読書メーター KADOKAWA Group

日本近現代史研究会

  • Xでシェア
  • facebookでシェア

田中宏巳『山本五十六』(吉川弘文館)
トピック

辻貴之
2020/01/20 18:51

著者は元防衛大学教授です。この著作が興味深いのは、米内光政・山本五十六・井上成実の海軍トリオが三国同盟に強く反対したとの従来の説を否定していることです。たとえばp153には、以下の言葉が並びます。

 吉田の三国同盟反対論は、第一次交渉に抵抗した山本や米内に比べてずっと激しいものであった。ところが戦後の所作によって、吉田の反対活動が山本、米内、井上らが強く反対した話にすり替えられたとしか思えてならない。損な役回りをした吉田は自殺未遂までし、文字通り命をかけて三国同盟に反対したにもかかわらず、歴史上、注目されないまま今日に至っている。

私自身も、山本が三国同盟交渉に強く反対したのであれば、なぜ太平洋戦争開戦の火蓋を切ったのか、不思議でした。山本がそれこそ命がけで官軍幹部に対米戦争不可を訴えていれば、戦争は避けられたのではなかったでしょうか。

このトピックのコメント

データの取得中にエラーが発生しました
このトピックのコメントはありません
新着
参加予定
検討中
さんが
ネタバレ