第四章は「日中戦争が日米戦争の原因ではなかった」(渡辺惣樹著)です。引用します。
「もしルーズベルトが、ヨーロッパの戦いに巻き込まれることを恐れ、そうした事態を真に避けようとしていたのであれば、ドイツに宣戦布告した英仏と独の間に立って仲介に入る外交的オプションがあった。
アメリカの強大な国力を背景にした外交を展開すれば、少なくとも暫定休戦協定を締結させられる可能性があった。米国には戦争当事国に痛み分けを強制できる力があったのである。
実際、当時のルーズベルト支援者の中にも、彼がそのような外交を展開してくれるだろうと期待するものが少なくなかった。その一人がウィリアム・ローズ・デイヴィスであった。デイヴィスは独立系石油王であり、ルーズベルトの有力支援者だった。ルーズベルトが再選を目指した選挙戦(一九三六年)では、三十万ドルを拠出している。」
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