しかし、日英同盟の廃棄は取り返しがつかなかった。日英同盟が続いていれば、親英的な昭和天皇と重臣たちの影響力のもとに、同盟国の意向尊重ということで陸軍の力を十分抑えたであろうし、たとえ満洲事変が起こっても、英国苦心の好意的提案であるリットン報告書の線で収まったであろう。その後の三国同盟などではできうべきもなかった。
引用は以上です。著者の岡崎は私の尊敬する知識人(本職は外交官)の1人で、日英同盟を解消した幣原喜重郎を全体として好意的に評価しています。
ただ私は、日英同盟の解消、浜口・若槻内閣の外相時代のいわゆる「軟弱外交」により満洲事変を誘発させたこと、そして、戦後の憲法9条の密約といい、幣原は「日本を三度壊した外交官」といっても過言ではないと思います。
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