池田勇人は憲法と防衛は後回し、経済一辺倒というイメージを抱いておりましたが、それは完全に勉強不足による間違いであった事を思い知らされました。「ブーちゃん」とは伊藤昌哉、元西日本新聞記者で池田勇人の腹心となり、「池田勇人その生と死」という記録を残した人物です。
「訪欧の際にはイギリスのマクミラン首相との会談後、池田は秘書官のブーちゃんに、「日本に軍事力があったらなあ、俺の発言権はおそらくきょうのそれに一〇倍したろう」とぼやきました。(中略)
また、池田は自衛隊の社会的地位の向上を図りました。多くの兵隊や強い武器も大事ですが、同様に重要なのが社会的な認知です。
たとえば防衛省幹部との会食を行いました。たいしたことないじゃないかと思われるかもしれませんが、首相と防衛庁幹部との会食は、次回は福田内閣期の昭和五十二年六月二日まで行われていません。」
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