井上寿一『論点別昭和史』(講談社現代新書)のp189です。いわゆるハル・ノートに関連したもので、中国からの撤兵を要求するアメリカ側の意図に満州が含まれるかどうかといった問題です。
東郷の答から満州国を含むか否か、アメリカ側に確認していないことがわかる。含むだろうとは東郷の推測、解釈にすぎない。以下の理由からアメリカ側に確認すべきだった。
日米開戦は日本からさきに手を出さなければ回避できた。それゆえハル・ノートをめぐって交渉を続けることは意味があった。交渉がつづけば、ほどなくして東南アジアは雨期に入る。作戦行動がとりにくくなる。そこへドイツに対するソ連の反抗が始まる。(中略)こうして開戦は回避される。
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