みなさんの「記憶」に関するお話ができれば。内島さん案の、関連妄想体験談話室。
記憶が刺激される要素に、匂いや味、歌といったものもあるけれど、小さい頃から今までずっと絵を描いているせいもあり、ヴィジュアル(表象)という要素は私を特別に引き付ける。思い出せないのが、何の絵か誰の絵か、もしかしたら自分の描いた絵なのかとも考えられる曖昧模糊とした感覚はとても不思議だ。あれとこれに区別をつける必要などない、区別をつけるとかえって違うものになってしまうから、記憶は不確かなところにその命があるのかもしれない。
最近、たまたま目にした絵によって、恐らくずっと過去に見た似たような絵の記憶が頭をもたげそうになるという瞬間に出会うことが二あった。一度目はツイッターで見かけた、長い蔓の先に咲いた真っ赤な薔薇の真ん中に大きな一つ目がついている絵によって、二度目は、ある同人誌の漫画に出てきた目と口が白く切り取られた真っ黒いオバケの絵によって。どちらも、きっと子供の頃ほとんど無意識に私の心が捉えられてしまっていたのであろう元の画像のしっぽが、一瞬浮かびそうになりながら、けれど決してはっきりとは姿を見せないもどかしさを残した。
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