戸部良一・国際日本文化センター名誉教授の戸部良一氏は同書で昭和の指導者6人を論じ、そのなかに浜口雄幸もいます。戸部教授は浜口政権を基本的に評価していますが、それではなぜ民政党政権がその後の軍国主義に道を拓くかのような政策を続けたのか理解できなく、苦悩しています。その箇所を引用します。
いったい何によって日本の政治は変調をきたしたのか。考えれば考えるほど、分からなくなる。思い切って、民主化と軍国主義は矛盾しない、という大胆な仮説を立ててみるべきかもしれない。民主化は中絶せず、軍国主義と両立したのだと。
私の考えは、浜口を含む民政党政権は破壊衝動に染まっていたのだ、というものです。戦後日本においても、リベラルはしばしば破壊衝動に染まっていましたが、それと同様なことが戦前日本においてすでに起こっていたのです。
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