日清戦争の始まる前、陸羯南などの「日本主義」者が政府の進める条約改正交渉に反対していました。以下、引用します。
他方、条約改正に反対しつづけたナショナリストの側にも、欧米列強の対外政策や中国の内情についての関心や知識はなかった。美しい自然のなかで長年にわたって培われてきた日本固有の習慣や習俗を、欧米文明の浸食から守れというのがその基本的立場だったからである。「支那保全」ではなく、「日本保全」が、日清戦争までの日本のナショナリストの課題だったのである。人類の理想を体現する「平和憲法」を持つ日本を美化する戦後の平和主義の原型だったのかもしれない。
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