著者はオストラリアのクィーンズランド大学の心理学教授で、進化心理学の観点から人間性について記述した著作です。同書のp278に「自己欺瞞的な偽善者に進化した人間」との小見出しがあり、その少し後に、戦争に関して「負ける方が負けを予想できない大きな要因は自己欺瞞にある」とあり、以下の文章が続きます。
その一方で、核兵器の出現は、新たな現実を作りだした。実際に使用されなくても、人々は核兵器の並外れた威力に大きな抑止力があることを認める。核兵器の大きな利点は、勝者側にも耐えがたい損失がもたらされるという共通の認識である。そのような認識をもつ両陣営は、たとえ自分の勝ちを信じつづけたとしても、闘いが泥沼化しない道を選ぼうとする。
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