家族や恋愛(肉体関係)というものをおよそ通俗性なしに描いている。潤いやユーモアが一切なく、まったく殺伐とした日常で、どこかグロテスクにすら映る。血の繋がった家族の同居の息苦しさ、感情のササクレ、逃げ場のなさや、逃げた時にはその後ろめたさ……。男女の同衾にも甘さやエロスは感じられず、やっぱりどこかグロテスクだ。物語性にも乏しい。しかし、引き込まれる。嘘臭くないからである。
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