ドラマを切欠に読んだ 『隠蔽捜査~3.5』が面白かったので、今野敏さんの他の作品も読んでみようと、これもドラマで観たことがある『ハンチョウシリーズ』を読み始めました。私が読んだことがあるのは、警察小説というジャンルの中でも独創的と言われている横山秀夫さんの作品と前述の『隠蔽捜査+2~3.5』だけなので、それらと比較してしまうと気の毒かもしれませんが、ありふれたドラマのシナリオを読んでいるような感じがしました。とは言っても、後8冊の安積班ものを仕入れてしまったので、隠蔽捜査のような盛り上がりを期待します!
『ハンチョウ神南署安積班』のドラマ化が決まった時、今野さんは「エリートでも無敵でもなく、人間的な弱さもありながら懸命に刑事として生きるくたびれた中年男の魅力を描こうと思いました」と仰ったそうです。『安積班シリーズ』は、今野さんが意図した通りの物語になっているわけですね。『二重標的』が刊行されたのは1996年。今野さんが『隠蔽捜査』で吉川英治文化新人賞を取ったのは、デビュー28年目の2006年。10年間で、新たな分野を開拓する独創性まで身に付けたわけですね。
安積班シリーズを11冊読んで、何故、こんなに熱烈なファンが多いのかがわかった。安積班シリーズは、ミステリーではない。いやむしろミステリーだとすると、はっきり言って駄作である。でもそこには、まるで普段、仕事を共にしている上司や同僚以上に親近感を感じる安積班の面々や速水がいる。そのような魅力が徐々に際立ってくるのが、神南署安積班からであり、ベイエリア分署復活後の残照からは、速水が操るスープラ3000GTパトカーの強力なトルクとパワーのように高まって行く。
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