同書のp228より引用します。引用文中の東郷とは、太平洋戦争開戦時、および終戦時に外相を務めた東郷茂徳のことです。
東郷は戦後の日本は否応なしに大国ソ連の勢力下に入らざるを得ないと考えていたフシがあり、巻末の「資料編」に抜粋した当時の手帳の記述からも、場合によっては「属国化」もその代償として考えていたようである。
東郷は太平洋戦争末期、終戦工作の一環としてソ連を仲介した工作に乗り出します。しかしながら、ヤルタ協定によりソ連はすでに日本侵攻を決定しており、東郷の工作は幻に終わります。幻に終わったからこそ、大きな問題にならなかったのですが、ソ連に好意的な人物が太平洋戦争の開戦時、そして終戦時の外相だったのです。
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