入門講座④石の死・アゲハマ
前回の反対ですね。2眼作れない陣地は死んでます。今回は「2眼とは何か」というのがテーマと言えるかもしれません。
図4-1のe5に白石があれば生きでしたね。その場所に黒石が置けたら…… もはや 白の陣地を2つに分ける事は出来ません。図4-2、白石12個死にました。
この次に白はe4(やe6)に打つことはできます。ただし、取られる石が増えるだけで、白は損です。黒が残ったe6(かe4)に打って白石を取ってもいいし。放置して別の場所に打つのもありです。白が中央の黒石取ったところで1眼しかないので、結局死んだままなのです。
石が死ぬことの意味をここで説明しましょう。生きていたら自分の陣地になっていた場所が消えるだけじゃないんです。死んだ石がある場所は相手の陣地になります。しかも、死んだと取られた石の数だけ陣地が自分の陣地が減るのです。10個石が取られたら、対戦が終わって陣地を数える時に、自分の陣地から10マス引きます。因みに、取られて盤上から消えた石はアゲハマと言います。
対戦すら未経験のうちに聞いても、正直ピンとこないですよね。要するに、自分の石が死んだら、すごく損と思ってください。今は、その理解で十分です。ネット対戦だと自動で計算してくれますからね!
気になる人のために一応、図4-3で説明しておきましょう。盤面に残る死んだ相手の石と、取って盤面から消えた相手の石(アゲハマ)の数だけ相手の陣地のマスが減ります。
この例では、c8にあった黒石が取られたとします。b7とc6は2眼作れる気がしないので、黒は(そして白も)放置しています。
黒の陣地は:
(盤面の黒陣地)30目 ー(盤面に残る死んだ石b7とc6)2目 ー(アゲハマ)1目
=27目
いっぱい石が死んだら、その分損って事ですね。陣地の数え方は次回もう少し説明します。
さて、話を今回のテーマ「石の死」に戻します。
問題。難しいのでヒント付きです。黒の番です。図4-4右上の白を殺してください。(物騒な表現ですよね。囲碁では普通に使うんですが、恐ろしい) ヒントは、「陣地を2つに仕切れたら生き。逆に言えば、相手(白)が陣地を2つに分けるのを防ぐ場所に黒石を置けばいい」
あ、わからなくても気にしないでくださいね。実戦で何回も失敗しながら勝手に覚えますから。
正解は、図4-5。「5」マスの真ん「中」の手ということで、5目中手(ごもくなかて)とも言います。白の石死にました。h9を黒より先に白が打てば、白の生きです。
囲碁では、マスの事を目(もく)で数えます。例で見てきた3マスの真ん中に置くのは、3目中手です。
「本当に2眼できない?」と気になる人! いい傾向です!納得するまで考えてみたらいいんです。強くなります。
石の生き死にってすごく大切で、その知識や感覚が囲碁の強さの土台になる部分です。まあ、初心者のうちは、どんどん石が取られることでしょう。気づいたら、自分の陣地が全くないという事も(かなり)あるはずです。ルール覚えたら次の目標は全滅しないこと。
今回の締めは、図4-6。黒の番です。上の黒石は生きてますか?
この形、黒がc9(図4-7)に打てば、白がh8に打って黒石が取られます。「死んでる?」と思ってしまいますよね。でも……
白が先にc9打てば、黒にh8に打たれて白が取られます。
つまり、境界線に先に石を置いた方が取られるので、どちらも放置する。この形を「セキ」と言います。ここはどちらの陣地にも数えられません。
正直、初心者だと狙ってセキになる事はないので、とりあえず存在だけ頭のどこかに保管しておいてくれたらいいかと思います。
次回はいよいよ入門編 最終回。
対戦の準備もそろそろ整います。
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