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日本近現代史研究会

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前回の続き(同書のp459から引用します)
トピック

辻貴之
2018/09/25 14:56

 このような状況のもと、トルーマンとバーンズはどのように行動すべきかというジレンマに直面した。日本の撃滅にソ連の援助を必要としないとスターリンに直接言うべきか。しかし、これは同盟関係の公然たる断絶を意味した。このような決定は欧州と極東に予想できない危険な状況をつくりだすであろう。米国と英国がドイツを撃滅した後、自国の軍隊を太平洋の戦場に移動させ始めたときに、欧州には強力な赤軍が残っていた。同盟国と敵対関係が生ずれば、赤軍は欧州全体を占領できる。同時に、満州国境に展開した一五〇万人のソ連軍とソ連太平洋艦隊は、蔣介石の意見をかえりみず、いつでも満州に侵入できる。毛沢東と一緒になれば、ソ連軍は中国の北東部と朝鮮に長く居座るであろう。そうなれば米国は手出しができなくなる。日本の有名な政治家、広田弘毅がマリクとの会談で述べた推測は全くありそうなことであった。広田は、米国と共同して対抗するために、ソ連陸軍と日本海軍が手を握ってもいいと述べていた。米国の戦略家はこのようなシナリオも考慮せざるを得なかった。


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