まだ読んでいる途中ですが、気になる記述がありましたので紹介させていただきます。
「大正政変は、陸軍にとって政治的大敗北であった。陸海軍は軍部大臣現役武官制の廃止に追い込まれた。大正政変は、世論の高まりが内閣を倒した最初の事例といわれる。政変は、前出の「戦後デモクラシー」の帰結と言える。井口が山県と「現今社会の思潮」について語り合ったのは、こうした時勢に陸軍としてどう立ち向かうかをめぐってであったとみられる。
重要なのは、東條英機が軍人としての歩みをはじめたのが、民衆の力や動向を無視した政治が困難となっていた時期に当たることである。陸軍(海軍もだが)が、軍備を維持するためには、自らの存在意義を社会に向けて訴えていくことが必要となった時代である。」
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