私は沙子と静信です。
人からすると「ええっ、何で!?」と思われそうですが彼らの考え方にはなぜか共感してしまうのです。
静信に対してはなぜ、自らの命を絶とうとしたのかや滅び行く村に対して「滅びてしまえばいい」と思った気持ち、沙子との交流で彼らを人間と同等の存在であることを知った苦しみや遣る瀬無さに、
沙子には神に完全に見放された存在であるにも関わらず、神を信じて神に救いを求め続けたことや生きていくことに人を犠牲にしなければならないことを割り切れずに苦しむ気持ち、寂しさで屍鬼の村を作ろうとしたことや「生きたくはないが死にたくない」という相反するようでいて生きることの意味に近い感情に切なくならずにはいられません。
善悪と言うものは状況によって刻々と変わってしまうものであるにも関わらず、彼らはその基準に身を委ねることなく、迷い続けたことが人間よりも人間らしくて印象深かったです。
こんにちは、小田さん。
コメント、ありがとうございます。
尾崎に対しては私は複雑な感情を持っています。
屍鬼たちを滅ぼすために彼らに対して酷い事をしたのは「なぜ?」と問いかけずにはいられなかったです。
屍鬼の虐殺後、彼が「本当は村を支配したかっただけではないか?」と気づくシーンが印象的でした。
彼もあの村のことを一生、心に留めたまま、生きていくのかなと思うと辛いとは思いますが・・・・。
こんにちは、伊勢さん。
コメント、ありがとうございます。
徹ちゃんに訪れた運命の残酷さには思わず、泣いてしまいました。
辰巳たちに家族を襲うと脅されて、飢えに負けて親友を襲ってしまった彼の苦しみや悲しみ、一番、好きな人でもある律子さんが屍鬼になって飢えに苦しみながらも絶える姿に対して襲うように叫ぶ姿には「屍鬼として受け入れてしまった自分の姿を一番、好きな人に非難されているような気がしてとても辛かったのではないのかな」と思い、悲しくなりました。最期に律子さんと一緒になれて彼はよかったのかな・・・・・。
恵はアニメではお洒落に気を使っていた女の子なのにあんな形で亡くなったことが、しかも自分の存在を否定するようなことを叫んで亡くなるなんて悲しすぎました。正雄も助けを求めたのに義理の御姉さんにあんなに嫌われていたことを思い知らされながら亡くなってしまったことも切なかったです。
屍鬼たちは人間と等価の意志を持った存在。いっその事、人間らしさも無くなってしまった方がよかったかもしれませんが最期まで人間らしかった彼らにどうしてもシンパシーを感じてしまいました。
こんばんは。屍鬼を読んだのはもう十年前、中三から高一にかけてでした。やはり一番は勧善懲悪至上主義、尾崎ですね。証明のためなら妻もいとわない姿が怖くもあり、引かれました。レクター的な要素でですが(笑)
徹ちゃんがすごく好きでした…夏野くんに手をかけてからも人間くささが抜けなくて、「化物」にカテゴライズされるであろう屍鬼として生かされている苦しさが伝わってきて切なかったです。
たとえば家族と自分が生きるために親友を殺してしまうような、ずるくて卑怯で汚くて、でも誰より人間らしい選択をした徹ちゃんがひどく哀れでした。生前の友情に篤かった彼が、ここまで変わってしまったというより、人としての本質的なものを曝け出さなければならなくなったことが見ていて辛かったです。
恵ちゃんと正雄も好きです。当初は二人ともどうしようもない子だなぁ…と思っていたのですが、アニメ版での二人の最期があまりにもかわいそうで、一気に株が上がりました。二度も死を味わうことになるんて…死んでからも夢を持ったり恋をしている二人を見ていて、やはり私には屍鬼という存在がどうしても異端とは思えませんでした。人間としての感覚のままダークゾーンに生きることがどれほど悲しいか、彼らの言葉から痛いほど伝わってきました。
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