「対外硬」という言葉は、あまり聞き慣れないかもしれません。外国に対して強硬な態度で臨む立場をいいます。明治時代は野党勢力がこの「対外硬」の立場でした。引用します。
近代日本における対外硬運動で注目すべき第一の点は、対外硬運動が野党派、非政権派の政府批判運動であったことである。野党派は連合を形成し、政府の対外政策、対外態度が軟弱であると批判した(中略)。すなわち、有司専制、藩閥、非立憲の政府であるがるがゆえに対外軟であるという主張である。さらにまた、国民に信頼し、依頼しない政府であるがゆえに対外軟となるのであると主張された。日清戦後おける「責任内閣・自主外交」、日露戦後の「内に立憲主義・外に帝国主義」という主張はその典型例である。
つまり、内に立憲主義を唱えた勢力こそ対外強硬派だったのです。こうした視点で見ないと、戦前日本の歩みは理解できません。
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