私は沙子と静信です。
人からすると「ええっ、何で!?」と思われそうですが彼らの考え方にはなぜか共感してしまうのです。
静信に対してはなぜ、自らの命を絶とうとしたのかや滅び行く村に対して「滅びてしまえばいい」と思った気持ち、沙子との交流で彼らを人間と同等の存在であることを知った苦しみや遣る瀬無さに、
沙子には神に完全に見放された存在であるにも関わらず、神を信じて神に救いを求め続けたことや生きていくことに人を犠牲にしなければならないことを割り切れずに苦しむ気持ち、寂しさで屍鬼の村を作ろうとしたことや「生きたくはないが死にたくない」という相反するようでいて生きることの意味に近い感情に切なくならずにはいられません。
善悪と言うものは状況によって刻々と変わってしまうものであるにも関わらず、彼らはその基準に身を委ねることなく、迷い続けたことが人間よりも人間らしくて印象深かったです。
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