「Lasciate ogne speranza, voi ch'entrate」
字獄巡りの中で出会った語句の記録。
そのたもろもろ。
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字獄めぐりの旅の半ばでかんがえるの。
今まで出会ってきた、ヒトビトの中で、いちばんすきなのはだれだろう、と。
あなたなら、だれとこたえますか?
たくさんの魅力溢れるヒトビトに出会ったけど、今のところ、わたしはラルフ・タチェットじゃないかとおもう。時々、会いたくて会いたくてたまらなくなるの。
『何でも相談できる、生きた
アシスタントのような存在』
という謳い文句にまんまとのせられ、店頭でいちばん高かった電子辞書を購入。もちろん、うーんうーんと悩んだ上で、広辞苑第7版とか古文とか英語とかコンテンツの細部にこだわって、納得して選んだつもり。が、レジで「これ、ふつうにプレステとか買えるくらいの値段ですからね〜、安いパソコンみたいなもんですよ〜」と言われ、やっぱりちょっと向こう見ずな買い物だったかしら……とちょっとナイーブになりつつ店を出ると、待ってましたのゲリラ豪雨。嗚呼終わった……と思ったね、あの時は。
帰宅後風呂に入って気分もさっぱりして辞書いじり始め、"文学3000作品"という気になってた項目を開いたら!!!世界文学1000作はなんと英文!!まじかよ……と何度も呟きながら作家名や作品を確認してると気づくと涙が頬を伝ってました。さすがに辞書に泣くとは思わなかった。しかもものすごいコアなところまで抑えてあって、ジェイムズもシェイクスピアもメルヴィルもいっぱい入ってる。アスパンの恋文も入ってる。
あとは、来週届く予定のスペ語辞書データをこの子に追加すれば完璧。
これからなんでも相談してじっくり沈んでいきたい、この運命的にであった相棒の中に。
京都二条城二の丸御殿の特別展示にて購入。二条城の見どころは、何と言っても壁。といって横ばかり見ていてはいけない、壁は上にも広がっている。こんなに面白いとはシラナカッタ。壁を読む。二条城はポケットには入りきらない書物なのだ。
(バルザック、『谷間の百合』)
ジェイムズとの関係が深化するにつれ、避けては通れないヒトが増えていく。ということで、バルザック氏にお目通りを願いたく、谷間の百合へ。
一時期、遠藤周作作品を好んでよんでいた頃から、いつかはみたいと思っていたこの谷間に咲くという百合の花。
甘美な、清楚な、華奢な、そんな姿を勝手に描いていたが、見ると聞くではおおちがいとはまさにこのこと。自己弁護と偶像崇拝、恐ろしいまでの嫉妬と怨念を感じる百合の花でした。
始終苛々しながら耐え忍んでよみすすめていったが、しかし、何故か、何処か、涙を誘うのがバルザック流のアイロニーなのか?もう一作、ゴリオ爺さんあたりにはチャレンジしたい。
「金色の盃」年譜より
ロンドンを訪れた兄ウイリアム・ジェイムズは久しぶりに会う弟の変貌ぶりに驚いて妹に次のように書いた。
「彼は海中のある種の甲殻類のように、海藻や藤壺をからだの表面いっぱいに生やしてしまっています。重おもしい異国の習慣や作法の中に身をひそめて暮らしているのです。でもそんなものはみな擬態にすぎません。その下には善良で無邪気な、心底では無力感に悩まされている昔と変わらぬハリー、著作以外のことはほとんど念頭になく、すべての傷つきやすいものに対する愛情と献身を忘れないハリーがいるのです。」
ハリー!!
「大使たち」のストレザーそのままの人だったのだなあ。
メルヴィルに絶賛浮気中の今日この頃。
なんといってもバートルビーがあたまから離れない。
百ページほどの作品で、一夜で読める量でありながらその夜がとてもながい。読み切った解放感という夜明けが一向に訪れない。
I would prefer not to.
原文もネットに落ちてるみたいなので、よんでみよう。
読書会とかで取り上げてもおもしろそうなホン。読書会にいったことがないからわからないけれど、、、
ということで独り輪読、略してヒトリンドク。
メルヴィルほど、原文が気になるヒトに出会ったのは初めてかもしれない。
マイ革命児、メルヴィル。
『檻の中』を読むと、オードリーヘップバーンの『ローマの休日』が観たくなり、再鑑賞。だいすきな映画。
もちろん2つは全然ちがう話ではあるが、構成要素としては共通する部分が多い気がする。ローマの休日の方が現実を描いているのに幻想的で、檻の中の方は幻想を描いているのに現実的。不思議。
どちらにも共通するのは、アイコンタクトの対話。
この精神的にも肉体的にも自由度の高いコミュニケーションが会話やメール、肌の触れ合いなんかよりずっとすきになりつつある今日この頃。ジェイムズと見つめ合うのがたのしくてたまらない。その眼は何を語るのか。
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