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日本近現代史研究会

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杉森久英『大政翼賛会戦後』(文藝春秋)のp94より
トピック

辻貴之
2019/12/18 12:41

著者は昭和10年代、中央公論社員から大政翼賛会に移った人物です。つまり昭和15年の新体制運動から大政翼賛会まで、その内部で活躍していた人物です。引用します。

 新体制という言葉は、その何年も前から、やかましく叫ばれるようになっていた。いろんな人が、いろんな意図で叫んでいたので、人によって、その目指すところがちがっていたが、ひっくるめていえば、日本の政治、経済の立て直しをしようというので、つまり革命と同じことであった。(中略)
 結局、新体制とは冨の平均化とか、私有財産の制限とか、労働と雇用の正常な関係とか、政党政治の浄化とか、基本的人権の確立とか、社会福祉の実現などを目標としていることでは、社会主義、共産主義と同じ課題に取り組んでいるのだが、違うところは、暴力と流血という手段を用いないで、目的を達しようとしている点だけであった。

 

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