面白い。主従の契り、花の盛りの散り際の美学、男だけで完結する小宇宙、そして永遠の少年。その根底に女性蔑視や嫌悪があるのはむっとするが、楽しく読了。
流咲月

図書館に蔵書があるんですね。カウンターを通すのに若干勇気がいりそうです。

06/23 18:34
基

流咲月さん、こんばんは。ごく普通のご本なので図書館にありました。貸し出し時は司書の方が気を遣って下さったのか、表紙を下にしての手渡し(笑)でしたが。

06/23 18:44
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岡村 直
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「江戸の男色文化」なんてなジャンルにはてんで疎いので、へえ、こんな世界があったのか、と驚きながら読んだ。しかし、他の方も指摘されているが、本書の「カタカナまじりのやわらかい文章」については、どうも抵抗がある。「軽薄」というよりも、お嬢さんが無理して、昭和軽薄体めいた書き方を取り入れつつ、頑張って面白くしようとしてるような、そんな感じが伝わってくるからだ。この文体を選んだ著者の意図は、成功しているとは言い難い。強いて、軽やかさを出そうとする必要はなかったのではないかなあ。……いや、失礼しました。
岡村 直

そう。いろいろ事情はあるのだろうなと思いますけど、学者としては、最低限、きちんと応じるべきではあるでしょうね。学問の世界は、よう分かりませんので、勝手な意見でしかないですが……。

06/08 18:54
4件のコメントを全て見る
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安南
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ネタバレ高畠華宵の表紙に惹かれて初めて佐伯氏の著作を読んだが、うーん正直苦手な語り口だった。ご本人もあとがきで「カタカナまじりのやわらかい文章で軽薄だと抵抗を示される方もあろうが、極力明るく軽い印象で、江戸の男色文化に漂っていたあるホガラカさを表現してみたかった」とのこと。このネタなら私は氏家幹人の方が好みかな。
安南

くるみさんにそう言っていただけると安心します。歴史や古典は現代の価値観(ノリ)で語られると悲しくなります。坂口安吾や橋本治の域に達していればカタカナも魅力的ですが…。

05/18 13:44
0255文字
ミコマユ
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「田夫物語」とか「色物語」とか、知らない本が紹介されていて勉強になった。「男色大鑑」や「葉隠」も題名は知っているけど、中味については知らなかったので、分かりやすく解説されていてよかった。ただ、著者もあとがきで書いていたが、カタカナまじりの文章、軽薄というより昭和っぽくて戸惑った。「あの江戸の美少年たちの、海の青さのようにひたむきで誇り高い心と行動の軌跡」という美しい文章も出てくるので、普通の文章で書かれた本も読んでみたいところ。カバー絵が高畠華宵で、内容にぴったりだった。
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勉誠出版営業部
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同僚から借りた、佐伯順子さんの『美少年尽くし』を読了。江戸時代の文献から読み解く、男色と、少年愛の形。ラストには、江戸時代ではないけど三島由紀夫の『仮面の告白』も。で、これを読んでいて思ったのは、近代に入って、精神的ではあるものの、『花物語』のような女性同士のつながりを描いたものが出てくるのに、江戸時代にはそうしたものはなかったのかな、ということ。
0255文字
びじゅぼん(ブクログ試行中)
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物語においてゲイカップルがなぜに死にたがるかを、江戸時代の衆道の精神から『葉隠』に遡って、三島由紀夫と稲垣足穂にうまいことつなげてておもしろかった。出家も死も、世俗=繁殖=父親になることから脱却するためだと考えればいいのか。読んだことない『葉隠』は武士道もだけど男色かくあるべしとゆう指南書でもあるのだなあ。レズカップルだとどうなるんじゃろかー。後書きによると遊女論の副産物らしいけど、遊女と男色が対立してるようで似てるところもおもしろい。
0255文字
TRAY
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「風光る」で気になった
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ひでっち
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江戸時代の衆道に関する本。 少年愛について書かれてた。 江戸時代では、少年を愛することが、別に周りから奇異に思われなかったようだ。そんな江戸時代でも、少年愛以外の同性愛はやはり現代と違って、受け入れられてないようだ。 まぁ少年に興味はないのだが、美少年が目の前にいれば、さすがに見とれるかな。
0255文字
釈聴音
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史料の網羅度では氏家氏の論説に一歩を譲るものの、「男色」の思想史的分析という点では興味深い。
0255文字
kat
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ハードカバー持ってるので解説目当て。あとがきにあったように、書き出しをちょっと変えてあった。時代を感じた(笑)解説面白かった!
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MUTSUKI
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図書館でつい手にとってしまった
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