英語チームはディープラーニングを活用。最終的に150億文(コーパス=言語データ)暗記させる(一方で文法や構文は一切教えていない)。それでも、英会話の穴埋め四択問題の正答率を上昇させることができなかった。桜散る。
数学を論理的な自然言語処理と数式処理の組み合わせで克服した東ロボくんの前に立ちはだったのが国語と英語。現代文では、棒線部の問題に対して、選択肢の中から、文字の重複など表面的な類似から答えを選ぶという荒技。文の意味どころか、単語の意味も検索しない(笑)これだけで正答率五割。エンピツを転がすより正答率が高い。
しかし、数学の文章問題はワトソン的な検索に落とし込めない。ここでは、論理型が復活する。自然言語で書かれた問題文を、論理的「機械翻訳機」を用いて数式に変換するのである。
クイズなどで、答えが固有名詞や何年、何人というような名数付きの数字になるような問題を、ファクトイドという。AIは得意。IBMのAIワトソンが2011年にクイズ番組のチャンピオンを破る。検索の手法。東大合格を目指す東ロボくんが、センター試験世界史を攻略したのも、やはり検索の手法。しかし、ワトソンと同じ手法だと、半分しか解けず、正答率が安定しないので、方針を転換。選択肢からクイズ問題を自力でつくるようにする。名前や分類をリストアップしたオントロジーを作成し、問題をファクトイドに落とし込むようにする。
1980年代の第二次AIブームまでは、「思考」は論理に基づいていると考えられていた。しかし、犬と猫との区別、イチゴの認識などは、論理に基づくのか。そこで、機械学習というのは統計的な方法論が生まれた。マンパワーで特徴量を設計。正解率を1%向上させるために一年かけて調整。ディープラーニングは、AI自体が特徴量を設計し、自動で最適化する、マシンパワーを使ったもの。
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