著者は現在、京都大学名誉教授です。同書は、憲法⒐条の平和主義の系譜に属する人々を紹介する内容です。憲法9条は戦後になって突然誕生したものではなく、それなりの歴史があるとの主張です。ところが、そうして紹介された人のなかには、満州事変から太平洋戦争に至る期間に戦争遂行に協力した人が多いのです。幣原喜重郎自身がその典型ですがほかにも、平塚らいてう、市川房枝(p229)、鈴木安蔵(p231)、宮沢俊義(p245)、白鳥敏夫(p276)、遠藤三郎、石橋湛山(p277)です。
「見たいものだけ見て、見たくないものは見ない」という、心理学で「確証バイアス」と呼ばれる現象の典型ではないでしょうか。
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