昭和陸軍に属する軍人の一人に「遠藤三郎」がいます。戦後間もなく日本は「平和国家」として再出発すべきと訴えた軍人です。同書にはこの事が紹介されていますが、遠藤はその後中国共産党に近づくこととなり、1956年中国を訪問して毛沢東と会談し、「日本軍のおかげで今の中国共産党があります」と感謝されています。遠藤は、中国共産党にとって、使い勝手のいい人物だったのです。
このような人物が戦後「平和主義者」に転向したという和田春樹の判断は正しいのでしょうか。私は、戦前戦後を通じ、遠藤の考えに基本的に変化はないと思います。
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